上 下
83 / 150
大木の魔女編

第38話 リベラは悪い子

しおりを挟む
アドロン家 地下3階

 ユウスケとシュンは一緒に何かを作っていた
「叔父さん、ここはどうすればいいんですか?」
シュンはドライバーでネジを絞めている

「そこはもっとキツく絞めてくれ、絞め終わったらコレを」
ユウスケは何かの装置をシュンに渡す

「分かりました」
シュンは作業に取り掛かる
「うーうー!」
ロアはユウスケの影に隠れる

「おっ?どうしたんだロアちゃん?」
ユウスケはロアを抱き上げる
「ヤダヤダ!みんな嫌い!」
ロアは駄々をこねる

「ロアさーん!居ますかー?」
ウリエラもやって来た
「うー!ヤダヤダ!」
ロアは唸り声を上げる

「そこですね」
ウリエラは光になりロアの体に入り込む


 ロア内部

「うぅ...」
「ロアさん?」

「ウリエラお姉ちゃん...」
ロアは泣きながらウリエラに抱きつく
「よしよし、どうしたんですか急にあんな事を言っちゃうなんて」
ウリエラはロアの頭を優しく撫でる

「ロアね、みんなが帰って来てすっごく嬉しかった、でもずっと寂しかった...それで気づいたらツイスターとスカルドにあんなこと言っちゃった...どうしよう!」
ロアは泣き叫ぶ

「そう言う事ですか、ツイスターさん達なら分かってくれますよ、私も一緒に行きますよ」
「本当?」
ロアは泣き止む

「ええ本当ですよ、2人はあなたのパートナーなんですから分かってくれるに決まってますよ、では外で待ってます」
ウリエラは光になって消え去る


「さぁ行きましょうか」
「うん!」
2人はツイスター達の元へ戻る

「なんだったんだ?」
「さぁ?」
ユウスケ達は作業を続ける


地下1階

 アミィとサクライはテーブルに料理を並べている
「こんなに沢山作るのは久しぶりね、足りるかしら?」
アミィは腕をまくっている

「やっぱりアミィちゃんは料理が上手いわね、敵わないわ」
サクライは料理の匂いをかぐ
「今日の料理は結構力作なの」


「ただいま戻りました」
ガブリラとリベラが扉を開けて来る
「おっ!帰って来たか」
ザルは振り向く

「ご無事のようですね」
「ほんま良かったわ」

「何処まで行って来たんだ?」
ラートは2人に聞く
「国の端っこですかね」
ガブリラはそう答える

「とりあえずリベラにも今の状況を説明しなきゃな」
ザルはおはじきの準備をする

「全部分かっている、全部リベラのせいよ」
リベラの発言にザル達は驚く

「何を言っているんだ?」
ザル達は首を傾ける
「そのままの意味、リベラ達が生まれたのが全ての原因で、リベラは悪い子」
リベラは自分を悲観する

「達?どういう事だ?」
ラートはリベラに聞く
「今回の件は全てリベラ達、植人族しょくじんぞくのみんなが起こしてる事、リベラは此処には居られない」
リベラはそう言い残してまた外へ出て行ってしまう

「お、おい待てよ!」
「リベラ!」
ザルとガブリラはリベラを追う
「ザル様!」
メイデンも後に続く


「まぁアイツらに任せとけば大丈夫だろ、お前ら行くぞ」
「そうですね」
「ご主人はよく分かってますな」
ラートはあくびをしながらジャン達の方へ行く


龍神町 避難区域付近

 リベラは1人でとぼとぼ歩いていると石が顔めがけて飛んで来た
「くっ!」
リベラのおでこから紫色の血が流れる

「で、出たぞ‼️植物の化け物だ‼️」
少年はそう叫びながら避難所の方へ逃げる
「出たな❗️化け物‼️」
避難所から出てきた男達はリベラを囲んで魔法陣を作り出す

「これも仕方ないか...」
リベラは潔く両手を上げて諦める
「案外楽勝だな!このまま仲間のヤツらも根絶やしにしてやろうぜ❗️」
「「「おう‼️」」」
魔法陣から一斉に炎が飛び出す

(あぁ..このままリベル達も皆殺されてしまう...これも自業自得)
リベラは一斉に攻撃をくらい倒れる

「リベラ❗️クソ!間に合わなかった!」
「何故こんな事に...」
ザル達は追いついたがすでに遅かった

「おいテメェら!リベラになんて事しやがる‼️」
ザルは1人の男の胸ぐらを掴む

「あぁん?ガキがコイツはあの植物の化け物達の仲間なんだぞ」
男はザルの手を払う

「おいコイツ、龍神学園のヤツじゃないか?」
「嘘だろ、あの行方不明のヤツらか」
「そう言えばアイツらの仲間に今倒したヤツが居たよな」
「つまりコイツらグルだったんだな!怪しいと思ってたぜ」
男達はザル達に狙いを定める

「クソ!なんてこった、メイデン‼️」
「はい!」
「仕方ありませんね!」
ザル達は構える

「おのれ人間‼️」
突然地面から巨大な木が生えてくる
「な、なんだ!?」
ザルの目の前にボロボロのリベラを抱えたリベルが立っていた

「よくも!よくもよくもよくもよくもよくもよくも‼️リベラ姉様を‼️やはり人間は滅ぶべきだ‼️全員に告ぐ!直ちに人間を滅ぼせ‼️」
「リベル...ダメ..」
リベラは気を失う

 リベルの号令とともに両国に生えていた植物がみるみる成長していく

「ザルさん!ここは一旦引きますよ!」
ガブリラは血相を変えてザル達を担いで空へと飛び上がる

「おいテメェ!リベラを返しやがれ!」
「ザルさん!暴れないで!」
「クソ!クソ!」
ガブリラはアドロン家に戻る






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

僕と精霊〜The last magic〜

一般人
ファンタジー
 ジャン・バーン(17)と相棒の精霊カーバンクルのパンプ。2人の最後の戦いが今始まろうとしている。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...