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ワガママお姫様の国 ルイベル王国

第8の旅 共鳴‼️王女の責任

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 ゴーランの体から魔力がほとばしる
「さーて!お前らの不思議な力を手に入れてしまった俺に勝てるかな?」
勇ましくゴーランはジャン達を煽る

「ジャン!アレがアイツのいれぎゅらーなのか!?」
パンプの毛はさらに逆立つ

「こうなったら!一か八かだ!来い!ツイスター!スカルド!」
「はい!」
「おう!」
ツイスターとスカルドはジャンの体に憑依する

「くっ...!結構体にくるなコレ」
ジャンの背中からガーゴイルの翼とハーピーの翼が生えてくる

「パンプ!」
「ブーストジュエル‼️」
赤い宝石がジャンの体に入り込む

「うおおぉぉ‼️」
2人の魔力がぶつかり合う

「なんて魔力の嵐なの!?」
白夜は体を震わせる
「どんな戦いが始まるのかしら」
ローズは唾を呑む

「こうかな?」
ゴーランは不器用に手から炎を出す
「ふん❗️」
ジャンは火球を弾き飛ばす

「今度はこっちの..」
「ゴラー‼️」
突然、王室にオオカミクラムが飛び込んでゴーランを鋭い爪で斬り裂く

「グヌゥ❗️」
ゴーランの胸から血が飛び散る
「クラム!何やってたんだよ?」
ジャンはとぼけながら言う

「だまらっしい!お前らが置いて行ったんだろ!」
怒りながらクラムは爪を研ぐ

「待つのじゃ!クラム!ハァハァ」
息を切らしながらダリアは王室に駆け込む
「ダリアァ❗️そう言うことか!コレを仕組んだのはお前だなぁ❗️」
ゴーランは恐ろしい形相でダリアを見る

「ゴーラン❗️大人しく父様と母様を解放するのじゃ!」
ダリアは怯まずゴーランに指を差す

「ああ、悪りぃお前の親は食っちまったなぁ!」
ゴーランはニヤけながら腹をポンポンと叩く

「そうよ、ママはゴーラン様のお腹の中よ」
ゴーランは王女の声で話す
「お前もパパ達の所へ来るんだ居心地が良いぞ」
今度は国王の声で話す

「お主だけは許さんぞ‼️ゴーラン‼️」
ダリアから王女の威厳と気品が溢れ出す

「ダリア❗️危ないわ❗️」
白夜は止めに入る

『ひれ伏せ‼️』
王室にいる者達は床に体を打ち付ける

「またこれかよ、俺この国に来てから散々だなぁ!」
「ジャン!体が動かないぞ!」
「僕もだ!ツイスター!スカルド!」
(俺らもだ!)
(全く動きません)
「これがダリアの力なの...!」
「白夜...!体が動かないわ」
ダリアは王室に君臨するかのように圧を放つ

「遂に完成したな!ダリア!これでこの国は俺の...ぐぅ‼️」
ゴーランの顔は床にめり込む

「誰が顔を上げよと申した!」
ダリアはゴーランの頭を思い切り踏む
「調子に乗るなよ‼️このメスガキが~‼️」
ゴーランはポケットからリボルバー銃を取り出す

「パンプ!」
ジャンはパンプに手を伸ばす
「ジャン!」
パンプも手を伸ばす
2人の胸の精霊石が輝き出す

 2人の体に変化が現れる
(姉ちゃん!これって!)
(ジャンさん達がをしようとしています!...!体から追い出される!)
ジャンの背中からツイスターとスカルドが飛び出す

「アイツらが共鳴をしたらゴーランなんてイチコロよ!」
ローズは這いつくばりながらガッツポーズをとる

「死ねぇ‼️」
ゴーランは這いつくばりながら引き金を引く。銃声は王室中に響いたが弾丸はダリアに当たらなかった

「何!?」
ゴーランは銃を投げ、周りを見渡すとダリアをお姫様抱っこしている赤い長髪の男がいた

「お主は?」
「誰だお前は❗️」
ゴーランは力を振り絞り立ち上がる

「俺か?俺はジャン、ジャン・バーンだ!」
長髪の男からは凄まじい圧の魔力が放たれ、ゴーランを包み込む

「な、何だ!?その力は!欲しいぞ❗️」
ゴーランは大きく口を開けて、ジャンの魔力を吸い込み出す
「そんな事をしている場合か?後ろを見ろよ」
ジャンはダリアを降ろし、ズボンのポケットに手を突っ込む

