僕と精霊〜A journey of heroes〜

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大木の魔女編

第55話 友達

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早朝
「大丈夫かな...」
リベラは龍神学園に向かって歩いている

 あの事件から1週間が経った、リベラにとっては長く感じられたが周りにとってはあっという間であった。両国は完全に再建をし、休校期間もおわり今日からまた青春の再開だ。

バーン家

「ジャン!急げ!遅刻だー!」
「寝坊したー!」
ジャンとパンプは慌てて家を飛び出す

「俺は起こしたぞ」
アドロンは靴紐を結んでいる
「ジャン!パンプちゃん!お弁当忘れるわよ!」
アミィは慌てて玄関まで走る

「大変!私が持って行く、行ってきますママ!」
「ありがとう、助かるわ」
アドロンはアミィから2人の弁当を預かり家を出発する

「なぁ、わざわざアイツらを待つ事なかったんじゃないのか?」
スカルドはあくびをする
「そうは行きませんよ、私達は家族なんですからしっかり待たないと」
ツイスターは寝癖を治している

「あのな、一応お前らも寝坊してるんだぞ、しかも俺は3回も起こしたんだぞ...ほらツイスター、髪直してあげるからこっちにおいで」
アドロンはツイスターの髪をクシで直しながら走る

「アドロン入るぞ」
スカルドはアドロンに憑依して寝る
「たくっ2度寝かよ」

「スカルド、行儀が悪いですよ」
「あーもう!ツイスター動かないで」
「すみません」
「おい!スピード上げるぞ」
アドロンは全速力で走る

「おいジャン!」
アドロンは2人に追いつく
「な、なに!」
ジャンは息を切らしながら振り返る

「ほい弁当、お前ら忘れてたぞ」
「え?あ、ありがと」
「うおお!アミィの弁当だ!久しぶりだぁ!」
アドロンはジャンに2つの弁当箱を渡して一緒に走る

「たくよ、明日はしっかり起きてくれよ」
「ははは、ごめんごめん」
ジャンは弁当箱をカバンにしまう

「そういえば今日って集会とかで生徒会長の挨拶はしないの?」
「しまった‼️おい!ツイスター!スカルド!行くぞ!」
「はい!」
(ん、ああ)
ツイスターもアドロンの中に入る

「わりぃ、先に行ってる」
アドロンは背中から翼を生やして学園の方に飛んで行く

「僕らも急ぐよ」
「おう!」
2人はチャイムギリギリで教室に到着する

「おいおい、いきなり遅刻かよ」
ザルは2人を笑う
「失礼なまだ遅刻じゃないよ」
ジャンはカバンをロッカーに置いて席に着く

「ジャンさんおはようございます」
「おはよう白夜さん」

「ふふ、だらしないわねパンプ、どうせアンタのことでしょ楽しみで眠れなかったんじゃないの?」
ローズはパンプをからかう
「すっげぇなローズ、何で分かったんだ?」

「そんぐらいすぐ分かるわよ、アンタみたいなお気楽単純バカの行動なんてね~」
ローズは高笑いする
「バカだとー!言ったな!」
「まぁまぁパンプ、良いじゃないです..か?」
グライドはパンプを止めようとするとそのまま透ける

「何?」
グライドが触っていた宝石を掴んでいた
「上だよーん!ニセモノに気づかないなんて、ローズもバカだな!バカバーカ‼️プププー!」
パンプはローズの頭上で腹を抱えて笑う

「るさいわね..!このクソウサギ..‼️」
ローズはパンプの耳を引っ張る
「ギャアア‼️イタイイタイ!」

「ローズ、そのくらいにしておきなさい大人気ないわよ」
白夜はローズを抱き上げる
「パンプ、お前もそろそろ無駄な喧嘩は避けた方が良いぞ」
ジャンはパンプの耳を撫でる

「だってローズがバカって言った!あとオレはウサギじゃなくてカーバンクルなんだぞ」
パンプはおでこの宝石をポンポン叩きながら言う
「おまえはバカじゃないけど幼いんだよ、まぁコレはそのうち成長していけばどうにでもなるからそんなに気にするな」

「ローズもよ、いきなりバカは少し酷いんじゃないの?パンプさんに謝りなさい」
「だって...久しぶりにこうやってみんなで学園に集まれたからどういう風にすれば良いかその...ごめんなさいパンプ」
ローズは素直に謝る

「確かにそうですね、こうやって学園に集まるのも半年ぶりですかね」
ウリエラは嬉しそうに話す
「それにしても長い旅だったよな、クラム達大丈夫かな?」
ラートはだらしない姿勢で椅子に座りながら言う

「グランドール様からのお告げはいつになったらくるんでしょうか」
ガブリラは天井を見つめる
「そもそもなんで俺ってあっちの世界に飛ばされたんだっけ?」
ザルは首を傾ける

「理由なんてどうだって良いじゃないの、楽しい旅だったんだからさ、ローデンとボルトサンダーは元気にしてるかなぁ?」
レートは聞き覚えの無い名前を口にする

「おい誰だ、そのローデンとボルトサンダーって?」
ザルはツッコむ
「ローデンとボルトサンダーって言ったらアイツらしかいないだろ」
パンプも何か知っているようだ

「え?パンプも知ってるの?」
「ジャンは知らなかったのか?」
パンプは不思議そうな顔をする

「あの2頭の馬の名前ですよ」
グライドは説明をする
「「「「ええー!!」」」」
レート達以外は驚く

「アイツら名前あったの?」
「あったぞアイツらがそう言ってたからな、知らなかったのかジャン?」
パンプは首を傾ける

「そういえばあなたは動物とも会話ができましたね」
メイデンは呆気に取られた顔をして言う
「お前も馬だから分かってたんじゃないのか?」
パンプの言葉にメイデンはムスッとする

「失礼なわたくしは高貴なユニコーンですよ、下等な馬と一緒にしないで下さい」
「同じようなもんだろ、角があるかないかぐらいだろ?」

「1番気にしている事を!」
メイデンは角を光らせる
((((気にはしてたんだ...))))
教室にいた者達は同じ事を考えた

 教室のドアが開くとアドロン達がやって来た
「おーす...おはようございます、ほらスカルド寝ないで」
(んあぁ!」
スカルドはあくびをしながらアドロンの体から出てくる

「だらしないですよ」
ツイスターは注意する
「だってよー、久しぶりすぎて体が起きないんだぜ」
スカルドはまたあくびをする

「それはみんな同じなんですからね」
「ふぁ~い」
「ウケケ、2人もいつも通りですな」
ボノムはニタニタ笑っているともう1度ドアが開いた

「あ、あの...おはようございます..」
リベラはもじもじしながら教室に入り、すぐに自分の席に着く
「どうしたんだリベラ?元気なさそうだな」
ザルは心配する

「その...この前はリベラの家族が..本当に申し訳ございませんでした」
リベラは下を見ながら言う
「なんだそんな事かよ、別に誰も気にしてないって、あまり引きずる事なんてないぜ」
ザルはリベラの肩をポンと軽く叩く

「え?リベラを責めないんですか?」
「たくよ、俺らの事もっと信用してくれよ自信無くすぜ、俺らだってお前の家族を傷つけたんだからお互い様だろ?お前はいつも通りにしてりゃ良いんだよ」
ザルは励ます

「ありがとうございます...」
リベラはみんなの笑顔を見て思わず泣き出してしまった










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