僕と精霊

一般人

文字の大きさ
上 下
28 / 193
怒涛の入学編 4月8日〜4月18日

第14話 僕らの町復興計画

しおりを挟む
 魔獣の襲撃が止まってから1時間後、町中に学園長の声が広がる
「皆の者、魔獣進軍は止まった。我々の勝利だ。と言いたいところじゃが、今は破壊された建物の修繕や怪我をした者の治療が先じゃ、龍神学園の職員が被災地に優先的に向かう」
学園長の話はこれで終わりだ

「家が壊れちゃったし、しばらくはここで生活しないとね、僕らがもっと速く駆けつけることが出来れば」
ジャンは地面を叩いて悔しそうに言う
「わたくしにもっと力があれば」
白夜は拳を握る

「何言ってるのよ、家なんてまた、立て直せば良いじゃない、私はあなた達が生きているそれだけで良いじゃない」
「でも..」
ジャンが何か言おうとするとアミィはジャンの口を指で抑える。
「良いのよ..こういうことは大人が責任をとるの、子供が背負うことじゃありません。それでも納得できないって言うならこれでチャラです」
アミィはそう言うとジャンと白夜の頭をコツンと軽く叩く

 老夫婦がパンプとローズに拝んでいる
「おお、ありがたやありがたや精霊様」
その光景を見たジャンは白夜とパンプ達の元へ向かう
「パンプ、このお爺さんに何したの?」
「えっとね、この人が大事な壺が壊れたって泣いてたからね、直してあげたんだ」
老人の横には立派で高そうな壺が置いてあった。

「パンプ、お前そんなことができるのか?」
「うん、壊れちゃった壺にヒーリングジュエルを打ったら直っちゃった」
パンプは呑気に言ってる

「ローズはお婆さまに何をなさったの?」
「私はお婆さまの肩叩きをしてたわ」
「精霊のお嬢ちゃんは肩叩きが上手ねぇ、孫のこと思い出すわ」
お婆さんが孫について話そうとすると

「これ婆さん、話が長くなると精霊様達が迷惑するぞ」
「そうね、じゃあコレをあげるわ」
お婆さんはジャン達に飴玉を1つずつ渡す。

「ありがとうございます」
「それでは、お爺さま、お婆さまお身体にはお気をつけて下さいね」
「バイバイ」
パンプは手を振り、ジャン達はその場から立ち去る、お爺さんはジャン達の方に手を合わせ拝んでいる

 パンプは飴玉を見ながらジャンに聞く
「ジャン、この宝石みたいな玉はなんだ?」
「私もさっきから気になっていたわ、白夜コレは何?」
ローズは飴玉をキラキラした目で見ている。

「それはね、飴玉っていって甘いお菓子だよ」
ジャンが説明すると
ローズとパンプは飴玉を口に入れ、バリバリと噛み砕き、飲み込むと満足そうに笑顔になる

「ジャン、ジャンこれすっごく美味いぞ」
パンプはほっぺを抑えながら足をパタパタさせる
「私、こんな美味しいもの初めて食べたわ」
ローズは涙を流しながら腕を振っている

「ローズにパンプさん、飴玉は噛み砕くのではなくて、口に入れたまま味を楽しむのですよ」
白夜がアドバイスをする
「僕らの分もあげるよ」
ジャンと白夜はパンプとローズに飴玉を渡す

 飴玉を口に中でコロコロと舐める、パンプとローズの顔は無邪気な子どもそのものだ
(子どもだけど)

 ジャン達はアミィの居るところまで戻る途中で会話をしている

「そうだパンプ、お前のヒーリングジュエル使えばボロボロになった町の建物とかも直せるじゃないか?」
「少しずつならできると思うよ、でもアレ結構疲れるだよね」
「じゃあ、今日はゆっくり休んで明日から町の見学と少しずつ建物も治しに行かないか?」
「うんいいよ、オレもこの町を探検したい」
「あら、わたくし達も同行してよろしいかしら」
「私もこの町こと知りたいわ」
「じゃあ、明日からみんなで町探検だ」

「あら、みんな良い笑顔してるじゃない」
アミィはジャン達を眺めながら微笑む

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

冷宮の人形姫

りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。 幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。 ※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。 ※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので) そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4500文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

追放された聖女の悠々自適な側室ライフ

白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」 平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。 そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。 そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。 「王太子殿下の仰せに従います」 (やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや) 表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。 今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。 マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃 聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

処理中です...