「後ろ?後ろに何があると言うんだ...⁉️」
「ガルルルル‼️」
ゴーランの背後には4mを超える獣が威嚇するかのように立ち塞がっていた

「どうなってるんだ!?」
髪を乱したゴーランは声を荒げる
「ゴーラン、お前には俺の質問に答えてもらう」
ジャンがそう言うと獣はゴーランの手足を掴み拘束する

「質問?ふざけた事を言うな❗️」
「パンプ」
「オ"ウ"‼️」
獣のパンプはゴーランの手足の骨を砕く

「グギャァァ❗️わ、分かった!答えてやる!どんな質問だ!だからもう離してくれ!」
ゴーランは涙を流しながら言う

「離すのは無理だ、まずは最初の質問、お前はその力をいつから使えるようになった?」
ジャンは歩いてゴーランに近づく

「いつからかは覚えていない!だが最近使えるようになったばっかりだ!」
「次の質問だ、どうやってその力を手に入れた?」
ジャンは冷たい目でゴーランを睨む

「白衣の男だ!白衣の男に注射を打たれてからこの力が使えるようになった!」
ゴーランの首元には注射を後があった
「その男はどうした?」

「知らない!俺に注射を打ったらどっかに行っちまったんだよ...!?」
ジャンはゴーランの腹を殴る

「本当の事を言え❗️」
ジャンはゴーランの胸ぐらを掴む
「ハァハァ!俺に...命令をしてからどっかに行った、これは、本当だ..」
ゴーランの息は乱れる

「どんな命令だ?」
「誰でも良いから俺と同じような力を持つ者の力を成長させろ、そう言われた」

「何故この国だったんだ?」
「偶然だ、たまたまダリアを見つけたからだ」

「そうか...最後の質問だ、お前はその力を使って何人食べたんだ?」
「そ、そんなの覚えているわけがないだろ!」
パンプは全ての質問を答えたゴーランを床に叩きつける

「グボォ❗️」
血まみれになるゴーラン
「お前をこれ以上生かすわけにはいかない、此処で完全に息の根を止める」
ジャンは手は燃え出す

「ま、待て!反省する!だから待っ❗️ギャアア‼️」
ゴーランは燃え尽き、灰となり消え去る

 ジャンとパンプは元の姿に戻ると倒れる
「ジャンさん!」
白夜達はやっとの思いで立ち上がる事ができるようになる

「ごめん力を使いすぎちゃった、久しぶりにやると疲れるなこれ」
ジャンはふらつく足で立ち上がるがすぐに倒れる
「ジャン!しっかりしろよ!カッコつけるなら最後までカッコつけろよなぁ」
クラムはジャンを背負う

「パンプさん、お疲れ様です」
「やっぱお前らコンビは規格外だな」
ツイスターとスカルドはパンプに肩を貸す

「ふわぁ~!腹減ったぞ!」
パンプの腹の音が鳴る
「だらしないわねぇまったく」
ローズはやれやれと首を振る

「すまない皆の者!妾が不甲斐ないばっかりに」
ダリアは土下座をする
「姫様がそんな事をしちゃダメだよ、ダリアは良くやったよ、僕達をこうして集めたんだから」
ジャンはクラムに背負われながら言う

