115 / 131
僕らの青春編
第52話 嗚呼、期末テスト
しおりを挟む
式典から数日後、学園は再開をした。ジャンにとっては約2ヶ月ぶりの登校だ。
この日は精霊と一緒に座学を受けていた。
パンプはジャンの横でノートに落書きをしている。
「パンプ、ちゃんと授業を受けなきゃ駄目だよ」
ジャンは小声で言う。
「大丈夫!全部分かるから」
勢いよくチョークが飛んできてパンプのおでこに当たる。
「イッテー!」
「パンプ君、元気なのは良い事ですが授業中に大声は出さないでください」
ウィリムはパンプに投げたチョークを手元まで引き寄せる。
「うぅ~ごめんなさい」
「だから言ったろ」
パンプはみんなに笑われる。
「えー、そろそろ夏休みも近くなってきましたね」
ケンザキが話を変えると教室が盛り上がった。
「なぁジャン、夏休みってなんだ?」
「夏休みはね、夏に1ヶ月ぐらい学園が休みになるんだよ」
ジャンの説明を聞くとパンプは叫んだ。
「嫌だ!またみんなと会えなくなると寂しいぞ!」
パンプのそう叫ぶとまたみんなに笑われた。
「大丈夫だよ、休みの間はみんなと遊んだり出来るから」
「おお!そうなのか!」
「まだ安心できませんよ」
ウィリムは安心するパンプに向けて忠告する。
「あなた方には夏休みに入る前に期末テストを受けてもらいます」
テストという言葉に教室はざわつく。
「もちろんテストで赤点を取ったら夏休みは無しですよ、テストは1週間後です、しっかり勉強するように、では授業を終わります」
ウィリムは笑顔でそう言い、ケンザキと教室を出る。
「なぁジャン、ジャン」
パンプはジャンに声をかけたが返事がない。
「なぁ白夜、ジャンがキマツテストって言葉を聞いたらおかしくなったぞ。キマツテストってなんなんだ?」
パンプは白夜の制服の袖を引っ張る。
「テストというのは今まで勉強してきたことを活かして問題を解いていく物です」
白夜は説明をする。
「何でジャンはおかしくなったんだ?」
「さ、さぁ?ジャンさん?」
白夜は心配になってジャンの肩に手を当てる。
「テスト!..白夜さん!ど、どうしたの?」
ジャンはおどおどしている。
「ジャンさんどうしたんですか?体震えてますよ」
白夜は本気で心配する。
「僕、2ヶ月ぐらい学園に来てなかったんだよ。テストなんて赤点取っちゃうよ」
「大丈夫ですよ。パンプさんがノートをまとめてくれていますし、分からないことがあったら私に聞いて下さい、それでもしダメだったら私も一緒に行きますよ」
白夜はジャンを励ます。
「違うんだよ。赤点以前に点数が低かったら母さんに怒られるんだよ」
ジャンの言葉を聞き、パンプは背筋をピンとする。
「アミィは怒ると怖いからな」
2人は体を震えさせる。
「バカね」
ローズは鼻で笑う。
そして、ジャンは1週間、パンプと時々、白夜とザルと一緒に猛勉強をした。しかし、ジャンが休んでいた分の内容は多く、とても短期間で頭に入る量では無かった。
【テスト当日】
「ほらジャン行くぞ!」
パンプはジャンの手を引く。
「テスト頑張るのよ!」
アミィは2人を見送る。
「ジャンさんにパンプさん、おはようござい..!」
白夜は目を疑った、ジャンの目の下には大きな隈ができていた。
「ジャンさん大丈夫なんですか!」
「あはは白夜さん、僕は大丈夫だよ、それにしても今日も綺麗だね、ははは!」
ジャンは弱々しい声で言う。
「あ、あらありがとうございます」
「バカップル...」
ローズは呆れた目で2人を見る。
「遅刻する!早く行こうぜ!」
パンプはジャンを引きずりながら学園へ向かう。
朝のホームルームが終わり、教室に真剣な空気が流れ始める。
