僕と精霊〜A journey of heroes〜

大木の魔女編

第43話 アドロン復活

　ザル達は巨大な植物魔獣と戦っていた

「ギョルルル‼️」
「なんだコイツ、斬っても斬ってもすぐに再生しちまう」
共鳴したザルは何度も植物魔獣を斬り続ける

「どうやら強力な一撃で一気にトドメを刺さなければいけませんね、皆さん！行きますよ！」
ウリエラとガブリラは光のエネルギーを溜める

「さぁザル様！乗って下さい！」
「おうよ！」
メイデンはザルを乗せて空を駆ける

「マスター！」
「分かってる！」
共鳴したレート達は無数の風の刃を作り出す

「良いですか同時にいきますよ！」
ウリエラはチャンスを待つ
「チャージ完了！」
メイデンの角は限界まで輝く
「俺の魔力も使え！」
ザルはメイデンに魔力を注ぐ

「ギョル‼️」
植物魔獣は尻尾を大きく振り回すが避けられ転んでしまう

「今です‼️」
ウリエラとガブリラは手から光のレーザーを発射する
「はあぁぁぁ‼️」
メイデンは角からドリル状の光線を発射する
「「いっけー‼️」」
レート達は無数の風の刃を一気に放つ

「ギョルル‼️ギャラララー...」
植物魔獣は跡形もなく消滅する

「よし！今すぐジャン達を追いかけるぞ‼️メイデン！」
メイデンはジャン達が向かった方へ駆けて行く

「私達も！」
「マスター！」
レート達も移動する


遊学町　元公園

　ジャン達はかすかなリベラの魔力を探りながら走っていた

「酷い、本当に此処が町だったの？」
ローズは景色を見ながら震える
「昔読んだ絵本にこんな風になった町があったわね、大木の魔女だったかしら」
白夜は昔の事を思い出しながら大鎌で真っ正面の木々を斬り裂く

「そう言えばそんな絵本あったな、僕も小さい頃によく母さんに読んでもらったっけ」
ジャンも邪魔な草木を燃やしている
「その本ならオレも読んだぞ！ツイスターは泣けるって言ってたっけ？」
パンプも本の内容を思い出す

「確かにアレは泣けますな」
「ああ、ありゃ悲劇の話だぜ」
ラート達も内容を思い出しながらツタを凍らせて砕いていく

「そうか？あの本ってそんな泣ける話だったっけ？違う本の話じゃないの？」
シュンも思い出そうとするが疑問が浮かんできた

「え？何言ってるのシュン兄、あれは泣ける話だよ」
「は？どこがだよ、ありゃ村の裏切り者の呪いがテーマの話だろ？」
「違うよ！人間と精霊の禁断の恋の話だよ！」
ジャンとシュンは言い争いをするうちに競争を始める

「何やってのよ！こんな時にケンカしないでよ！」
ローズは呆れる

「ジャン！何か来る！」
パンプはジャンの首を掴んで止める
「ぐぎぎりゃりゃゃ！」
ジャンは変な声が出る

「うわっ！なんだ！？」
ジャンはツタで体を縛られる
「シュン兄！」

「そういう所だぞ人間、我らの父と母が裏切り者なわけがない‼️父様と母様の無念を此処で晴らす‼️」
リベルが木から飛び出してくる

「おおっと！出て来たな植人族」
シュンは縛られながらも冷静に観察する
「白夜！」
「ええ！」
「ご主人！」
「分かってる！」

「待て！みんなは先に行ってくれコイツ1人ぐらい俺1人で大丈夫だからさ」
シュンはニッコリ笑う

「何を言っている人間、お前はもう死ぬんだぞ？リベルは弟妹達とは違う！殺してやる！お前らもだ！そしてお前らがリベラ姉様にかけた呪いを解いてやる！」
リベルは周りの木から養分を吸い取り筋肉を強化する

「いや、倒されるのは君の方だよ」
シュンの背中からブレード付きアームが飛び出し、自分を縛るツタを斬り裂く

「何！？ツタが！貴様ぁ‼️」
「仕方ないだろ？縛ったのはそっちだ、どうしようが俺の勝手だろ？」
シュンはアームをしまいポケットからバッジを取り出す

「シュン兄！じゃあ行ってるよ！」
ジャン達は走り去る
「そうそう、周りに誰もいない方が戦いやすいんでね」
シュンはそう言いながらバッジを胸に付けてスイッチを押す

『戦闘システム起動..対象の攻撃パターンを解析中です...解析完了...有効ガジェット転送します』
シュンの周りが光り出す

「何をしているんだ人間‼️」
リベルは腕から棘を発射する
『転送完了！』
棘は全て弾かれる

「さーて！こっちは準備完了だぜ、覚悟はできてるか？」
ジェットパックや様々な銃火器、肉体強化スーツを装備したシュンはニヤリと笑う

「おのれ‼️」
リベルは下唇を噛み締める


元研究所

　アミィ達は暗い道を炎で照らしながら歩いていた
「こっちにお兄ちゃんが居る！」
ロアはあまり嬉しさで笑いが漏れる

「ロアちゃん、足下には気をつけてね」
「はーい！」
邪魔な根っこを避けながらどんどん前へ前へと進んでいくと他の部屋とは違う扉があった

「此処だ！」
ロアは力一杯扉を押し込むがびくともしない
「うーん！開かない！」
「俺に任せろ！」
スカルドは全身を鋼鉄化させ扉に突進するがびくともしない

「ききっ！なんつー硬さだよ！」
スカルドは鋼鉄化を解いて衝撃を逃す
「わたくしに...セイッ‼️」
セバスは正拳突きで扉をグシャグシャにして吹き飛ばす

「さぁどうぞ」
セバスは一礼する
「ありがとう！セバスのワンちゃん！」
ロアは中に入ると早速、緑色の繭のような物を見つける

「お兄ちゃん？」
そっと繭を破ると、中にはロンが居た
「お兄ちゃん！みんな！居たよ！やった！」
ロアは手を叩きながら大はしゃぎ

「今そちらへ行きます」
セバスは繭に近づき、慎重にロンを回収する
「気を失っているだけのようですね」

「ロンさん！」
「とりあえず良かったぜ」
ツイスターとスカルドは安心する

「お兄ちゃん今行くよ」
ロアはロンを抱きしめると2人の体が１つになり始めた

「アドロンさん？」
「お、おい大丈夫だよな？」
2人は心配する

「...ん？なんだ？どうなってるんだ？俺は死んだんじゃないのか？」
アドロンは目を覚ます