僕と精霊

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僕らの青春編

第107話 アミィ、病気!?

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 夏休みも終え、あっという間に9月がやって来た。そんなある日、バーン家に事件が起きた。

「ジャン!起きろ!」
いつも通りパンプはジャンの腹の上で跳ねる
「ん、うん...」
ジャンは目を擦りながら階段を降りる

「おはようジャン」
アミィはいつも通り朝食を作っている
「おはよう」
ユウスケは新聞を読んでいる

「おはよう..母さん、父さん」
ジャンはあくびをしながら顔を洗いに行く
「パンプ、いつもの頼む」
「おし!」
パンプはジャンの顔に思い切りビンタする

「ヨシ!目が覚めてきた、ありがとう」
「さぁ、朝ごはんを食べようぜ!」
2人はるんるんと朝食を食べる

「さてと準備、準備」
ジャンとパンプは歯を磨き、カバンに物を詰める
「ジャン、コレ忘れてるぞ」
パンプは教科書をジャンに渡す
「ありがと」
ジャンは教科書をカバンに詰める

「よし、行くか」
「おう!」
2人は玄関まで行く

「行ってきまーす」
ジャンは先に外へ出てパンプを待つ

「気をつけて行くんだぞー」
ユウスケは新聞を読みながら言う
「いってらっしゃ...」
玄関まで見送りに来たアミィが突然倒れる

「アミィ‼️ジャン❗️大変だ❗️」
パンプは大声でジャンを呼ぶ
「どうしたの!」
ジャンは走って玄関に戻る

「母さん❗️」
アミィは力を振り絞り立ち上がる
「ごめんなさい、さぁ遅刻しちゃうから速く行きなさい」
アミィはフラフラ壁に手をつけ、咳をする

 ユウスケもやって来る
「どうしたんだ!アミィ!」
ユウスケはアミィに肩を貸す

「ごめんなさいユウスケさん、少し気分が悪くて」
「気にするな、ジャン!悪いが引き出しから救急笛を取ってきて吹いてくれないか」
ユウスケはアミィをトイレに連れて行く

「分かった!パンプ先に行っててくれ」
ジャンは靴を脱ぎ、引き出しに走る
「ヤダ!オレも残る!」
パンプはジャンを追う

 ジャンは引き出しから救急笛を取り出し、外へ出る

「ハァー❗️」
ジャンは大きく息を吸う
ピィィィィーーーーー‼️
鋭い音が鳴り響く

「ジャン!こんな時に笛を吹いてる場合か!」
パンプは怒る
「違うよ、パンプ!この笛で病院の人を呼ぶんだよ、あと5分ぐらいで到着するかな、パンプは母さんにヒーリングジュエルを打ってよ」
「分かった!」
パンプはトイレに勢い良く飛ぶ

「アミィ!今治すぞ!ヒーリングジュエル‼️」
パンプはアミィに緑の宝石を打ち込む

「どうだ!アミィ楽になったか!」
パンプは焦りながら聞く
「ダメ、全然良くならない...うっ!」
アミィはトイレに吐く

「なんでだ!いつも治るのに!」
パンプは何度もアミィに宝石を打ち込んだ。しかし、アミィは容体は元に戻るどころか気を失ってしまう

「何でだよ!」
「待てパンプ、今はあまりアミィを刺激するな、ジャンの所へ行ってくれ」
ユウスケはパンプが落ち込まないように優しく言う

「分かった...」
パンプはしょんぼりしながらジャンの所へ戻る
「どうだった!パンプ!」
「ダメだった...」
パンプは泣き出す

「まぁまぁパンプ、今は救急員が来るのを待とう」
2人は少し待つと空から救急員が3人来た

「どうなさいましたか?」
救急員は2人に尋ねる
「アミィが!突然!倒れて!うわーん❗️」
パンプは泣きじゃくりながら言う

「落ち着いて下さい!」
救急員はパンプを落ち着かせる

「あの母が急に倒れてしまって...」
ジャンは冷静に対応をする
「案内を」
ジャンは救急員をアミィの所へ案内する

「あの妻の容体は?」
「とりあえず、病院まで運びます」
アミィは担架に乗せられ、救急員達は病院まで飛んで行く

「俺らも行くぞ」
「うん」
「おう!」
ユウスケ達は病院へ走る


 病院

「ん..此処は...」
アミィは目を覚まし周りを見回す
「アミィ!」
「母さん!」
「アミィ!起きたか!」
パンプはアミィに抱きつく

「パンプちゃん?私、気を失ってたの?」
「そうだぞ!凄く心配したんだぞ!」
パンプは少し泣いている

「ごめんなさいね」
アミィはパンプを撫でる

「アミィー様‼️」
病院の廊下をセバスが猛ダッシュでやって来る
「セバスさん!?」
アミィは驚く

「一体何があったのですか‼️精霊石の反応に突然異変を感じ、帰宅したら誰も居なくなっていて‼️」
セバスは相当焦っている

「病院内はお静かに‼️」
「ひゃい..!」
セバスは背後から看護婦に頭を叩かれる

「それとアミィ・バーンさん、診断の結果が出ましたので至急、先生の部屋へ」
アミィ達は看護婦の案内で先生の部屋へ入った

「アミィ・バーンさんですね、どうぞ椅子へ」
アミィは椅子に座る
「あの先生、私はどのような病気だったのでしょうか」
アミィは不安そうに尋ねる

 ジャン達は唾を呑む
「ハハッ、安心してください病気ではありません」
先生は明るい顔で言う
「と言うと?」
アミィは少し安心をする

「おめでとうございます奥さん、妊娠をしていますよ」
先生と看護婦は拍手をする

「え?」
ジャンは驚く
「そういうことか!やったな!アミィ!」
ユウスケはアミィに抱きつく
「ふふっ、家族が増えるのね」
アミィは涙を流しながら喜ぶ

「アミィ様!おめでとうございます!このセバス!非常に感激をしております!」
セバスは滝のような涙を流しながら拍手をする

「ジャン、妊娠って何だ?」
パンプはジャンの肩を叩く
「お腹の中に赤ちゃんがいるってことになるのかな?」
ジャンも状況を理解できていない
「てことはジャンは白夜みたいにお姉ちゃんになるのか?」

「ちょっと違うわよパンプちゃん、ジャンはね、お兄ちゃんになるのよ」
アミィはパンプの頭を撫でる

「とりあえず奥さんは安静に栄養バランスに気を使って下さい、特にお酒は控えてくださいね」
先生は一礼する
「ありがとうございます先生」
アミィ達も一礼をし、病院を出る

「とりあえず良かったな」
ユウスケはホッと一息つく
「僕達は学園に行くね」
「行って来るぞ!」
ジャンとパンプは学園へ走る

「アミィ様、わたくしから手を離さないでくださいね」
セバスはアミィの手を強く掴む

「ありがとうセバスさん」
3人は家にゆっくり景色を楽しみながら帰った


 



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