僕と精霊

一般人

文字の大きさ
上 下
89 / 193
青春忘却編 5月11日〜5月17日

第46話 サンプルAとサンプルB

しおりを挟む
  とある研究所にて
「...❗️ゴボボッ!...」
ジャンは目覚めると全裸で特殊なマスクをつけられ謎のカプセルの中で謎の液体に浸かっていた

「隊長!サンプルAが目覚めました!」
ジャンガラス越しに機械を操作しながら会話をする研究員達を見る

 ジャンは隣のカプセルを覗くとパンプが同じように収容されていた

「...!」
ジャンはパンプが銃で撃たれたことを思い出す、ジャンにとってはあの光景が最後の記憶だった。そしてジャンは怒りも一緒に思い出した。

「ゔゔゔ...‼️」
ジャンが収容されているカプセルにヒビが入る

ビービービー‼️
『キケンデス、キケンデス、タダチニヒナンヲ』
緊急サイレンが研究所内に響く

「まずいぞ!早く精神安定ガスを供給しろ!」
「はい!精神安定ガスサンプルAに注入します!」
研究員の一人が何かを作動させるとジャンの付けているマスクからガスが出る

「これでひとまずは...え!?」
「どうした!」
「魔力の上昇が止まりません!」
「何だと!」
研究員達は機械を凄い形相で操作し始める
「止まれ止まれ!」

 しかし、研究員達の願いは届かず、ジャンを収容しているカプセルは粉々に砕ける散る
出てきたジャンの髪型は真っ赤に輝き、伸びきっている

「サンプルA暴走します!」
研究員達は避難を開始する

「ふんっ!」
ジャンはパンプが収容されているカプセルを破壊し、パンプを救出する

「んくっ、ケホッケホッ!」
パンプは目覚める
「んあ、ジャンココどこだ?」
「俺も知らない、出るぞ、ファイアボール」
ジャンは大きな火球を放ち、壁に大きな穴を開ける

「そこを動かないで!」
研究員の一人がジャンに銃を向ける

「今更そんなもので何が出来る?」
ジャンが攻撃しようとすると研究員は引き金を引く
「無駄だ」
ジャンは銃弾を弾く

「誰だか知らんが死んでも...」
ジャンはその場に倒れる
「お前!ジャンに何を...」
パンプも倒れた




「...い...ャン...ジャン!起きろ!」
パンプがジャンの腹の上で跳ねる
「う、ゔん」
ジャンは目を覚ます

「目が覚めたようね、サンプルA」
椅子に座っていた女性はジャンに声をかける
「サンプルA?あの、ここはどこなんですか?」
ジャンはいつも通りの姿、性格に戻っていた

「サンプルAはあなたのことよ、あなたは研究対象なの、ちなみにここは研究所の医務室、ここでは主にエネルギーや兵器開発を行なっているわ」
女性は不気味なくらい明るく答える

「なんで、僕がこの研究所で研究されなきゃいけないんですか?」
「そうだぜ!なんでオレらなんだよ!」
二人は質問を続ける

「まさか覚えてないの?あなた達は怒りで暴れまくって、大勢の人達を殺してあのドームを壊したのよ!まぁ、私はただの研究員だから詳細は分からないけどね、そんなエネルギーを出せる人間がいれば誰だって研究したくなるわよ」
女性は真顔で答える

「僕らが人を殺した!嘘だ!そんなこと絶対...!」
ジャンは上手く言葉が出てこない

「不安そうね、無理もないわ、覚えてないんじゃね、やった確信もやってないって言う確信もないんですもの」
女性が話しているうちにジャンは涙を流し始めた

「じ、じゃあ、僕に何が出来るってのさ!僕が人を殺したって言うんなら!僕は!どうすればいいんだよ❗️」
ジャンは泣き叫ぶ

パンッ!
「馬鹿‼️」
女性はジャンに思い切りビンタをする

「え?」
「お前!ジャンに何する...」

「いいかい、アンタはね!高校生なんだよ!そんぐらい自分で考えなさい!なんでも大人に聞けばいいってもんじゃないんだよ!」
女性はジャンに説教する

「...そんな、どうすればいいんだよ!」
ガンッ!
ジャンは壁に思い切り頭を打ち付ける

「ジャン!やめろ!」
パンプはジャンを止める、ジャンのおでこからは血がたらたらと垂れてきた

「すみません、少しパンプと二人だけにしてくれませんか」
ジャンは冷静になり言う

「まぁ、いいわよ、私も鬼じゃないわ、考える時間はあげるわ」
女性は部屋を出る




しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...