僕と精霊〜A journey of heroes〜

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旅人達の足跡

第57の旅 天からの伝言

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放課後
 ウリエラとガブリラに呼ばれて皆は河川敷に向かっていた

「うわぁまだ頭がクラクラする」
「奇遇ね、珍しく同じ意見よ」
ジャンとローズはふらふらしながら歩いている

「2人とも大丈夫ですか?」
白夜は2人が転ばないように後ろを歩く
「ごめんオレが失敗したんだと思う」
パンプは反省している

「気にするな元はと言えばズルしようとした僕らが悪い」
ジャンは頭を抑えながら言う
「反省するわ」
流石のローズも今はパンプと喧嘩するほどの気力はないようだ

「ウリエラが呼び出すって事は相当重要な報告なんだろうな」
アドロンもツイスター達と一緒に後ろからやって来る

「アミィさんには今日は遅くなると伝えておきました」
ツイスターはジャンに報告する
「ありがとう、母さんなんか言ってた?」
「今日の晩飯はビーフシチューだって言ってたぜ」
スカルドはヨダレを垂らしながら言う

「スカルド、だらしないですよ」
「ご、ごめん」
スカルドはヨダレを拭き取る

「ビーフシチューか、よし!楽しみだ」
ジャンはガッツポーズを取る
「ジャン!オレのブロッコリーやるから肉と交換してくれよ」
パンプはジャンの腕をブンブン振り回して頼み込む

「お前なー肉と野菜が交換出来るわけないだろ、ニンジンか玉ねぎのどっちかだ、あとじゃがいも」
「ええー!じゃあニンジンと交換だ!」
パンプはジャンの二の腕をパチンと叩く

「何アンタまさかブロッコリー食べれないの?」
ローズは少し機嫌が良くなる
「なっ!ち、違うぞ!食べれないんじゃない!食べたくないだけだ!なんか寒気がするんだ」
パンプは体を震わせる

「ふーん、アンタにも嫌いな食べ物があるのね」
ローズは少しニヤつく
「あらローズもシイタケ食べれないでしょ?」
白夜の一言にローズはびくつく

「違うもん!シイタケはちょっと苦手なだけで食べようと思えばいくらでも食べれるもん!」
ローズは頬を膨らませる
「あらそう、じゃあ今度ママに頼んでシイタケたっぷりのパスタでも作ってもらおうかしら」
白夜はクスクス笑う

「ちょっ!白夜嘘でしょ!ねぇ!」
「おっ!みんな先に来てるみたいだな」
アドロンは河川敷にいるザル達を発見する

「急ごうか」
ジャンが走り皆もついて行く
「あっ!ちょっと待ってよ!シイタケはどうなるの!」

河川敷

「皆さん集まったようですね、今回はグランドール様から皆さんに伝言があったので伝えます、少し長くなるので楽な姿勢をして下さい」
ウリエラはそう言うと手から光の球を作り出す

「この映像を見て下さい」
光の球の中には満身創痍のクラム達が映っていた
「クラム!」
「おいフランもいるぞ!」
「あと番人のおっさんもいるな」

「これは1週間前、つまり私達がこちらの世界に帰って来てからの映像です」
光の球の中には白い虎を身に纏って戦うクラムの姿があった

「なんだこの姿は?クラムのヤツこんなこと出来たのか?」
パンプは光の球に顔を近づける
「パンプ、あまり近づくな見えないだろ?」
ジャンはパンプを抱き抱える

「確かあの時、フランさんから大きな鳥が出てきましたよね」
ツイスターは当時の事を思い出す
「スザクだっけか?なんかスゲェ力を感じたぜ」
スカルドも思い出す

「レベル3とかって言ったけ?多分それだぜ、クラムもフランもおそらくレベル3とかに目覚めたんだ、よしそこだ!いけ!」
ザルはクラムを応援する

「なんだ?一旦休戦か?敵はあと1人なのに勿体無いな」
ラートは拳を握りながら言う
「無理もないですぜ、今だから相手の戦力が分かってるんであってクラム達には研究所の内部の情報すらないんじゃ一旦引くしかありませんぜ」
ボノムは説明する

「とりあえず成り行きを見届けましょう」



G-6715 1週間前 馬車

「イッテェ!」
クラムは腕から大量の血を流している
「動かないで今治すから」
フランは傷を癒す

「それでどうすんだボウズ、このままトンズラして幸せな日々でも送るか?俺が保証するぜ」
グレイトは手綱を引きながら提案する
「んなことできるか!ここで逃げたら俺達の旅に意味がなくなる」
クラムは拳を握りしめる

「まぁそう言うよな、だがとりあえず今は体を休ませろ、どうやらお嬢さんの力では体力までは回復できないらしいからな」
グレイトも拳を握りしめる

「ごめんなさい...」
フランは下を向く
「おっさん!」
クラムはグレイトを睨んで唸る

「お前のせいじゃねぇよ、だからそんな気を落とすな」
グレイトはフランの頭を撫でる
「ありがとうございます...」
フランはコクリと礼をする

「ところで他のガキ共が居なくなったのは本当なのか?」
「ああ、全く匂いがしなくなったからな血の匂いすら無い」
クラムは自分の鼻を疑うが無駄だった

「どうなってやがるんだか、いつも通り門番をしてりゃ超能力集団の旅に巻き込まれて、気づいたらそいつらは居なくなっちまう、俺は夢でも見てんのか?」
グレイトは自分の頬をつねる

「ツイスターもスカルドも居なくなっちゃった...」
フランは寂しさで泣いてしまう
「ジャン俺はどうすれば良いんだよ?クソ!なぁ教えてくれよ」
クラムはドアを叩く

「ま、まぁとりあえず腹ごしらえだ、俺の家だ、今から飯の用意をするからよ、お前らは椅子でゆっくりしてろ」
グレイトは馬車を止めて2人を家の中に運ぶ


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