僕と精霊

一般人

文字の大きさ
上 下
165 / 193
英雄誕生伝編 6月20日〜6月30日

第94話 再開と聖剣

しおりを挟む
 150年前サイド

 爆発が収まるとユウスケはすぐにジャンのいる方へ走った

「お、おい待て!」
ノックとクランクはユウスケの後を追う
「僕も...」
「お待ちなさい!ゼノ」
里長がゼノを止める

「何?」
「今のままではただ死ぬだけです、こっちに来なさい!」
里親はゼノの手を引っ張る
「ええー!速く行かせてよ!」
ゼノは引きずられながら駄々をこねる
「ゼノ...」
竜ノ神は地面這いずりながらゼノの後につく

「おいおい、なんだよこれ!ひでぇ」
ノックは爆発で焼け野原になった森を見渡す
「流石にあのケンザキとかいう奴も」
クランクは焦げた石を拾いながら言う
「いや、アイツは生きている、そう簡単に死ぬ男じゃない」
ユウスケは警戒する

「大正~解!流石ユウスケさ~ん」
木炭の山からケンザキが出てくるが姿は人型になっていた

「やはりな」
ユウスケ達はケンザキを囲む
「上を見なさい、コレが何か分かりませんか?」
ケンザキは空にある穴に指を差し、何かを撃ち込む

「なっ!空が裂けている!」
ノックは目を見開く
「どういうことだこりゃ!」
クランクは穴の奥を目を凝らしながら見る

「何だ!穴の中に地上がある!」
クランクは驚く

「ケンザキ❗️」
ユウスケは気にせず銃を構える
「おっと、今更そんな物私には効きませんよ」
ケンザキは指を振る

「うるせぇ、気休めだ」
ユウスケは引き金を引く


 竜の祭壇 奥地

「此処です」
「コレは!?」
ゼノの目の前には金色の剣が祭壇に祀られていた

「コレは聖剣、対魔の剣です」
「対魔の剣..」
ゼノは剣に近づく

「この剣はこの里の里長のみが使うことが許される剣、全ての魔獣を消し去り、勝利をもたらす伝説の剣です」
里長は剣を恨むように睨みつけて言う

「なんでこの剣を最初から使わなかったんですか?」
ゼノは剣を触ろうとしながら言うと里長に手を叩かれた

「できれば使いたくなかったんです、ある意味、呪われているんですよ、この剣は...」
里長は話を続ける

「この剣を使った者の魔力が暴走しコントロールが効かなくなるんですよ、過去にコレが原因で里が無くなりかけましたからね」
里長はため息を吐く

「じゃあ、どうするんですか!僕か里長が使わなきゃ、どっちみち里が無くなっちゃうよ!」
ゼノは剣を強く睨む
「いいえ、使うのはあなたですゼノ、その里を消しかけたのは私なのですから」
里長はゼノを見つめる

「ゼノ、我なら暴走を弱めることができるかもしれない」
竜ノ神はゼノの肩に乗っかる
「本当?」
ゼノは心配になる

「ゼノ、覚悟はできていますか」
「ゼノ」
2人はゼノに問い詰める

「できてるよ❗️」
ゼノは声を張って宣言する


 現代サイド

「...ン..ャン.ジャン!」
(ん、パンプの声、僕は戻れたのかな)

「ジャン❗️」
パンプはジャンの腹を思い切り踏みつける

「ブッ❗️」
ジャンは飛び起きる
「ジャン‼️」
パンプはジャンに抱きつく

「「「「ジャン!」」」」
「「「「ジャンさん!」」」」
「ジャン様!」
「「ジャン君!」」
「\×〆!」
ジャンの周りには皆んなが居た

「みんな...」
ジャンはみんなの顔を見る
「こんな事している場合じゃない!パンプ!行くよ❗️」
ジャンとパンプの精霊石が輝き出す

「おう‼️」
2人は共鳴をし、姿が変わる

「ちょっとジャン!行くって何処に!」
アミィはジャンを止めようとする
「決まってんだろ!あの穴の中にもう1度行くんだぜ!」
ジャンは振り返り、母に言う

「駄目よ!これ以上...私は許さないわ!」
アミィはジャンの手を掴むがジャンは母の手を振り払う

「悪りぃ母さん、行かなきゃダメなんだ、やり残した事がまだあるんだ」
ジャンは悲しそうな目をする

「飛ぶぞ、パンプ!」
ジャンは足から炎を噴射し、穴に向かって飛び去る
「ビーストジュエル‼️」
パンプは宝石のトリになりジャンの後を追う

「待ちなさい!ジャン!パンプちゃん!」
「アミィ!ダメ!戻って来れなくなるかもしれないのよ!」
アミィは2人を追いかけようとするがサラに止められる

「ああ...また私は何もできなかった..」
どんどん遠くへ行ってしまうジャン達を見ながらアミィは悔し涙を流す
「アミィ様...」
セバスはアミィの背中に手を当てる

「いいえ、そんなことはありません、私達はジャンさんを信じましょう!」
白夜がアミィに声をかける
「そうだぜ!」
ザルも賛同する
アミィが振り返るとみんなが笑顔だった

(あの子ったらいつの間に...こんな良い友達を...絶対帰ってくるのよジャン!)
アミィは涙を拭う


「久しぶりにやるぞ❗️パンプ‼️」
「おう‼️」
ジャンとパンプは穴に飛び込む
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...