僕と精霊 〜魔法と科学と宝石の輝き〜

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僕らの青春編

第59話 勝利をこの手に!

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 ジャンとモニーのハチマキの取り合いは激しさを増していく。
ふう!」
「逃がさないよ!」
2人は同時に急加速する。

 パンプとメルはジャン達の戦いを離れて見守る。
「なぁメル、どっちが勝つと思う?」
*÷=%%$絶対モニーだよ
「そうか?でもジャンも腕を上げたぞ」
☆♪+*モニー信じる、パンプはジャン信じる
「そうだな」
2人はジャン達について行く。

「ジャン君、コレが何か分かるかい?」
モニーは赤ハチマキを2本持っていた。
「考える事は同じですね」
ジャンも紫ハチマキを3本持っていた。

「おっと!」
2人が通った道からハチマキがドンドン回収されて行く。


【1-A教室付近】

「しまった!俺のハチマキが!いつの間に!」
ラートは悔しがる。
「ご主人...」

「私のハチマキも!」
ウリエラはあまりの悔しさにガブリラの肩をポカポカ叩く。
「あのスピードは生徒会長だな」
ガブリラは冷静に分析する。


【体育館】

「おい!こっちの方にはいたか?」
「いや、脱落者しかいない」
「もっと探せ!」 
紫ハチマキの3人組が体育館の真ん中で報告会をしている。

「見つけ次第、袋叩きにしてやるぜ」
3人は精霊達、合わせて6人で円陣を組んで掛け声を上げる。


【体育館 天井】

「どうしよう、グライド...」
レートは小声で話す。
「今がチャンスです、やりましょう」
グライドも小声で話す。

「無理だよ、相手は3人しかも3年生だよ」
「やらずに負けるよりだったらやって負けた方が良いです」
グライドはそう言い、真っ直ぐな目でレートを見つめる。

「よーし勝負は一瞬だよ。共鳴して一気に決める」
2人の精霊石が輝き、姿が変わる。

「行くタイミングは分かるよね」
「はい」
2人は狙いとタイミングを定め天井から降りる

「「ビッグサイクロン!!」」
2人は一斉に暴風を繰り出す。

「「「うわぁぁぁ!!!」」」
下にいた6人は暴風に飛ばされ、体を壁に打ちつけまくり倒れる。

「やった!」
「やりましたよマスター!」
レートは喜び、ハチマキの回収に行く。

「おっと待ちな!」
体育館にザックとシーフォンが入ってくる。

「げっ!さっきの!」
レートとグライドは身構える。
「ソイツら俺の獲物だったんだけどなぁ、まさか1年に取られるとは...中々見込みのある奴じゃないかお前」
「珍しいなザック、お前が人を認めるのは」
シーフォンは笑う。

「ああ、だがコイツからハチマキを取れば全部俺らの物だ」
「そう簡単に渡してたまるか」
レートがそう言うとザックは体育館から立ち去る。
「おい!何処に行くんだ!」

「何処って、次の狩場だよ」
ザックは赤ハチマキを指で回す。
「なっ!?」
レートは自分の頭を触ってみるとハチマキが無かった。
「いつの間に!」
グライドも目を疑う。

「そんじゃな!」
ザックは体育館を出る。


(皆の者!報告だ!)
龍神の声が学園内に響き渡る。
(残り人数が10人を切った、10人は最後まで全力を尽くすように!)


「なるほどね!もう10人を切ったんだね」
「ほとんど僕達が取ったんですね?」
ジャンとモニーは大量のハチマキを握っている。

2人の腕や首には大量のハチマキが掛かっていた。
「僕達もそろそろ決着を!グラウンドに行くよ!」
「はい!」

「オレらも行くぞ!」
♪♪→○おー!」


【訓練所】

「とにかくヤバいんだよ!ザックっていうヤツが!」
レートは白夜、ザル、アドロンに警告をする。

「分かりました。そのザックと言う男に気をつければ良いのですね」
「にしても、一瞬でハチマキを奪うほどのスピードか...」
ザルは考える。

「ツイスター、スカルド!俺の中に入ってろ!」
「おう」
「はい」
2人はアドロンの体に入り込む。

「ここかな?」
「ああザック、確かに此処からニオイがするぜ」
2人が訓練所までやって来る。

「全員!戦闘準備!」
ザルが声を上げると一同は共鳴をし、姿を変える
混沌の鎧・四重奏ルシルフル・カルテット!」
アドロンの体は鎧へと変貌する。

「盗賊の息吹!」
シーフォンの周りに風が吹いた。
「まず、1本」
ザックは白夜からハチマキを取る。

「はっ!」
「白夜!」

「アクアボール!!」
ザルは水の球をシーフォンに投げつける。

「ゴボボッ!」
シーフォンは水の球の中に拘束される。
「アドロン!」
「ああ、アイアンショック!!」
アドロンは電気纏った鉄球を水の球に放つ。

「ガガガガガ!!」
シーフォンの濡れた全身に電撃が走る。

「お前ら、俺を忘れてないか?」
ザックはザルとアドロンのハチマキを奪っていた。

「プハッー!死ぬかと思ったぜ」
解放されたシーフォンは体を伸ばす。

「しまった!」
アドロンは膝をつく。
(ドンマイだ)
(仕方ありません、相手の方が一枚上手でした)
(お兄ちゃんあんまり気を落とさないで、ほら!)
ロアは何かに気づく。

