僕と精霊

英雄誕生伝編 6月20日〜6月30日

第81話 パンプ大特訓

　夕暮れ時、庭でパンプはサラに鍛えてもらっていた。

「ほらほら、そんなんじゃ攻撃は当たんないよ」
サラはパンプをデコピンで吹っ飛ばす

「うわぁ❗️なんで全然パンチが当たんないんだ！」
パンプは草をむしり取り、もう一度サラに突っ込む

「そりゃ、パンプちゃんみたいな可愛いパンチは当たりっこないよ」
サラはひらりとパンプを躱し、パンプの耳を掴む

「パンプちゃんはどうして強くなりたいの？」
サラはパンプに聞く
「オレが弱かったから、ジャンを助けられなかったんだ！だからオレは強くならなきゃいけないんだ❗️」
パンプは片方の耳でサラの手を叩き、拘束を解いた

「なるほどね、じゃあ私が責任を持ってキッチリ、パンプちゃんを鍛えてあげないとね」
サラは構える

「パンプちゃん！体術だけじゃなく、得意な技も使っても良いわよ！全力で来なさい！」
「よーし❗️ビーストジュエル❗️」
パンプは宝石のクマになる

「Ｗow！凄いねぇ、こっちもちょっと実力を出してみるか、ブースト❗️」
サラの筋肉が少し膨張する

「ウリャア❗️」
パンプは大きな爪を振り下ろす
「ふんっ❗️」
サラはパンプの重い一撃を受け止める

「パワーも中々だな、だけど...」
サラはパンプを覆う宝石を殴り、砕く

「何！？」
崩れ去る宝石の中からパンプは出てくる
「じゃあ今度はこれでどうだ❗️」
パンプは空中に大量の宝石を作り出す、宝石は色んな色をしている

「ランダムジュエル‼️」
パンプは一斉に宝石を放つ

「おいおい、人間相手に使っちゃダメだろコレは...」
サラは宝石の雨を躱す

「まだだ！破裂しろ❗️」
宝石は次々と破裂し、激しい炎、光、音、水、氷、煙が飛び出す

「うっ！コレは！？」
流石にサラもこの攻撃に一瞬怯む

「はっ‼️」
サラは回し蹴りをすると凄まじい竜巻が起きる

「どうかしら、パンプちゃ...❗️」
サラはパンプを見失う

「ジュエルダイブ‼️」
パンプは宝石を纏い、空から急降下する

「そこね❗️」
サラはパンプを受け止めようするが威力を殺しきることができない

「くぅー❗️」
「ウオォォォ‼️」

ドゴーン‼️
大きな音がした

「ちょっと！お姉ちゃん、パンプちゃん大丈夫なの！」
アミィとセバスは家から飛び出して来る

　庭には小さなクレーターができ、そこにはパンプを受け止めたサラが笑いながら寝っ転がっていた

「うう...どうだ、参ったか！」
「ハハハ！面白いね！私の弟子決定❗️」
サラは起き上がり、パンプを抱きながらクレーターから這い上がってくる

「アミィ、しばらく此処に泊まっても良い？この子を鍛えたくなった」
サラはパンプを掲げながら言う

「ええ、もちろん良いわよ、服の準備しとくね」
アミィは家に入り、支度をする
「うん、ありがと、さぁパンプちゃん、お風呂に入りましょうね」
「風呂か！良いぞ！」
パンプは喜ぶ

「セバスもどうだ？」
「ぼ、僕..わたくしは遠慮させていただきます」
セバスは怯えている
「いいから来い！」
サラはセバスを引っ張り、風呂へ向かう
「た、助けて！アミィ様！」
セバスは悲鳴を上げる

「ふふっ、久しぶりに家が賑やかになったわ、私も元気を出さなきゃ」
アミィは自分の顔をパンっと叩き、鼻歌を歌いながら服を支度する