僕と精霊〜A journey of heroes〜

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旅人達の足跡

第62の旅 目指すは火山

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 クラム達はイグニートを仲間に加えて次の目的地を計画していた

「次は何処に向かえば良いんだろう」
皆はグレイトが持ってきた地図を眺めている
「ヤツはおそらく此処に居る」
イグニートは地図に指を差す

「此処は?」
「そこはボルバン山だな、確かに此処からも近いし何かの施設があるとか噂もあるしでヤツが居る可能性は高いな」
グレイトは地図に印を付ける

「よし!そうと決まれば出発だ!」
クラム達は馬車に乗り込み出発する

「お前の体どうなってんだ?」
クラムは人魂のような見た目のイグニートに聞く
「我もよく分からんが主人の体を離れて成長をしたようだ」
人魂は陽気に話す

「可愛い...」
フランはイグニートをツンツンと指で突く
「や、やめるのだ奴隷少女よ、くすぐったいではないか」
イグニートは照れる

(このゲスが!奴隷少女などと無礼極まりない)
(ああ今回はクソ鳥に賛成だ、随分と生意気な若造だ)
「ん?犬っころに奴隷少女、貴様らの中から妙な気配がするな、1匹は以前も感じたがもう一匹は初めてだ」
イグニートは2人の胸あたりを調べる

「食い殺すぞ若造!」
「不愉快です!」
ビャッコとスザクは2人の胸から顔を出す

「なんだお前ら、随分イラついてるな」
クラムはビャッコを無理矢理引っ込める
「そうだよ仲良くしなきゃダメだよ」
フランもスザクを引っ込める

(ですがあなたを奴隷少女と..)
「良いの本当の事だし、イグニートには悪気はないから、私のために怒ってくれただねありがと」
フランは微笑む

(貴様は良いのか!あんな小僧に犬っころなどと呼ばれて)
「別に、あーでも呼ばれるならオオカミの方が良かったかな?もうオオカミじゃ無いけど」
クラムは呑気に言う

「なぁイグニート!白夜達の世界はどうなってたんだ?」
ニーナの好奇心はまだまだ止まらない
「そうだな、貴様精霊は見た事はあるか?」

「ローズ達みたいなヤツらか?」
「そうだ、主人達の世界は人間と精霊が共存していてとても平和であった、まぁ少し問題はあったがな」
イグニートは炎の輪を作り自分の記憶を頼りにジャン達の世界の映像を映し出す、そこには植人族とジャン達の戦いが映っていた

「なんかコイツらリベラに似てるな」
クラムは映像を見ながら言う
「どうやらあの植物娘の弟妹達らしいのだ」

「すげぇ!コレがジャンの武器か!すげぇ威力だ!」
魔銃マガンを初めて見たクラムは大興奮
「我もこれには驚かされた、やはり主人と兄上は強い」

(ふっ貴様にも兄が居るのか、さぞかし頼りないのだろうな)
「犬っころ、体を貸せ」
人魂はクラムの体に入り込む

「な、なんだ突然?ぐっ!な、何やってんだお前ら」
クラムは胸の痛みを堪える
(グワァ❗️)
(おのれこのドラ猫が!兄上を愚弄するか‼️)
(若造が調子に乗るな...グワァァァ‼️)

「いって!たくテメェら喧嘩は外でしろ!」
クラムは2人を体から追い出すとビャッコはイグニートにボコボコにされていた

「次は無いぞ...」
イグニートは人魂に戻る
(ヒッ!あの先ほどはゲスなどと失礼な事を大変申し訳ございません)
スザクは震える声で謝る

「お気になさらず」
人魂はフランに一瞬近づく
「あらら、力で屈服させちゃったよ」
ニーナは笑う

「イグニートってこんなに強かったんだ、頼りになるな」
フランは人魂に期待の視線を送る
「主人の体で育つ過程で我は大量の魔力を受けたのでその差でしょうね」
イグニートは人魂から腕だけを生やしてマッスルポーズを取る

「ん?貴様からも何かを感じるな」
イグニートはニーナに近づく
「え?俺?俺から何を感じるんだ?」
フランは人魂をがっしり掴んでブンブン振り回す

「ドラ猫達と同じ物を感じるのだ、しかも相当のエネルギー、これは?ちょっと失礼」
イグニートはニーナの体の中に入り確かめる

(おかしいですね何もいません、確かに気配を感じるのですが)
「なんか変な感じだな、できれば早く出てってくれないか?」
(失礼)
ニーナの胸から人魂が飛び出す

「まだ目覚めていないという事か...」
(なるほど、最後の同士は近くにいたという事ですね)
スザクは納得する

「最後の同士?なにそれ?」
フランは胸に手を当てる
(我々の同士は4人)
(おいおい!俺をカウントしろよ)
(これ話を邪魔するでない蛇)

(私にビャッコ、ゲンプそして最後にセイリュウ)
「はぁ?じゃあ俺の中にそのセイリュウってヤツが入ってんのか?いつから!」
ニーナは驚く

(あなたが生まれてからずっとですよ)
「ずっと!え!全然気付かなかった」

(あとはあなた自身が心を成長させる事でセイリュウも目覚めてくれるでしょう)
(あのぐうたら龍がそう簡単に目覚めてくれるもんなのか~)
ビャッコはため息をつく

(ぐうたらはお前も変わらんじゃろ)
(んだと老いぼれ亀公が!)
(血気盛んな小僧じゃの~)

「なんか随分と騒がしくなったな」
クラムは耳を抑える
「みんな喧嘩ばっかりしてて嫌!」
フランも耳を塞ぐ

(すみません、私達も最初は仲が良かったんですが、数千年と一緒だったものでに喧嘩ぐらいしかやる事が無いのですよ)
スザクは申し訳なさそうに言う
「なんかやだな、喧嘩しかやる事が無いなんてな」
馬車にしんみりとした空気が流れる

「おいみんな!着いたぞ!」
グレイトは馬車を止める

「あれ?火山のわりに暑くないな、ほんとに着いたのか?」
クラムは馬車から出る
「当たり前だ頂上付近までは馬車でいけん、こっからは歩きだ、お前達は此処で良い子にしてるんだぞ」
グレイトは馬達を宿舎の近くに置く

「さぁ行くぞ、今度こそ最後にするぞ!」
「「「おー!」」」



















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