僕と精霊〜A journey of heroes〜

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旅の終わり編

最終話 旅は続くよどこまでも

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生徒会室

朝7:30

 何やらアドロンはランパとルシェ達と何かを計画している
「良いですか2人とも、タイミングが肝心ですよ」
アドロンは小声で話す

「はい!」
「ランパさん、声が大きいですよ..」
ルシェはランパの口を塞ぐ
「んぐぐ...!」

「ねぇツイスター、みんなは何をしてるの?」
キャルルはツイスターに聞く
「実はですね...」
ツイスターはキャルルの耳元で呟く

「それにしてもお前、いつの間に人見知りを克服したんだ?」
スカルドはキャルルの頭をつんつんと突きながら聞く

「ツイスターが恥ずかしくならない方法を教えてくれた」
キャルルは胸を張って言う
「私が教えたのは方法だけでそこからの努力はキャルルさんの実力ですよ」
ツイスターはキャルルの頭を撫でる

「ルシェ~来たよ~」
扉の隙間からレイラが入って来た
「ありがとレイラもう少しだけ起きててね」
「ふぁーい」
レイラは大きなあくびをしてルシェの肩に乗る

「レイラは相変わらず寝坊助だな」
スカルドは笑いながら言う
「寝坊助って言われても~眠いから仕方ないよ~でも今は頑張るよ~」
そう言いながらレイラは寝ようとしている

「レイラさんは夜行性だから仕方ありません、寝坊助はあなたですよスカルド」
ツイスターはスカルドにきつく言う
「げっ、それを言われたら、何も言えない」

「今回は必ず成功させるぞ、全員配置は」
「「「「「「OK!」」」」」」
生徒会メンバーは教室の明かりを消してカーテンを閉める

 扉が開くとラッシュとダストが一緒に入って来た
「なんだ?誰も居ないのか?」
「ラッシュ、明かりをつけてくれ」
「おお」
ラッシュは蝋燭に火をつける

「「「「「「先輩!ご卒業おめでとうございます‼️」」」」」」
アドロン達はレッドカーペットを敷き花びらをばら撒く

「え?」
「は?」
2人はあまりの出来事に仰天する

「先輩方!1年と短い期間でしたが俺達を導いてくださりありがとうございました」
「「「「「ありがとうございました」」」」」
アドロン達はお辞儀をする

「み、導くって、俺らは特に何もしてないぜ」
「そーそー、なんなら足引っ張ってばっかだったぜ」
2人は謙遜する

「いえいえ、2人のアドバイスはいつも私達を勇気づけてくれるものでした」
アドロンは2人に花束を渡す
「こちらは寄せ書きです」
ランパは寄せ書きを渡す

「やべぇ泣けてきた」
ダストは涙を堪える
「堪えろダスト、笑顔で俺らは旅立つぞ」
ラッシュはダストの肩に手を乗せる

「そうだな、ありがとうお前ら、俺絶対忘れないよ」
「ああ、これで思い残す事もないな」
2人は大満足だ

「まだですよ、これから先輩方の最後の仕事です、みんなすぐに体育館へ」
生徒会メンバー達は最後の集会をするべく体育館へ向かう


2-A

 ジャン達は集会に向けて教室で待機をしていた

「2年生ももう終わりか..」
ジャンは机に肘を付いてため息を吐く
「なぁあとどれぐらいみんなと一緒に居られるんだ?」
パンプはジャンのカバンから顔を出す

「うーんどれぐらいだろう?でも3年生になったら任務でほぼ学園外だからもうほとんどみんなと一緒にいられる時間は無いと思うよ」
ジャンの言葉にパンプは絶望する

「やだやだやだ!みんなと一緒じゃなきゃやだ!」
悲しむパンプをジャンはぎゅっと抱きしめる
「私だってアンタらと会えなくなるなんて寂しいわよ、でも仕方ないわ、いつかこう言う日が来るのよ」
ローズもパンプに抱きつく

「予定が合う日は会えますよきっと、それに修学旅行も残ってます」
白夜はパンプを励ます

「シュウガクリョコウ?」
パンプは首を傾ける
「みんなで遠い所に行って色んな事を学ぶ旅行をする行事だよ」
ジャンは説明する

「旅行!何処に行くんだ!」
「それは僕も分かんない」
「確かに何処に行くかまでは言われてませんね」

「おいお前ら行くぞ」
ザルは教室の明かりを消して
「もう時間か!遅れたら怒られちゃうよ」
ジャンはパンプの耳を持って移動を始める

「イテテッ!なぁザルはシュウガクリョコウは何処に行くか分かるのか?」
パンプはザルに聞く
「修学旅行?ああ、確か例年なら精霊界に行くはずだがな」
ザルは頭をかきながら言う

