僕と精霊

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怒涛の入学編 4月8日〜4月18日

第15話 僕らが聴いた笛の音

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 魔獣の襲撃という長い1日を終え、避難所で新たな朝を迎えるジャン達。

「ジャン起きろ、朝だぞ」
パンプがジャンの顔を指でツンツンする
「ふぁ~おはようパンプ」
「ジャン早く準備して行こうよ」
「うん」
ジャンは顔を洗いにいく

「白夜も起きてよ」
ローズが白夜の体をゆする
「もう...ちょっと..だけ」
「白夜、パンプが見てるわよ」
白夜はここが避難所であることを思い出し、パッと起き支度を始める

 ジャン達は身だしなみを整え、町の探検に出かける。パンプはアミィから貰った非常食を食べながら、ぷかぷか浮いている。

「そういえば、白夜さんの家は大丈夫なの?」
「屋敷はきっと大丈夫でしょう」
「じゃあ一回帰ったほうがいいんじゃない?家の人もきっと心配してるよ」
ジャンがそう言うと白夜の表情は少し暗くなる

「大丈夫ですわ、家の者には連絡をしてあるので」
「白夜、あなたいつの間に連絡をしたの?」
ローズが聞くと白夜はギクッとした
「秘密..ですわ」
「なら、大丈夫か」
「なぁ..もぐっ..く..もぐっ..すんだ」
パンプは食べている物をボロボロこぼしながら何かを言っている
「パンプ、口に物を入れながら喋らないでよ、何言ってるか分かんない」
ジャンが注意するとパンプは口の中の物をゴクンと飲み込む

「ジャン、どのの建物から直していけばいいんだ?」
「ああ、そうだな」
ジャンは少し考えていると白夜が提案をする
「また何があるか分からないので、龍神学園付近から直していくのはどうでしょうか?」
「良いねそれ、じゃあ学園の方に向かおう」

 ジャン達は龍神学園付近に到着した。
ジャンは周りを見渡すとあることに気づく
「やっぱり、学園に近づくににつれ被害が小さくなっているね」
壊れている箇所はあるが、全壊している家はほとんどない
「学園周辺の魔獣は全て学園長が退けたと聞きましたがたった1人でここまでやるとは」
白夜は感心している。

「パンプ、ここから直していくぞ」
「うん」
パンプはそう言うと自分の周りに緑色の宝石を大量を作り出す
「ヒーリングジュエル‼️」
宝石は一斉に周辺に飛んでいき、建物を修復していく
「良いぞ、パンプその調子だ」
「やったぞ、ジャ..ン」
パンプは突然ふらっとその場から落ちる

「パンプ!?」
ジャンはパンプが地面にぶつかる前にキャッチする
「あ“あ“ジャン、もう疲れた、腹減った」 
「無理もありませんわ、昨日の疲れもまだ完全に取れていませんもの」
ジャンは急いでカバンから非常食を出し、パンプに食べさせる。
「美味い、美味い」
パンプは非常食をムシャムシャ食いつく

「お腹は膨れたけど、もう浮く力も残ってないぞ」
パンプは小さな足でヨチヨチ歩き、転ぶ
「あら、お可愛い」
「パンプ、かっこ悪いわね」
ローズはクスクス笑う
「イテテ、うるさいぞ、ローズ」
パンプは怒る

「まぁまぁ、喧嘩しない」
ジャンはそう言い、パンプを抱える
「さて、今日直せる分は直したし、町探検に行こう」
ジャン達は河川敷の方へ向かった

河川敷にはザルとベクトル兄弟がいた
「おっジャン、死んでなかったんだな」
「ひどいよ、ザル君、僕は死にかけたけど生きてるよ」
「死にかけたのかよ💧」

「ザル君達はどうしてここに?」
「避難所も暇だし、コイツらとつるんでぶらぶら出歩いてるだけだよ」
ザルが説明するとラートがニヤニヤしながらジャンに訊ねる
「お二人さんはデートかなぁ」

「ち、違うよ」
「そうですわ、これだから男子は」
ジャンと白夜は顔を少し赤くしながら否定する
「そうよ、白夜がジャンみたいなヒョロヒョロボーイなんかと釣り合うわけないじゃない」
ローズは辛辣に否定する

「そこまで言わなくても」
ジャンはその場に倒れ込みいじける
「やいローズ、ジャンは確かにヒョロヒョロだけどオレのパートナーだぞ」
「パンプ、フォローになってないよ~」

「ローズ今のは言い過ぎですわ、ジャンさんに謝りなさい」
「白夜が言うなら...ごめんなさいジャン」
ローズがペコリと頭を下げる

「うん、良いよ」
ジャンは即座にグッドポーズをする
「立ち直りが早いわね」
ローズは呆れる

「ふふふっ、やっぱりジャンさんと白夜さん相性良いんじゃないんですか?」
レートは微笑みながら言う

「だから、やめ...何この音?」
優しい笛の音が河川敷に響く


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