僕と精霊〜A journey of heroes〜

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旅人達の足跡

第64の旅 男の名は

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 ニーナは男と睨み合っていた
「君の力、陸では使えないと思ったんだけどね」
「舐めんなよ」
ニーナは魚達が持って来た鉄槍を構える

「おお怖い怖い、でも君じゃ僕には勝てないよ」
男は一瞬でニーナの後ろに回り込んで首を掴む
「そうだまだ名乗ってなかったね、僕はジャスティス、組織のリーダーをやっている、て言っても組織はもう解散したんだけどね」
そう言ってジャスティスはニーナの首を強く締める

「あっ!ぐ..!離せ...」
ニーナはジャスティスに蹴りを何発か当てるがびくともしない
「良いね、雨が降ってきた!人が死ぬのに相応しい」
雨がザーザーと勢いを増していく

「ふっ...」
ニーナはニヤつく
「何がおかしい?」

「雨の海...」
ニーナは最後の力を振り絞って指を鳴らすと豪雨の中をサメやクジラの大群が泳いで来た

「おっとこれはマズイ」
ジャスティスはニーナを離して魚を1匹ずつ倒していく
(今のうちに...)
ニーナは小魚の大群に運ばれていく


「む?雨か...」
「おい亀公!テントの屋根になれ」
「分かっておる」
ゲンプはテントと寝袋の真上に移動する

「すまない少し行ってくる!」
イグニートは豪雨の中1人で何処かに飛んで行く
「待ってください!私もついて行きます!」
スザクも着いて行く

「何か胸騒ぎがするな」
ビャッコは警戒する
「守り抜くぞ」
ゲンプは結界を張る


(ここまで逃げれば...アイツも来ないだろ)
ニーナはテントの方へ戻っている
「やっぴー、調子はどう?」
ジャスティスも魚の大群に乗っていた

「はっ!?」
「逃がさないよ」
ジャスティスはニーナを蹴り飛ばす

「キャアア‼️」
ニーナは岩に叩きつけられ血を吐く
「ゲホッ..ゲホッ...!」

「何が..目的なの...」
ニーナは鉄槍を持ち直して立ち上がる
「目的?うーん?なんだっけ?まぁ良いや、僕はやりたいようにやるよ」
ジャスティスはニーナの傷口を踏みつける

(もうダメ...死ぬのかな、結局何も出来なかった...もっと強ければ..みんなを守れたのかな...)
ニーナの意識が薄れていく

「死んだか、じゃあ処理をしなきゃ...ん?よく見ると綺麗な顔だ、ああ~なんと美しい死体なんだ、解剖しなきゃ」
ジャスティスは舌舐めずりしながらメスを取り出す

「まずは血を抜こうか..」
ニーナの傷口にメスがゆっくり近づいていく
「解剖してバラバラにして、保存して飾って永遠に...」
ジャスティスはヨダレを垂らす

「ルシャアアア‼️」
「な!?」
突然ニーナの体から龍が飛び出してジャスティスに食らいつく

「何だ!このパワー!?邪魔するなぁ‼️」
ジャスティスは龍に食われまいと抵抗する
「メラャラララ‼️」
龍が雄叫びを上げると豪雨が集まり海が出来上がる

「ゴボボ...」
ジャスティスは身動きの取れない海の中で魚に覆われる

「ルシャアアア‼️」
龍はニーナを掴んで移動する

「これは!?」
イグニートは空中に浮いている球体の海という異様な光景を目の当たりにする

「貴様は仲間か...我が主人を頼む」
龍はイグニートにニーナを渡す
「貴様は一体...」
「我はセイリュウ...時間がない頼んだぞ」
セイリュウはそう言い残してニーナの中に消えていく

「ニーナ!しっかりするのだ!」
「いけない!すぐに治療を」
遅れて来たスザクはすぐにニーナを翼で覆う

 ニーナの傷は一瞬で消える
「さぁテントに戻りますよ!」
スザクはニーナをテントまで連れて行く
「念の為」
イグニートは指から巨大な火球を作り出す

「インスタントサン...」
火球は豪雨の海を干上がらせるほどの大爆発を起こす

 イグニートもテントに戻る


「な、何だ!?今の音は」
グレイトは爆発の音で目を覚ます
「予感は当たったか...」
ビャッコはすぐに戦えるように構える

「おい亀公!結界を解くなよ」
「分かっておる」

「おい!2人とも起きろ!」
グレイトはクラム達を起こすが2人は全然起きる気配がない

「だー!仕方ねぇ!」
グレイトは寝ている2人を担いでゲンプに乗る
「良い判断だ」
ゲンプは結界を甲羅に集中させる

「皆さん!すぐに移動しますよ!」
スザクが急いで戻って来る
「どうしたスザク!」
スザクはゲンプの甲羅の上に着地し、ニーナをグレイトに受け渡す

「何があったんだ?イグニートはどうした?」
グレイトは気を失っているニーナを抱えながら聞く
「我なら戻った...すまない我がもう少ししっかりしていればニーナは...」
イグニートは少し小さくなる

「反省会は後です!日の出まで此処を死守しますよ!」
起きている者達にとってはピリピリとした空気が流れるとても長い夜になった


「ふぅ~危ない危ないビックリしたよ、でもわかっちゃたな!アイツら異常者イレギュラーじゃない、僕の研究とはまた別で誕生した存在だ!これは戦って結果を出さなきゃ!気になるなぁ!まぁ正義は必ず勝っちゃうんだけどねぇ~」
ジャスティスは第二研究所に戻る


 日は上り、ゲンプの巨体は朝日に照らされ始めた
「ん?朝か、俺いつの間に寝ちまったんだ?」
クラムは目を覚ます
「眩しい...」
フランも目を覚ます

「起きたか、はぁー!疲れた」
グレイトは尻餅をつく

 とりあえず長い夜は乗り越えることが出来た








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