僕と精霊〜A journey of heroes〜

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旅人達の足跡

第63の旅 正義

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ボルバン山 頂上付近 第二研究所

「まずいことになったな、戦力がほとんどない状態でアイツに来られたら今度こそ全滅だよぉ」
男は頭を抱える
「にゃあ!」
「お前は僕を応援してくれるのか?可愛いなぁ!よしよし」
男は黒猫を撫でまくる


 夕暮れ時、クラム達は嫌な気配を頼りに山を登って行った
「ハァハァ、なぁイグニートあとどのぐらいで着くんだ?少し休憩にしようぜ」
クラムはイグニートに聞く

「どうした犬っころ?いつもの調子はどうした?」
元の姿に戻ったイグニートはクラムに近づく
「無理もないよ、昨日からずっと戦ってばっかりでまともに休めていないもの...」
フランもヘトヘトのようだ

「しかもアイツらの体の中にいるヤツらが騒ぎまくってるとなると仕方ないな、ゲンプみたいにおとなしければ良いんだかな」
グレイトは2人を抱えて休める場所を探す
(主人の体のケアをできなくてはな)
(俺らの存在自体が主人にとっては結構負担なんだぜ)
ゲンプはグレイトの中でのんびりしている

「山登りには体力が要るからね、俺も休憩に賛成」
ニーナもグレイトに着いて行く
「承知した」
イグニートも着いて行く

「すまねぇな、家があんなんなっちまったから食料もこれしかないんだ」
グレイトはあり合わせの肉やパンを皆に配る
「そういえば朝から何も食べてなかった」
フランのお腹が鳴る

「ほら、フランやるよ」
クラムはフランにパンを渡す
「え、でもクラム食べないと...」
フランは遠慮する

「良いんだよ、俺は研究所に落ちてたネズミとかこっそり食ってたし」
「お、おいボウズ腹壊してないよな?大丈夫か!」
グレイトは心配する

「こんなの慣れっこだよ、父さん達が死んでからよく食ってたし...」
「そうじゃねぇ!ネズミはよく研究材料に使われてんだよ!」
グレイトの言葉を聞いてクラムは青ざめる

「ギャアア!しまった!食っちまったよぉぉ!どうしよう!おっさん!」
クラムはグレイトにしがみつく
「考えてなかったのかよ、フランの力でどうにかなるんじゃないのか?」
グレイトはクラムを引き剥がす

「そうか!」
(安心しろ、有毒な物は除去しておいたぞ、後先考えて行動するんだな)
ビャッコは厳しく言う

「ありがとうクラム」
フランはパンを食べる
「暗くなってきたな、今日は此処にテントでも張って休むとするか」
グレイトは持って来たリュックサックの中からテントをだし設置する

「主人の許嫁の友よ、貴様の力を使えば食料調達など容易いのではないのか?」
イグニートはニーナに聞く
「何だその呼び方は?ニーナで良いよ、まぁ俺の力を使って魚を呼び寄せることもできるけどそれは最終手段だ、今平和に海で暮らしてる魚をいきなり殺して食うなんて俺にはできないね、海のみんな良い奴らだし」

「そうか不粋なことを聞いてしまったな、すまないニーナ」
イグニートは深々と頭を下げる
「良いんだよ、俺の力はこれぐらいでしか誰かのためにならないしね」
ニーナはパンのかけらを口に放り込む

「貴様の力は主人の命を救った、もっと自信を持つんだな」
イグニートはニーナの肩に指を置く
「ありがとう、そう言われると嬉しいよ...」
ニーナは照れる

「おーい!焚き火に火をつけてくれないか!」
イグニートはグレイトに呼ばれてテントの方へ移動する

(ねぇセイリュウだっけ?君はイグニートみたいに私に優しくしてくれるのかな?)
ニーナは星を見上げながら考える



「護衛は我らに任せておけ」
「あなた達はぐっすり寝てください」
「まぁ我らが居れば心配はなかろう」
「イグニートも一緒にやってくれんのか!」
「我は眠らなくても良いからな」
ビャッコ達はテントの外で護衛をする

「今夜は静かに寝れそうだ」
「そうだ..ね..」
クラムとフランは倒れるように眠る

「お前も早く寝るんだぞ」
グレイトはニーナに声をかけて外で寝袋で寝る
「分かった、でも今日は星が綺麗だからもう少し見てるよ」
ニーナは星がよく見える場所に移動する

「ニーナ、我も同行する」
イグニートも着いて行こうとする
「ごめんちょっと考え事もしたいからさ、1人にしてくれ」
「承知した」
イグニートは定位置に戻る 

「はぁ、今日の星は本当に綺麗、あの海賊が来てなければ今頃私もこうやってパパ達と星を眺めてたのかな?」
ニーナは岩に座りながら星空を見上げる

「そうだね、僕の雇ったあの海賊達が居なければ今頃君は平和ボケの毎日だっただろうね」
背後から男がやって来る
「ん?なんだお前も星を見に来たのか?今日の星は本当に良いぜ」

「いや僕は星を見に来たんじゃない、邪魔者を始末しに来ただけだよ」
男の言葉を聞いてニーナは警戒をする
「君達も馬鹿だね、敵の本拠地で休憩をするなんてさ、こんなチャンス逃すわけないだろ、こっちはただでさえ戦力不足だっていうのに」
男の首元にはピラニアが噛み付いていた

「敵なら始末しなきゃいけないね、お前誰だ?まぁ聞いても無駄だろうけど」
ニーナが指を鳴らすとピラニアは顎を激しく動かし始める

「痛いじゃないか、いきなりこんな事をするなんて」
男はピラニアを握りつぶす
「何でこっちから奇襲を仕掛けたと思ってるの?」

「うっさい!アンタはここで倒す」
ニーナは魚の大群を呼ぶ
「簡単だよ、確実に勝てるからだよ」
男は不気味な笑顔を浮かべる









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