僕と精霊

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怒涛の入学編 4月8日〜4月18日

第17話 僕らの知らない所で

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「♪♪♪♪♪♪♪♪」
モニーが魔獣を斬りつける。
「グキャャャャ❗️」
斬られた魔獣の傷口から爆音が鳴る。
内臓に音の振動が響き、倒れた魔獣はそのまま死んだ。

 モニーは笛を吹き始める。まるで、死んだ魔獣を追悼するかの様に優しい音で河川敷を包む。
「なぁジャン、あの音聴いてたら力が沸いてきたぞ」
パンプは浮けるようになった
「もしかしたら」
ジャンは何かを思い付く

 笛の音が止まった瞬間、モニーは魔獣の死骸を捌きだした。

「何をしてるんですか会長?」
ジャンは不思議そうな顔をして会長に訊ねる。
「魔獣でも命は命だ。無駄にする訳にはいかない。だからこうして、食料にする。そして、避難所へ配りに行く」
モニーは捌きながら答える。

「会長は強くて優しい人なんですね、俺尊敬します」
ラートが目を輝かせながら言う
「ハハハッ、僕はそんな尊敬されるほどでもないよ、今みたいに暴れる魔獣を殺すことしか出来なかったし」
モニーは照れている

精霊達は川で水色遊びをしている

「それにしても、無害な魔獣にあんな傷を負わせるなんて酷い奴もいるのですね」
白夜が魔獣を同情する様に言う

「仕方ないさ、魔獣は一般的に危険な生き物として認知されているからね、それにしてもあの傷どう見ても魔法でできた傷に見えなかったな」
モニーは少し考えんでいた

「はっ❗️こんな所で油を売ってる場合じゃない、腐る前に魔獣の肉を避難所へ届けなくてわ、それじゃ君達、メルー行くよー」
モニーが大量の魔獣の肉を背負いながら立ち去ろうとすると

「あの会長待って下さい」
ジャンが会長を止める
「何か用かい、ジャン・バーン君」
「ジャンでいいですよ。あの、会長に町を元に戻すのを手伝って欲しいんです」

「ジャンお前、そんなことができるのか?」
ザルがジャンに聞く
「戻すのはのは僕じゃなくてパンプだけどね」

「でも僕はコレを避難所まで運ばなきゃ...」
「それなら、俺らに任せてください」
ラートがレートとザルの肩を組みながら言う
「なっ⁉︎俺もやるのか」
ザルは驚く
「僕は良いけど」
レートはやる気のようだ

「君達がやってくれるのかい、それじゃあ任せるよ」
モニーはザル達の背中をポンと叩く

「それでジャン、僕は何をすればいいのかな?」
「会長には笛を吹いてもらいたいです」
「ほう、笛を吹くことが町を戻すのにどう繋がるんだい」
モニーは興味深そうにジャンに聞く

「パンプは力を使って物を直すことが出来ます。ですがその力は使う度に結構体力を使っちゃうみたいで...」
「なるほど、それで僕の笛の音でパンプ君の疲れを取ればいいんだね」
「そういうのことです」
「面白い、協力しよう」
「わたくしも出来ることは少ないですが手伝います」
「よし、じゃあみんなで町直しといこうじゃないか」
「「「オー‼️」」」
3人は拳を握り腕を挙げる

 モニーの笛にメルが憑依する
「始めるよ」
モニーが笛を吹き始める
「それじゃパンプ頼むよ」
「おう」
パンプはヒーリングジュエルを造りまくり、町中に飛ばす
町は優しい音に包まれながら、壊れた建物がどんどん修繕されていく
白夜とローズはポルターガイストを使い、大量にある魔獣の死骸を一箇所にまとめる

「お~どんどん町が戻っていくね~」
モニーは感心している
「もう...本当に...限界」
「お疲れ様、パンプ」
ジャンはパンプを抱える
「たった1日で町が完全に元に戻るなんて、凄いよ今年の1年生は優秀だな」

町が元に戻っていることに気づいた人々は避難所から町へ戻る

「さぁ僕らも家に帰ろう」
「「はい!」」
ジャン達は会長と別れ、家に帰る




同時刻
某国 研究所
研究員が会話をしている
「うーむ、新開発の兵器は威力は期待できんが魔獣を凶暴化させるデータが取れました」
「よし、これをうまく使えばもっと良いデータが取れるぞ」
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