僕と精霊

暗躍する狂気編 5月2日〜5月10日

第23話 不安定な心

ジャンは公園に立っていた。
「おい、ジャン！俺アイツらを見返してやったぞ」
グースが嬉しそうにジャンの元に走ってくる
「お、グースやるじゃないか、これでもうイジメられないね」
ジャンがグースの肩に手を置きガッツポーズをする
「でも、ジャン...」
グースの声が暗くなる
「どうした？」
ジャンはグースを見る

「お前のせいで俺は死んじまったんだよ‼️」
グースの胸には穴が空いている
「うあぁぁ❗️」
ジャンは腰が抜け立つことができなくなった
「お前も死ね」
グースはドロドロに溶けて、ジャンにまとわりつく
「やめろ❗️うあぁ❗️許じ...で...」




「うあぁぁぁぁ‼️」
ジャンは気づくと知らない場所のベットの上で汗を流していた。

「ジャンが起きたぞーみんな！」
ジャンが起きるやいなやザルが誰かを呼ぶ
「おい、パンプも起きたぞ！」
向こうの方からラートの声がする

「ザル君！？ここは何処なの？」
ジャンは半分パニックになりながらもザルに聞く
「此処は龍神学園の保健室だよ」
白夜以外の1-Aメンバーがゾロゾロ保健室に入ってくる

「良かった、ジャンさん目が覚めたんですね」
レートがホッとしながら言う。

「やったぞー、パンプが目覚めたぞー、わっしょいわっしょい」
向こうの方ではパンプの目覚めを1-Asメンバーが祝い、パンプを胴上げしている。

「何で僕が保健室にいるの？」
ジャンは不思議そうな顔でみんなに聞く
「何でって、お前公園で死にかけてたんだぞ」

　ジャンはハッとしてザルに聞く
「白夜さんは？それにグースは？」
「白夜ならさっき目覚めたが..一人にしてくれって、でも...」
ザルは少し言いづらそうな顔をして答える
「グースって子はもう...」

「そうか...僕はグースを守れなかったのか..」
ジャンはベットの上で涙を流しながら拳を握りしめる。
「僕、ちょっと外の風に当たってくる」
ジャンは松葉杖をつきながら屋上へ向かう
誰もジャンに言葉をかけることが出来なかった。

　ジャンが屋上に立ち入ると強い日差しに目が眩んだ。あの悲劇を笑うかのように太陽がギラギラしている。
ジャンが屋上を見渡すと白夜が隅の方に座っていた。

「白夜さん」
ジャンは白夜に声をかける
「あら、ジャンさん目を覚ましたのね..」
ジャンは白夜が泣いていることに気づいた

「僕もっと強くならなきゃいけない」
「でも、あの魔獣倒したのジャンさんなのでしょ？」
「うん、でも僕はグースを守れなかった」
「そんなことはありませんわ、あの時わたくしがしっかり止めていれば...」
泣きながらも一生懸命話す白夜

「それは違うは白夜！」
ローズがパンプと一緒に走ってきた
「私があの時、白夜と一緒に行動していれば」
「オレがもっと早く、治療できていれば良かっただよ」
パンプとローズもえんえん泣いている

「もう辞めようよ誰のせいとか、グースは戻ってこないんだよ」
ジャンも涙を流しながら言う

「僕らはこれから大切な人を守るためにもっと強くならなきゃいけない、もっともっと」
「ジャン、いつもとなんか変だぞ」
ジャンはいつもと様子が違うことにパンプは気づく

「そんなことない❗️パンプに何がわかるって言うんだ❗️」
ジャンはパンプに怒鳴る
「ご、ごめん」
パンプは落ち込む

「ジャン様、パンプさん、ただいま迎えに参りました」
セバスがジャン達を迎えに来た
「今行くよセバス」

「アミィ様も校門でお待ちしております。白夜様方もご一緒に」
「ありがとうございます」

　ジャン達は学園を出る前にザルに礼を言いに行く。

「ザル君、みんな僕達を助けるためにありがとう」
「良いってことよ俺らは友達だろ」
みんなが笑顔でジャン達を見る
「よし、俺もクラス委員長としてお前らの帰り付き添うぜ」
ジャン達はザルとメイデンと共に学園を出る