「そうよ、あなたはこの国の新しい女王なんだから今は国民に報告しなければいけない事があるでしょ」
白夜はダリアに手を差し伸べる

「すまぬ、恩に着る」
ダリアは白夜の手を掴み立ち上がる
「妾は国民に現状を報告しに広場の方へ行く」
「私達も行くわ!」
一同、外へ向かう


「お主らには礼を言っても言い切れぬ、是非ご馳走を食べていって欲しいのじゃ」
「ご馳走!オレ早く食べたいぞ!」
パンプはヨダレをダラダラ垂らす

 ダリアは外への扉を開く
「ハハハッ!良いぞ良いぞ、好きなだけ食べるが⁉️」
「「「「⁉️」」」」

 この瞬間、ジャン達の体に電流が流れる程の衝撃が走る。
国民達は歓声を上げる。
ダリアの胸に矢が突き刺さっていた。

「ダ、ダリア‼️」
白夜は倒れているダリアを抱える
「スフール、妾はもうダメじゃ、これも自業自得、当然の事じゃ」
ダリアは血を吐く

「喋ったらダメよ!」
「パンプ!治療を!」
ローズはパンプに命令する

「今作ってる!」
パンプは残りの力で緑の宝石を作り出そうとするが上手く作れない
「何でだよ!早く!完成しろ!」
宝石は砕ける

「良いのじゃパンプ、妾は脅されたとはいえ、国民を支配し恐怖を与えてしまった、そんな女王など国にはいらんのじゃ」
ダリアの意識が遠のいていく

「ダメよ!ダリア!生きなさい!」
白夜は必死に声をかける
「主ら...の旅..武運を祈..る」
ダリアの瞳から光が消える

「死んではいけません!」
ツイスターはダリアの胸に電気ショックを与える

 しかし、ダリアが目覚めることはなかった

「やったぞ❗️悪しき王族を倒したぞ‼️」
「「「うおおおお‼️」」」
ジャン達は呆れ返るほどの国民の歓声を浴びる

「クラム、降ろしてくれ」
「お、おう」
ジャンはふらつく足でダリアの下まで歩く

「ダリア!ダリア!ダリ..」
白夜は震えた声でダリアの名前を呼び続けるがジャンに止められる

「どうしてこうなるんだよ、僕達はただこの国を守るために戦っただけなのに」
ジャンは着ていた布をダリアの死体に掛ける

「なんで❗️何もしなかったヤツらが‼️今更‼️」
ジャンは叫ぶ、歓声が止まる

「お前ら❗️ふざけるな‼️何もせずに何も知ろうともしなかったくせに❗️遅すぎるんだよ❗️ふざけるな❗️ふざけるな❗️」
国民は黙り込む

「ジャンさん...」
白夜達はただジャンを見ていることしができなかった

「ダリアは❗️ダリアは❗️お前らみたいなヤツらを守るりたかっただけなのに❗️お前らのせいで死んだんだ❗️」
ジャンは言葉をまとめる前に口から出す

「うるさい!よそ者め!お前らも悪しき王族の仲間だな!出て行け!」
国民はジャンに石を投げ始める

「ジャンに何するんだ❗️」
パンプはフラフラとジャンの前に飛んでいく
「うわぁ!」
石はパンプにも当たる

「パンプ!」
「テメーらいい加減にしろよ!」
クラムはオオカミに変化して前に出る

「もうやめて下さい‼️」
ツイスターは涙を流しながら声を上げる

「どうして争うんですか!あなた達が狙っていた、姫様はもう死んだんですよ!何故これ以上命を奪おうとするんですか!」
「姉ちゃん...そうだ!俺達はもうこの国を出る!だからもう何もしないでくれよ!」
スカルドも声を上げる

「行きましょう皆さん」
ツイスターに連れられて皆は国を出る


 ルイベル王国付近の流域

 ジャン達は石を積み上げてダリアの墓を建てていた
「ダリアごめんなさい、こんな小さなお墓でまだ若いというのに、私達が不甲斐ないばっかりにこんな結果で終わらせてしまって」
白夜は墓に花を添え、皆で合しょうをする

「さぁ、僕らも行こうか次の目的地へ」
どんよりとした空気の中でジャンは地図を広げる
「その地図は?」
白夜は地図を覗き込む

「この世界に来た時に神様から貰ったんだ、白夜さんは貰ってないの?」
「いえ、神様?という者にも会ってはいません」
白夜は首を横に振る

「私達も神様には会っていません」
ツイスター達も首を振る

「この地図があれば次の目的地が分かるんだ、此処からだと?」
ジャンはしばらく地図を読み込む

「あっちの方だね」
ジャンは北に指を差す
「では皆さん!出発しましょう!」
ツイスターは落ち込んでいる皆を引っ張るように明るい声で言う

 どんなに辛い事があろうともジャン達の旅はまだまだ続く、ルイベル王国は名前を変え新しい王が誕生したらしいがジャン達にはもう関係ない


「ダリアちゃんは将来何をしたいのかな~?」
「妾は!父様よりもカッコよくて母様よりも美しい王女になる!」
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