僕と精霊

一般人

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英雄誕生伝編 6月20日〜6月30日

第80話 此処は何処だ?

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 ジャンは大泣きしながら生きていた父に抱きつく

「父さん..生きていたんだね...なんで..なんで今まで帰って来てくれなかったんだよ...」
ジャンは父の服を強く握りながら泣き叫ぶ

「すまなかったな、ジャン...俺も戻ろうにも戻れなかったんだよ」
ユウスケはジャンの頭を撫でる

「戻れなかった?ねぇ父さん此処は何処なの?」
ジャンは涙を拭きながら、父に聞く
「ああ、此処はかなり厄介な場所でな、俺達の住む町なんだよ、150年前のだけどな」
ユウスケの言葉にジャンは驚く

「150年前!?」
「ああ、だから俺は元の時代に戻るための装置を作ってたんだけどな、洞穴が崩れたせいで全てパーだ」
ユウスケは笑いながら言う

「父さんはいつから此処にいたの?」
「まぁ、12年ぐらいだな、気づいたら原っぱにのど真ん中にいてな、ジャンはいつからいたんだ?」
「僕は1ヶ月前から、ケンザキの爆弾が爆発したら此処にいた」
ジャンは父にこれまでの経緯を説明した

「ケンザキ生きてたのか、ゴキブリかアイツは」
ユウスケは呆れる

「そういえば、母さんは元気か?」
「うん、家は母さんは元気だよ、セバスも一緒にいるし」
「そうか!それは良かった、俺が居なくても楽しそうで何よりだ」
ユウスケは笑う

「父さんが生きてるって知ったら、母さんきっと喜ぶだろうな」
「よーし、速く帰るためにも装置を完成させなきゃな、その前に魔銃を修理するか」
ユウスケは魔銃を分解する

「なるほど、ジャン、お前最近、魔銃をでたらめに使い続けただろ、魔導回路が焼き切れてるぞ」
ユウスケはジャンに小さな部品を見せる

「あ、うん最近、激しい戦いが続いちゃって」
「やっぱりな、魔銃は定期的に冷やさないといけないんだ、じゃないとこうなる、まぁ部品は今持ってる物で代用できるから、すぐに修理をしてやる」
そう言い、ユウスケは黙々と作業を進める

「ジャン様!いるか!」
ゼノが帰っていた
「おお、ゼノお帰り、遅かったね」
「うん、でも見てよ!」
ゼノの後ろには小さな竜がいた

「ゼノの精霊かい?」
「うん、竜ノ神って言うんだ、ほら挨拶して」
ゼノは竜ノ神を前に出す

「ど、どうも、わ、我は竜ノ神!よろしく頼む!」
竜ノ神は恥ずかしそうに挨拶をする
「うん、よろしくね」
「竜の精霊か、珍しいな」
ユウスケは感心する

「あの、ジャン様、そちらの方は?」
「おっと、挨拶が遅れたね、私はジャンの父、ユウスケ・バーンだ」
ユウスケはゼノにお辞儀する

「ジャン様のお父様!よ、よろしくお願いします、ユウスケ様!」
ゼノもお辞儀する

「様なんて、いいよ呼び捨てで、ん、そうだ!ジャン、お前にも精霊いるのか?」
「ジャン様の精霊?そういえばまだ聞いてなかったな」
ゼノも興味を持つ

「僕の精霊はね、此処には来てないけど頼りになるヤツだよ、パンプって言うんだ、カーバンクルのパンプ、無邪気で毛は赤くて、おでこに綺麗な宝石が埋め込まれてるんだ」
ジャンはパンプとの出会いや、一緒に戦ったことを全て話した

「スッゲー!僕もパンプと会ってみたいよ!」
ゼノは目をキラキラ光らせる
「我も会ってみたい、そのパンプと言う者と」
「お前にも立派な精霊ができたんだな」
ユウスケはジャンの頭を撫でる

「フフッ、あっ!そろそろ寝る時間だ、明日も早いからね」
4人は寝る支度をし、1日は終わった

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