「お前こそ、俺のパートナーを忘れてないか?」
ザルとメイデンはザックの背後に立っていた。

「イリュージョンホーン」
ザックの持っていたザルのハチマキの幻は光になって消える。

 ザルとザックは同時にお互いのハチマキを奪い取る。
「引き分けか...俺らは脱落だ。楽しかった、じゃあな」
ザックは訓練所から立ち去る。

「クッソー!引き分けか!」
ザルはその場で地団駄を踏む。
「落ち着いて下さいザル様、引き分けなだけ運が良い方です」
メイデンはザルをなだめる。

「そうだぜ、俺らから一瞬でハチマキを取った相手を引き分けに持ち込んだんだMVP物だろ」
アドロンは肩を回しながら言う。

 運動場の方から大きな音が聞こえてきた。
「何でしょうか?脱落してしまった事ですし、音がする方へ行ってみましょうか」
白夜はローズを抱えて運動場の方へ歩く。

「俺らも行くか..」
「そうだな」
ザル達は白夜について行く。


【運動場】

 全生徒と職員がジャンとモニーのハチマキの取り合いを観戦している。

「怪我人はすぐに報告を!」
ケンザキは大きな声で生徒達に呼びかける。

 剣を構えるモニーと共鳴したジャンとパンプがぶつかり合う。
「まさか、ここまで腕を上げているとはね!」
モニーはジャン達の攻撃を剣で受け流す。

りん!!」
パンプはモニーの足下に緑の宝石を飛ばす。地面から生えてきたツタがモニーの足を拘束する。

「ありゃ、こうなったら」
モニーが剣の持ち手の穴に息を吹き込むと寒気のする金切り音が鳴り響く。

「グググッ!」
ジャン、パンプ、周りにいた人や精霊の体が痺れ出す。

「グガァァァァァ!!!!」
パンプは雄叫びを上げ、モニーの出す音を掻き消す。

「サンキューパンプ!」
「ジャン!思い切りやってくれ!!」
「ああ!こっから先は俺すらどうなるか分からねぇがな!」
ジャンはパンプの影に隠れる。

ふう!!」
一気に飛び出したジャンは目にも止まらぬ加速を始める。

りん!!」
更に大量のジャンの分身が運動場を駆け回る。
「幻?いや、本体は!」
モニーは耳を澄ませ、本物のジャンを探す。

「そこだ!」
モニーは本物のジャンに向かって音弾を飛ばす。

 今の俺に必要なのはパワーなんかじゃない!モニー先輩を出し抜く圧倒的なスピードだ!
じん!!」
更に加速するジャンの残像が現れる。

「分身に残像、なんてスピードなんだ!?」
モニーは剣を地面に刺し、振動させると弦楽器のような音が鳴り響き、モニーの周りに壁が発生する。

 モニーの正面以外を音の壁が覆い尽くす。
「僕達の奥の手、どんなに速くてもこうすれば良いんだよ」
モニーは剣を地面に刺したまま構えを取る。

(>○^〒÷%《こっちも全開》)
「次にジャン君が来た瞬間、決着がつく」

 ならお望み通りもっとスピードを上げるぜ!
!!」
更なる加速によってジャンが通った道に電流が流れる。

「ジャン!やれぇー!」
パンプは叫ぶ。

「「勝つのは!!」」
「僕だ!!!」「俺だ!!!」
次の瞬間、激しく砂煙を上げながら音の壁が崩れ去った。

「勝ったのはどっちだ!」
周りの生徒達は目を凝らして勝負の行方を見届けた。

「ジャンだ!」
ジャンはモニーのハチマキを掴んでいた。
「いや!生徒会長だ!」
モニーもジャンのハチマキを持っていた。

「あれ?引き分けか」
「マジかよ、全力出したんだぜ」
2人はその場で尻餅を付いて笑う。

(皆の者!!決着がついた!優勝したクラスは...)
周りがザワザワし始める。

(1-Aだ!)
周りはざわめく。

「どう言う事だ!どう見ても引き分けだろ!」
「審査をやり直せ!」
龍神へのブーイングの声が上がる。

「コラー!無礼だぞ!」
教員達が生徒を黙らせる。

(最後まで聞くのだ、1-Aの者にまだ脱落してないものがおるのだ!)
再びグラウンドはざわめく。

(それは...)
「お、おいザル、まだ脱落してないのって...」
「あっ!そういえば...」

(リベラ!!)
龍神の声は学園内に響いた。

「「「「リベラ!?」」」」
「そ、そういえば体育祭が始まってから見てませんね」
まさかの生存者にザル達は驚愕する。

(リベラ!すぐに来るのだ!)
龍神の呼び声にリベラは反応しない。
(そこか!ええい!起きんか!)
龍神は寝ていたリベラを学園内から探し出して、皆の前に転送する。

「ふわぁ~アレ?ここ何処ですか?」
赤いハチマキをしたリベラはあくびをしながら皆の前に現れる。

「リベラさん...」
ウリエラはリベラの元へ行き、耳元で事情を話す。

「ええ!?リベラが最後まで生き残ったんですか!?」
「たくっ、今まで何処にいたんだよ?」
リベラの反応に呆れたアドロンは尋ねる。

「えーと、お花さんのお世話をしてたら、すっごくのお日様が気持ち良くて....寝ちゃいました!」
リベラの発言に一同は呆れたが笑ってしまう。

「こりゃ負けたわ」
ザックも笑う。
「で、では表彰式を」
学園長も少し驚いていたが気を取り直して表彰式が始まった。


 こうして、僕らの唯一他クラスや他学年と交流がある競技は寝ていたリベラのおかげで1-Aが優勝という平和的な終わり方をした。




 次回、最終回
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