しばらくして机の上に問題用紙と解答用紙が配られた。
「始め!」
皆は一斉に解答を始める。
内容は簡単な計算や魔法の専門用語や応用などなど授業で学んできたことだ。
【放課後】
ジャンは真っ白に燃え尽き、机にぐでーっともたれていた。
「ジャン!どうだった!」
パンプは急いで教室に入って来た。
「終わった...」
「ジャン!しっかりしろ!」
震えた声を漏らすジャンの背中をパンプはさする。
「大丈夫ですよ、筆記がダメだったとしても平常点がまだありますから!」
白夜もジャンの背中をさする。
「そうよ!そんな大袈裟に落ち込まなくても」
流石にローズも同情をする。
【そして2日後】
運命のテスト返却日、総合点と担任のコメントが書かれた紙が配られた。なんとかギリギリでジャンは赤点を逃すことができた。
【バーン家】
「ただいま...」
ジャンはこっそり家に入るとセバスが迎えにきた。
「アミィ様!ジャン様とパンプさんがお帰りになりました!」
「げっ..セバス」
居間からアミィがやって来た。
「おかえりなさい2人とも、テストの結果どうだったの?」
アミィは待ってましたと言わんばかりの表情で2人を待ち構えていた。
「これ..」
「はい!」
2人は紙をアミィに渡す。
アミィはその場で紙をまじまじと見る。
「おお!2人とも良くやったわね」
「え?」
ジャンは母の意外な反応に驚く。
「怒らないの?」
「だってあなた、ほとんど学園に行けてなかったじゃないの、次頑張れば良いわ」
アミィはジャンの頭を撫でる。
「アミィ!オレは!」
「テストはあら凄い!満点ね!んーっと...あらら、パンプちゃんは素行を注意されているわね。良い子にしてなきゃダメじゃないの、今日のお菓子は無しね」
「そんなぁー!」
パンプは涙を流す。
「でも大きい卵焼き作ってあげちゃう」
「本当か!ジャン!やったぞ!」
「う、うん、そうだね。良かった...」
とりあえず僕らの夏休みは無事確定した。
この日は精霊と一緒に座学を受けていた。
パンプはジャンの横でノートに落書きをしている。
「パンプ、ちゃんと授業を受けなきゃ駄目だよ」
ジャンは小声で言う。
「大丈夫!全部分かるから」
勢いよくチョークが飛んできてパンプのおでこに当たる。
「イッテー!」
「パンプ君、元気なのは良い事ですが授業中に大声は出さないでください」
ウィリムはパンプに投げたチョークを手元まで引き寄せる。
「うぅ~ごめんなさい」
「だから言ったろ」
パンプはみんなに笑われる。
「えー、そろそろ夏休みも近くなってきましたね」
ケンザキが話を変えると教室が盛り上がった。
「なぁジャン、夏休みってなんだ?」
「夏休みはね、夏に1ヶ月ぐらい学園が休みになるんだよ」
ジャンの説明を聞くとパンプは叫んだ。
「嫌だ!またみんなと会えなくなると寂しいぞ!」
パンプのそう叫ぶとまたみんなに笑われた。
「大丈夫だよ、休みの間はみんなと遊んだり出来るから」
「おお!そうなのか!」
「まだ安心できませんよ」
ウィリムは安心するパンプに向けて忠告する。
「あなた方には夏休みに入る前に期末テストを受けてもらいます」
テストという言葉に教室はざわつく。
「もちろんテストで赤点を取ったら夏休みは無しですよ、テストは1週間後です、しっかり勉強するように、では授業を終わります」
ウィリムは笑顔でそう言い、ケンザキと教室を出る。
「なぁジャン、ジャン」
パンプはジャンに声をかけたが返事がない。
「なぁ白夜、ジャンがキマツテストって言葉を聞いたらおかしくなったぞ。キマツテストってなんなんだ?」
パンプは白夜の制服の袖を引っ張る。
「テストというのは今まで勉強してきたことを活かして問題を解いていく物です」
