僕と精霊〜A journey of heroes〜

大木の魔女編

第40話 リベラ達を取り戻せ

　屋敷から出てきた皆の親は子供達の帰りを喜んでいた

「ザルちゃーん！お帰りなさい！ママ心配したわよ！怪我はない？痛い所は？病気にならなかった？はー！良かった...」
ザルの母親はザルの頭をしつこく撫でる

「か、母さん！や、やめてよ、おい！お、お前ら！見るな！」
ザルは顔を赤くして声を荒げる

「はははっ！」
パンプは笑っている
「これはこれはお母様、お久しぶりでございます」
メイデンはザルの母に挨拶する

「メイデンちゃんも相変わらず元気そうね！ちゅっ」
メイデンも顔を赤くする

「なははは！変なのー！」
パンプはさらに笑う
「み、見るなパンプ！」
メイデンは焦る

「あら？パンプちゃんも私にいつも甘えてるでしょ？」
アミィはパンプをからかう
「違う！オレは甘えてなんかない！」

「そう？ふふふ」
アミィは思わず笑ってしまう
「違うー！」
「キャキャ！」
ルナは慌てるパンプを見て笑う

「みんなが見てるよ、その辺にしておきなさい母さん」
ザルの父は止めに入る
「何言ってんだい、息子達が帰ってきたんだこんぐらいしてやらないと！このこのー！」
ザルの母親はさらに2人を撫でまくる

「アンタらよく帰って来たね！このバカ息子ども！」
ラートとレートの母もやって来る
「「ひぃー！」」

「たくっ！心配させやがって！お友達に迷惑かけてないだろうね」
ベクトル母は強く2人を抱きしめる
「グギギギ！」
「ぐるじいょ、母ぢゃん...！」
2人はちょうど首の位置を絞められている

「マスター❗️」
「お袋さん、首絞めてまっせ」
ボノムは止めに入る

「ああ、ごめんごめん、2人も元気だったかい？」
ベクトル母は2人を離す
「ええ」
グライドは翼をたたんでおすわりをする
「お袋さんも元気そうでウケケ！」
ボノムはニタニタ笑う

「なら良し！」
2人は優しく頭を撫でられる
「ありがとうございます」
「ウケケ」
2人は照れる

「スーちゃんお帰りなさい、よく帰って来たわね」
白夜の母キャミーはぎゅっと白夜を抱きしめる
「ママ！ただいま！」
白夜は少し泣きそうになる

「「「お帰りなさいませスフールお嬢様！」」」
召使い達も一斉にお辞儀をする
「皆さん...！」

「あー、すまない、家族の再会を分かち合いたい所なんだが急いでもらえるかな？時間があまり無いんでね」
ユウスケはいつでも発進できるように待機している

　モールビークルに大人達は乗り込む
「さぁみんなも」
アミィは声をかけるがジャン達はその場に立ち止まる

「僕達はリベラさんを助けに行かなきゃいけないんだ、先に行っててよ絶対に追いつくから」
ジャンはパンプと一緒にガッツポーズを取る

「私もお兄ちゃんを助けたい...またみんなと一緒に一緒に居たい！」
ロアも勇気を振り絞る
「そう言うわけだから悪いな母ちゃん！」
ラートはニタリと笑う

「モニーも行っちゃうの？」
「すみませんお嬢様、僕にも行かなきゃいけない理由があるので」
「怪我しちゃ駄目だよ」
「ええ、大丈夫ですよ」
「\%×〒☆」

「何を言ってるの危険よ、さぁ乗りなさい」
アミィは少し怒鳴る
「ごめん母さん、でも友達を助けに行かなきゃ行けないんだよ絶対に、何度も言う事聞けなくてごめんなさい」
ジャンはアミィに背を向ける

「はぁ...あなたならそう言うと思ったわよ、もう心配するのはやめ、今回は私も行くわよ、お義姉さんルナちゃんを頼みます」
「あ、ああ」
アミィはモールビークルから降りる

「おいアミィ！」
ユウスケは慌てる
「ごめんなさいユウスケさん、私もう心配する側は疲れたの」
アミィは微笑む

「たく、こっちの身にもなってくれよ」
ユウスケは顔に手を当てる
「まぁまぁ良いじゃないのアミィちゃんが居れば子供達は絶対安全よ、私だってバカ息子が行っちまうのが悲しくて悲しくて、おいおい😂」
サクライはわざとらしく泣き真似をする
「あーう！」

「姉貴...そう言う問題じゃねぇ...」
ユウスケは呆れる
「まぁウチの子達も大丈夫でしょう」
他の親達も納得し始める

「皆さんまで..仕方ない行くか！おいお前ら！絶対に帰ってこいよ！」
ユウスケはモールビークルを発進させ、再び地中へ潜る

「さぁ行きましょう！ロアちゃんは絶対に私から離れないで」
アミィは場を仕切る
「分かった！」
ロアはアミィにがっしり掴まる

「うーん？このぐらいかしら」
アミィは木の枝を拾い魔力を込めて杖を作りだす
「やっぱお前の母ちゃんのコレ凄いよな」
ザルは感心しながらジャンに言う

「そう？練習すれば誰でも出来るよ、ほら」
ジャンも木の枝を杖にする
「マジかよ...」
ラートは苦笑いする

「ほら遊んでないで行くわよ」
アミィは杖に魔力を集中させると地面が浮き上がり移動を始めた

「な、なんだ！！」
レートは尻餅をつく
「地面ごと移動させる程の魔力...」
白夜は地面を見下ろす

「流石悪魔を殺したお方...」
ウリエラはうっとりする
「ウリエラちゃん、その物騒な呼び方は辞めてくれる？」
アミィは微笑みながら言う

「謙遜なさらないで下さい、悪魔殺しは天国行き確定のありがたい名誉ですよ」
ガブリラは天に祈りながら言う
「そう言うことじゃないんだけどね、まぁいっか」
アミィは地面はどんどん進んで行く