上 下
134 / 150
旅人達の足跡

第70の旅 それぞれの道

しおりを挟む
 グランドールの提案にジャン達は戸惑う
「あの、全部無かった事にするんですか?」
ジャンはグランドールに質問する

(ええそうです、何も起きなかったいつも通りの日常を皆さんに)
「ちょっと待ってください!全部無かった事になったらルナはどうなるんですか!それにリベラさんの家族は!」
ジャンは焦る

(安心して下さい、妹さんには再び生まれ直してもらいます、植人族は2度と同じ事をしない様に消滅していただきます)
「ふざけんな!肝心な時になにもしてくんなかったくせに今更変な事するな!」
パンプは怒鳴る

「パンプさん!失礼ですよ!」
ウリエラはパンプを止める
「待てウリエラ、これに関して俺も許せねぇ、おいリベラ!お前もお前の家族も消されるかもしれねぇんだぜ、お前からもなんか言え!」
ザルも不機嫌な顔で怒鳴る

「みんなが居なくなるのは嫌!」
リベラは頬を膨らませる

「やり直したらビャッコ達の苦労が全部無駄になるじゃないか!駄目だ!そんな事させない!神だかなんだか知らんが姿を現せ卑怯者‼️」
クラムは拳を握って叫ぶ

「ク、クラムさん!グランドール様、私からもお願いします、やり直しは無しという形にしていただけませんか?」
ウリエラはグランドールに頼み込む

(そ、そうですよね...申し訳ございません、不謹慎なお話でした、ではせめて皆さんの死後天国行きを確定させていただきます)
グランドールは少し落ち込んでいるようだ

「み、皆さん、天国行き確定ですよ、や、やったー!」
ウリエラは気まずい雰囲気を盛り上げようとする
「とりあえずは良いんですかね?」
白夜は少し考える

(で、ではクラムさんにイグニートさん、そろそろ戻りますよ)
グランドールは光の扉は再び開く

「時間か...またなジャン!」
「ではまたいつか」
2人は扉をくぐり抜ける

「あらら、行っちゃったよ」
「なんか夢を見てるみたい」

「アイツらも元気にやってるみたいで安心だな」
「ジャン、そろそろ帰ろうぜ腹減った」
パンプの腹の音が河川敷中に響く

「そうだね、暗くなってきたし帰ろうか」
パンプはジャンの肩に乗る

「お前らも帰るぞ」
「はい!」
「ほーい」
「私達も帰りましょ」
「はーい」
白夜とアドロン達もジャンについて行く

「俺らも帰るか」
「そうですね」
ザルはあくびをしながら帰宅する

「やっべ!今日は母さんの誕生日だ!おいお前らプレゼント買いに行くぞ!」
ラート達は慌てて商店街の方へ走って行く

「リベラさんは帰らないんですか?」
ウリエラはリベラに聞く
「リベラは少し此処に残る、久しぶりに此処のお花とお話ししたい」
リベラは花が咲いている方へ歩いて行く

「私達も帰りましょう、今日の料理当番はウリエラですよ」
「いけない!そうでした!」
ウリエラ達は翼を広げて空を飛んでいく


G-6715 砂漠

2人は夜の寒い寒い砂漠のど真ん中を歩いていた
「ジャン達元気だったな」
「ええ、我はそれを知れただけで満足です」
2人は嬉しそうに会話をしている

「なぁ神様、またあっちの世界に行っても良いのか?」
クラムは空を見上げて叫ぶ
(次はあなた達が役目を果たし、皆が再開した時に扉を開きます)

「そっか!じゃあチャチャッと終わらせるか」
クラムは走り出す
「我らの力があればすぐに終わるだろう」

「あれ?神様ってなんでも知ってるのか?」
クラムは何かを思い出したように立ち止まる
(ええ大体の事なら...)

「じゃあさ、あのダーリンとかハニーとかについて教えてくれよ」
「誰だその者達は?」
イグニートは頭をかきながら記憶を辿る

「ほら居ただろ?あのデカいウサギを出すヤツら」
クラムは両手を広げてウサギを表現する
「アレか...確かあの時貴様が攻撃を躊躇した者達だな」
イグニートはあのカップルを思い出す

「しかし何故気になるのだ?」
「アイツらから父さんと母さんの匂いがしたんだ」
クラムは鼻を触りながら言う

(あの者達はあなたの両親です、男の名はクロム・クルム、女の名はフルート・サシャルー)
グランドールの言葉にクラムは喜ぶ
「やっぱり!アイツら俺の父さんと母さんだったんだ!」

「ま、待て、どう言う事だ?何故あの者達がクラムの親なのだ?」
イグニートは首を傾ける
(あの2人があなたの代わりに受けた技は時空を歪ませて無作為に未来や過去へ飛ばすものです)

「なるほど、過去に飛ばされた2人がクラムを産んだという訳か」
イグニートは納得する
「あれ?じゃあさっき言ってた全部元に戻して何事も無かった事にするって異常者イレギュラーも消えるって事だよな?」
クラムは少し考える

(ええ、異常者イレギュラーだった者はそのままですが、能力はこの世から消えます...あっ!)
グランドールは肝心な事に気づく
「それって俺が生まれないって事じゃないか?」
クラムは呆れた顔をする

(申し訳ございません...)
「ハァ~、まぁいいや、行くぞイグニート」
「ああ」
2人は旅を続ける



G–6709 バーン家

「パンプ、早くしろ!」
ジャンはパンプを急かす
「おいジャンバレるだろ...」
パンプはこっそりジャンの皿にブロッコリーを移している

「パンプちゃん、好き嫌いはダメよ」
アミィはパンプの肩を掴む
「いっ!違うんだアミィ!ジャンがブロッコリー食べたいって!」

「あっ!汚いぞ!僕を売るな!ブロッコリーはお前が食え!」
ジャンはスプーンにブロッコリーを乗せてパンプの口に突っ込む

「んん❗️おえ!ジャンのバカァ❗️うわーん❗️」
パンプは泣き出す
「えーん!えーん❗️」
ルナも泣き出してしまう

「あらら、まただ」
ユウスケは呆れる
「いつもこうなんですか?」
ツイスターは手を止めてユウスケに聞く

「ああ、ブロッコリーが出ると大体こうなる」
「そうなんですか...ほらパンプさん泣かないでください」
ツイスターはパンプをあやしに行く

「なぁジャンの家では石炭とか出ないよな、俺アレだけは食えないんだよ」
スカルドはユウスケに聞く
「石炭?ああ、ガーゴイルって石とかも食えるんだったけ、安心しろ家では石炭なんて出ないぞ」
「ほっ、なら安心だ」

「賑やかですね、セバスさん」
アドロンは行儀良く食事を済ませる
「ええ、このぐらい騒がしくないと」






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

僕と精霊〜The last magic〜

一般人
ファンタジー
 ジャン・バーン(17)と相棒の精霊カーバンクルのパンプ。2人の最後の戦いが今始まろうとしている。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...