僕と精霊〜A journey of heroes〜

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ドタバタテスト編

第56話 テストに備えよ!

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 ジャン達は久しぶりの学園生活を満喫していた。
「みんな久しぶりだ、いやー無事に帰って来てくれた時は安心したよ」
担任のケンナリ先生は嬉しそうに教卓に両手を乗せる

「まぁみんなは公欠扱いという事になっているが流石に約半年分の授業を受けてないとなるとテストに支障が出るだろう、そこでこれだ」
ケンナリは教卓にどさっと山積みのプリントを置く

「げっ!先生それなんだよ?」
ザルの顔は青ざめる
「皆さんの公欠期間中の授業内容をまとめたプリントです、1人ずつ専用の物を作ったので名前を呼ばれた人から取りに来てください」

((((これ断れないヤツだ...))))
生徒達は覚悟を決めて1人ずつ厚さ2~3cmのプリントを受け取る

「これまさか全部やるのか?」
パンプはプリントをペラペラめくる
「でも分かりやすくまとめられてる」
ジャンはじっくりプリントの内容を見つめる

「どうやら本当に生徒1人1人違うプリントを作っているようですね」
白夜はローズのプリントと見比べる
「うっそ!ホントだ!どんだけ時間かけたの
よ!」

「皆さんがいない期間はたっぷりありましたからね、ウィリム先生とも協力して作ったんですよ、個人個人の苦手な教科、もっと伸ばせる長所などなど、もろもろ全てを出来るだけ分かりやすくまとめてみたんだがどうかな?」
ケンナリは首を回しながら説明する

「俺泣けてきたよ~、先生すげぇよ」
ラートはプリントを見ながら涙を流す
「ウケケッ!ご主人は義理堅い人情に弱いですね~」
ボノムはニタニタ笑う

「これならすぐに追いつけそうだな」
レートはじっくりとプリントを読み込んでいる

「先生、次のテストはいつ頃ですか?」
ウリエラは手を挙げて質問をする
「来週からだ」
「え?」
「嘘!」
「なっ!」
「マジ!?」
「ふぇ?」
教室は静まりかえる

「あと残りのテストの回数の問題で1つでも赤点を取れば留年が確定する」
「ぶっ!」
「えー!」
「嘘だろ...」
ジャン達は青ざめる

「ようはこのプリントをやれば大丈夫って事だろ?」
パンプは宝石を作り出す
「そういう事です、という事で今日からの授業は全てテスト勉強ですね、あと今回のテストでは実技もあります、内容は人間は攻撃魔法と回復魔法、あと肉体強化魔法、精霊は自分の特技を披露してもらいます、それでは」
ケンナリはドアを開ける

「先生、どこに行くんですか?」
今度はガブリラが質問をする
「大事な会議があるので、静かに自学をお願いしますよ」
ケンナリは教室を出て行く

「やっベぇ‼️どうすんだよコレ!間に合うのか!」
ラートは頭を抱える
「今日のご主人は情緒が安定してませんね~ウケケ、はぁ...」
ボノムはプリントを見て笑いがため息と一緒に体から出ていく

「まぁとりあえずこのプリント読んで、みんなで得意な所を教え合っていけばいけるんじゃないのか?リベラ、植物について教えてくれ」
アドロンは立ち上がりリベラの席へ向かう

「なんか俺のプリントだけ多くないか?」
スカルドは目の前のプリントの山を見上げる
「いつも寝てるからですよ」
「助けて姉ちゃ~ん」
スカルドはツイスターの背中にしがみつく

「もぉ仕方ありませんね、次からは真面目に授業を受けるんですよ」
「はい...」
2人は勉強を始める

「座学は一夜漬けでどうとでもなる、問題は実技だ、攻撃、回復、肉体強化ねぇ」
ザルは考え込む
「攻撃魔法はできますが回復魔法に肉体強化ですか、誰か使える者は...」
メイデンも一緒に考える

「あのジャンさん、すみません上手に魔法を使う方法を教えていただけませんか?」
白夜はジャンに頼み込む
「別に良いけどどうして?去年の実技のテストの時は僕より良い点だったじゃん」
ジャンは疑問を抱く

「あの時は簡単な魔法だったので、でも今回は攻撃に回復、身体強化です、普段から呪術を扱っているせいでその...魔力のコントロールがよく分からないんです」
「なるほどね、そういう事なら任せて基礎から全部教えるから」
ジャンは自信満々に自分の胸を叩く

「本当に大丈夫なの?アンタ白夜よりも点数低かったんでしょ?」
ローズは疑いの目でジャンを見つめる

「大丈夫よローズ、あれはジャンさんの魔力が強すぎて測定器が壊れただけ」
白夜は前回の事を思い出しながら言う
「減点に弁償、あれは理不尽だったよ」
ジャンは苦笑いする

「コレでよし!」
パンプは宝石を自分の頭に埋め込む
「アンタは何やってんのよ?」
ローズは机に上がってパンプの横に立つ

「何って暗記だけど、よーし全部覚えた」
パンプは頭を抑えて何かをブツブツ唱える
「ちょっ!何よそれ!アンタだけ抜け駆けなんてズルいわよ!私にもやってよお願い!」
ローズはパンプに頼む

「良いぞ、ジャンと白夜もやるか?」
パンプは宝石を3つ作る
「え!じゃあお願い」
ジャンはウキウキで前に出る
「私は自分で頑張ります」
白夜は断った

「分かった、じゃあいくぞ!」
パンプは宝石を2人の頭に埋め込む
「どうだ?暗記できただろ?」
パンプと白夜は2人の顔を覗く

 2人は何も喋らず頭から煙が出し始める
「あれ?」
パンプは首を傾ける
「パンプさん、これってもしかして急に大量の情報を埋め込んだせいでおかしくなったんじゃありませんか?」
2人は煙を出したままぐったりする

「おかしいな?オレの時はこんな事を起こらなかったのになんでだ?」
「分かりません、とりあえず保健室に運びましょうか」
白夜とパンプは2人を保健室に連れて行く

「グランドール様!」
ウリエラは席を立ち上がる







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