僕と精霊

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英雄誕生伝編 6月20日〜6月30日

第98話 150年前にさようなら

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 ケンザキは完全に消えた、150年前の世界は平和になったとは言えないがとりあえずは安心だ。

「ジャン様...本当に行っちゃうの?」
「うん、僕らも元の時代に帰らなきゃいけないからね」
ジャンはゼノの頭を撫でる

「ジャン、そろそろ穴が閉じる急ぐぞ」
ユウスケとパンプがジャンを呼びに来る
「うん、分かった!パンプ、ちょっとお願い」
「何だ?」
ジャンはパンプの耳元にコソコソ話す

「良いぞ!」
パンプは綺麗な宝石を作る
「ゼノ、コレやるよ!」
ジャンは宝石をゼノに手渡す

「石?」
「うん、僕らの思い出として持っていてよ」
「ありがとう、僕この石大切にする!」
ゼノは宝石を握りしめて笑う

「さぁ、行こう」
ジャンとパンプはユウスケの作った小型飛行機に乗る

「ゼノは我に任せてくれ」
竜ノ神はジャンに宣言する
「しっかり支え合うんだよ」

「寂しくなるな」
ノックは奥さんと一緒に手を振る
「ノックさん、家族は大切にして下さいね!」

「弟子よ、日々の精進を忘れるなよ」
クランクは右手をジャンに向ける
「クランクさんも頑張って下さいね」

「里の者達の代表として私からお礼を言わせて下さい、この里を守っていただいた英雄様方」
里長は深々とお辞儀をする

「こちらこそ1ヶ月間ありがとうございました」
ジャンもお辞儀をする

「発進!」
飛行機は動き出し穴に向かって飛び立つ

 ゼノは走る
「ジャン様❗️僕❗️絶対に❗️頼れる里長になるよ❗️」
ゼノは走りながら手を振る

 ジャンは何も言わずただ飛行機から手を振った
「ジャン、しっかり掴まってろよ!突っ込むぞ❗️」
飛行機は穴と一緒に消える

 里長はゼノの方へ歩く
「行ってしまいましたね...」
「うん、僕も頑張んなきゃ...あっ❗️」
「どうしたのですかゼノ?」
「聖剣回収する忘れた❗️」
ゼノは慌てる、里親は呆れる


 現代

 穴の中からユウスケの飛行機が飛び出して来た
「来たか、待っていたぞ」
「龍神様!」
龍神はジャン達を出迎え、穴から離れる

 町はまだ魔獣の襲撃で大パニックのようだ
「パンプ!行くよ!」
「おう!」
ジャンとパンプは飛行機から飛び降りる

「お、おい!ジャン❗️パンプ❗️」
ユウスケは慌てる
「心配する事はない」
龍神は落ち着いた声で話す

「龍神様が言うのであれば」
ユウスケは飛行機のスピードを少しずつ下げていき、着陸する



「僕はあっち!パンプはこっちに行って!」
ジャンは落ちながらパンプに指示する
「うん!」

 2人は共鳴をし、ジャンは炎で、パンプは宝石の鳥になって別々の方向に飛ぶ


 動物園 

 ザルとメイデンは魔獣から動物を守っていた
「どんだけいんだよ!もう百匹は倒したよな!」
ザルは走りながら魔獣を斬り捨てていく

「キリがありませんね」
メイデンは角で魔獣を貫いていく

「パオォォン‼️」
巨大な像の魔獣が地面から出てくる
「な、何だコイツ!?」
ザルは魔獣の大きさに驚く

「オラァァァ‼️」
空から落ちてきたパンプが像の魔獣を殴り潰す

「おーい!大丈夫か、ザル?」
パンプが魔獣の死骸から顔を出す
「パンプ!て事はジャンは帰ってきたのか!」
ザルはパンプの方へ走る

「パンプ、お前一撃であの魔獣を...」
メイデンは度肝を抜かす
「ここは..んぐ..終わりか?」
パンプは魔獣の肉を少し食べながら言う
「そんな得体の知れない物を食べるな」
メイデンは呆れる


 公園付近

 白夜とローズは避難し遅れた人達を誘導していた

「うわっ!」
男の子はつまずいて転ぶ
「ほら立って」
ローズが手を差し伸べる
「ありがとう精霊さん」
男の子はローズに手を引かれながら走る

「うわぁ❗️デカいのがいるぞ❗️」
男性の先には虎の魔獣が待ち構えるよう座っていた

「皆さん!こちらへ!」
白夜は人を後ろの方へを誘導し、魔獣の前に立つ
(私とローズでどうにかできるかしら...)
白夜は汗を流し、大鎌を構える

「グルァァ‼️」
魔獣は白夜に飛びかかる
「白夜!危ない!」
「はぁぁ❗️」
白夜は鎌を振り下ろす

「フルブラスト❗️」
突然、魔獣は真上から降ってきた熱線に貫かれ倒れる

「へ...?」
白夜はその場で腰を抜かす
「大丈夫か白夜さん?」
白夜の前にはジャンが立っていた

「ジャン...さん?」
白夜は戸惑う
「どうかしたのか?」
ジャンは白夜の手を掴み立たせる

「本当にジャンさんなのですか?」
白夜は顔を赤くする
「ああ、そうだが」
ジャンがそう答えた瞬間、白夜はジャンに抱きつく

「良かった!ちゃんと帰ってきてくれたんですね!」
白夜の抱きしめる力は強くなっていく
「約束しただろ、絶対帰ってくるって」
ジャンは白夜の背中を撫でる

「あ、あの2人とも、良い感じな所申し訳ないんだけど」
ローズが後ろから気まずそうにやって来る

「どうしたのローズ?」
「みんなに見られてるわよ」
ローズの背後には避難中の人達が笑いながらジャン達を見ていた

「「あ!」」
2人は離れる

「あのこれは...さぁ!避難しましょう!」
白夜は顔を真っ赤にしながら指示をする
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