僕と精霊

青春忘却編 5月11日〜5月17日

第73話 ジャン、死す

　ケンザキの放った魔弾と一緒にジャン達の一撃も地上へとぶつかろうとしている

「く、くそー！これで終わりだっていうのかよ！」
ジャンは踏ん張りながら引き金を引き続ける

「グギギギギ‼️」
パンプも宝石に力を込め続ける

「これで終わりだー❗️死n...‼️」
次の瞬間、ケンザキの右腕は地面に落ちた

「はぁ～！は、は！？私の腕が！？」
ケンザキの腕の切れ口からは黒い血がドバドバと溢れ出る

「メイデン！モニー先輩を救出するぞ！」
ザルは武器をしまい、メイデンに指示をする
「はい！スピードを上げます、しっかり掴まっていてください！」
メイデンはザルを乗せ、猛スピードでモニーの方へ向かう

「今だ！パンプ❗️」
「おう‼️」
二人は一斉に力を解き放ち、魔弾を押し返す
「「いっけー‼️」」

「はっ！しまった❗️ふんっ‼️」
ケンザキは残った左腕で魔弾を受け止める
「ぐっ！こんなはずでは！おのれ❗️下等生物がー❗️」
魔弾はケンザキ諸共、大爆発する

『オーバーヒート、オーバーヒート、緊急停止し...ま...す』
二人の武装は解け、ブレスレットは粉々に砕ける

「ヤッバ！速く逃げなきゃ...」
元の姿に戻ったジャンは爆破から逃れるために走ろうとするがふらつき転ぶ

「パンプ...」
ジャンはパンプだけでも守ろうと抱く
「ジュエル...シールド..」
パンプは最後の力で宝石のシェルターを作り、気を失う

「○〒〆☆>」
「よし、モニー先輩達は回収した！次はジャン達を」
ザルはモニーをメイデンの背中に乗せる
「いけませんザル様！今行けば我々も爆発に巻き込まれます❗️」
メイデンはザルを止める

「ここまで来て引き下がれる訳ねぇだろ助けるぞ！」
爆発はどんどん広がり、ザル達の方まで来る

「行きますよ！」
メイデンは角をザルの服に引っ掛けで走り出す
「おい！メイデン、離しやがれ！」
「ザル様の命令でもこればかりは！」
メイデンはスピードを上げ、町の方まで走る



 数時間後、日が変わろうとしている時

「....ん！」
ジャンは目を覚ます

「これは？」
辺りは草一本たりとも生えていない更地になっていた

「どうなっているんだ？」
ジャンは気を失っているパンプを抱えて移動する

「何が起こったんだよ」
地面から出ているパイプはぐんにゃり曲がっている

　探索しているとジャンは地下へ繋がる階段を見つける
「ここに研究所があったのか」
ジャンはパンプを階段の近くに置き、地下へ向かう

　ジャンは指から小さな火を出し、真っ暗な地下廊を探索する
「研究日記？」
ジャンは本棚から日記を取り出し、読み漁る

「なんて酷い内容なんだ！ケンザキめ！どこまで腐ってるんだ！」
ジャンは重要なことが書いている日記のみを回収する

　ジャンは地上へ戻ろうとすると奥の部屋から音が聞こえてきた。
「何だ？」
ジャンは音のする部屋へ向かう

　キィーーーン
ジャンは錆びついたドアを開け、部屋に入るとケンザキが機械を操作していた。

「ケンザキ❗️生きていたのか❗️」
ケンザキは驚きながら振り返る
「あなたこそ、ゴキブリですか？」

「お前には町まで来て、罪を償ってもらう！」
ジャンはケンザキに日記を見せる

「そうですか、その日記を見たんですね、あなたには死んでもらいますよ、ジャン・バーン！」
ケンザキは机から何かを取り出す

「何だ！それは！」
ジャンは魔銃を構える
「これは私の発明品クロノス！対人用の爆弾です、範囲は狭いが範囲内の物を全て消し去る威力はありますよ。あなたは私が直々殺したいところですが、生憎あなたを殺すための魔力がもうないんでね、この爆弾で消えてもらいます」
ケンザキは早口で話す

「馬鹿か！そんなもの使えばお前も死ぬぞ！」
ジャンはケンザキを止める

「いえ、死ぬのはあなただけですよ。あなたを殺す魔力はなくとも、この爆弾の爆発を一発分だけ耐えるほどの魔力は残っているんでね」
ケンザキは爆弾を起動させる

　ピッピッピッピ！
「あと10秒、あなたはあなたの父と同じ死に方をするんですよ～」
ケンザキは爆弾をジャンの投げる

「一発分ね」
ジャンは一瞬笑い、魔銃のマガジンを取り出し、魔力を込め再び魔銃に取り付ける

「クソ食らえ！」
ジャンは引き金を引き、弾丸は爆弾に着弾する

　爆弾は爆発2秒前で二つに分裂する
「にゃ、何ー！」

　ピー‼️
爆発と共に部屋ごと消し飛んだ