「精霊界ですか、懐かしの故郷良いですね」
メイデンは故郷を思い出して呟く
「さ、良いから行くぞ」
ジャン達は体育館に移動する


 全校生徒と全職員が集まり集会が始まった
「ええ、今年度は例年に比べ比較的平和でした...」
学園長の数十分にわたる長話が終わった

「やばっ、首痛くなってきた」
「すまんちょっと寄りかかる」
「お、おい保健委員」
長話に耐えられなかった生徒間でざわつき始める

「では最後に生徒会長のアドロン・ジーナスさんお願いします」
司会の指示に従ってアドロンはツイスター達と一緒に壇上に上がり挨拶をする

「やべぇアドロンの話もなげぇな」
ザルはうんざりする
「我慢だよ、僕も足が痺れてきた」
ジャンは足踏みをしながら言う

「ジャン、アレなんだ?」
パンプは天井の方を指差す
「ん?どれだ」
「アレだよアレ!」
周りも天井を注目し始める

 天井には光を放つ扉が現れる
「あ!あの扉は!」
扉は大きな音を立てて開く

「うわぁぁ‼️」
「「キャアアア‼️」」
「ぬおぉ❗️」
扉から人が落ちてきた

「ジャン!クラムだ!」
「本当だ!パンプ行くよ!」
「おう!」
ジャンとパンプの精霊石が輝き2人の姿が変化していく

「フンッ❗️」
パンプは落ちてきたクラム達をキャッチする
「クラム、お前ら全員来てくれたのか?」
ジャンはパンプの肩に乗る

「おうジャン!久しぶりだな!」
クラムは勢い良く起き上がって
「ああ、久しぶりだな少し背が伸びたか?」
ジャンはニッコリ笑う

「フランとニーナもいるぞ、あとおっさんも」
パンプは4人を降ろす
「イタタ、もっと丁寧に送れないの?」
「でも着いたみたい」
ニーナとフランは服の埃を払って立ち上がる

「ニーナ!」
白夜とローズはニーナの下に走る
「白夜!ローズ!」
ニーナは2人と抱き合う

「無敵のおっさんも来たのか」
ラート達はグレイトの下へ
「もう無敵じゃないがな、俺を覚えててくれたんだな」
グレイトは照れる

「私達の攻撃を耐えたんですから印象に残りまくりですよ」
ウリエラは笑う

「フラン、良い顔になったな」
ザルはフランの頭を撫でる
「今ある幸せは全部ザル様が私を救ってくれたおかげです」
フランはザルに向かって頭を下げる

 体育館の周りはザワザワし始める
「なんだなんだ」
「ジャンさん達の知り合いかな?」
「やっぱ2-Aがなんかやらかしたか」

「アドロンさん!どうしましょう!」
ツイスターとスカルドは嬉しそうに慌てる
「お前ら行ってこい」
アドロンは2人をパンプの方に投げ飛ばす

「あら~!」
「姉ちゃん!クラムだぜ!久しぶりに顔見ようぜ!」
2人は体制を立て直してクラムの方へ飛ぶ

「主人ー‼️」
クラムの体からイグニートが飛び出してくる
「おおイグニート、元気にやってるか?」
ジャンは手を振る

「主人ー❗️」
イグニートはジャンの体に入り込む
「久しぶりだな」

「な、なんだあの巨人!?」
「ジャンさんを主人って言ったよ!」
「しかもジャンさんに入り込んだ!?」
「て事はアレってもしかしてジャンさんの精霊なのか?」
「精霊が2人ってありかよ」
「でも生徒会長だって」
生徒達は盛り上がる

「君達の話は聞かせてもらっているよ、ようこそ我が学園に、今回はどのような件できたのかな?」
学園長が前に出てクラム達に聞く

「俺達は世界を救ったって事で神様が特別に1年間だけこっちの世界で暮らしても良いって事でこっちまで来たんだ」
クラムは説明する

「てことはお前ら、しばらくこっちに居られるのか!歓迎するぜ!」
ジャンは喜ぶ

「グランドール様も粋な事をしますね」
ガブリラとウリエラは天に祈る
「だからよ!俺こっちの世界でもいっぱい旅をしたいんだ!まずは案内をしてくれよジャン!」
クラムはジャンの手を引っ張る

「ああ、飽きるほど案内し尽くしてやるぜ!」
ジャンとパンプは逆にクラムの手を引っ張って外に出る

「ああ、ジャン君にパンプ君!」
ケンナリは止めようとしたが間に合わなかった
「まぁ良いではないか若いとは良いものだ、なぁ龍神」
学園長は元気そうに走るジャン達を見て笑う
(ふっ、落ち着きのないヤツらだな)
龍神も珍しく笑う

「よーし!まずは町内一周だ❗️」


 僕らの向こうの世界を救う旅は終わった。でもまだまだ世界には知らない事が沢山ある。楽しい事も辛い事もまだまだ沢山ある。

 だから僕らは旅を続ける。まだ見た事を求めて、旅は続くよどこまでも






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