白夜は説明をする。
「何でジャンはおかしくなったんだ?」
「さ、さぁ?ジャンさん?」
白夜は心配になってジャンの肩に手を当てる。
「テスト!..白夜さん!ど、どうしたの?」
ジャンはおどおどしている。
「ジャンさんどうしたんですか?体震えてますよ」
白夜は本気で心配する。
「僕、2ヶ月ぐらい学園に来てなかったんだよ。テストなんて赤点取っちゃうよ」
「大丈夫ですよ。パンプさんがノートをまとめてくれていますし、分からないことがあったら私に聞いて下さい、それでもしダメだったら私も一緒に行きますよ」
白夜はジャンを励ます。
「違うんだよ。赤点以前に点数が低かったら母さんに怒られるんだよ」
ジャンの言葉を聞き、パンプは背筋をピンとする。
「アミィは怒ると怖いからな」
2人は体を震えさせる。
「バカね」
ローズは鼻で笑う。
そして、ジャンは1週間、パンプと時々、白夜とザルと一緒に猛勉強をした。しかし、ジャンが休んでいた分の内容は多く、とても短期間で頭に入る量では無かった。
【テスト当日】
「ほらジャン行くぞ!」
パンプはジャンの手を引く。
「テスト頑張るのよ!」
アミィは2人を見送る。
「ジャンさんにパンプさん、おはようござい..!」
白夜は目を疑った、ジャンの目の下には大きな隈ができていた。
「ジャンさん大丈夫なんですか!」
「あはは白夜さん、僕は大丈夫だよ、それにしても今日も綺麗だね、ははは!」
ジャンは弱々しい声で言う。
「あ、あらありがとうございます」
「バカップル...」
ローズは呆れた目で2人を見る。
「遅刻する!早く行こうぜ!」
パンプはジャンを引きずりながら学園へ向かう。
朝のホームルームが終わり、教室に真剣な空気が流れ始める。
しばらくして机の上に問題用紙と解答用紙が配られた。
「始め!」
皆は一斉に解答を始める。
内容は簡単な計算や魔法の専門用語や応用などなど授業で学んできたことだ。
【放課後】
ジャンは真っ白に燃え尽き、机にぐでーっともたれていた。
「ジャン!どうだった!」
パンプは急いで教室に入って来た。
「終わった...」
「ジャン!しっかりしろ!」
震えた声を漏らすジャンの背中をパンプはさする。
「大丈夫ですよ、筆記がダメだったとしても平常点がまだありますから!」
白夜もジャンの背中をさする。
「そうよ!そんな大袈裟に落ち込まなくても」
流石にローズも同情をする。
【そして2日後】
運命のテスト返却日、総合点と担任のコメントが書かれた紙が配られた。なんとかギリギリでジャンは赤点を逃すことができた。
【バーン家】
「ただいま...」
ジャンはこっそり家に入るとセバスが迎えにきた。
「アミィ様!ジャン様とパンプさんがお帰りになりました!」
「げっ..セバス」
居間からアミィがやって来た。
「おかえりなさい2人とも、テストの結果どうだったの?」
アミィは待ってましたと言わんばかりの表情で2人を待ち構えていた。
「これ..」
「はい!」
2人は紙をアミィに渡す。
アミィはその場で紙をまじまじと見る。
「おお!2人とも良くやったわね」
「え?」
ジャンは母の意外な反応に驚く。
「怒らないの?」
「だってあなた、ほとんど学園に行けてなかったじゃないの、次頑張れば良いわ」
アミィはジャンの頭を撫でる。
「アミィ!オレは!」
「テストはあら凄い!満点ね!んーっと...あらら、パンプちゃんは素行を注意されているわね。良い子にしてなきゃダメじゃないの、今日のお菓子は無しね」
「そんなぁー!」
パンプは涙を流す。
「でも大きい卵焼き作ってあげちゃう」
「本当か!ジャン!やったぞ!」
「う、うん、そうだね。良かった...」
とりあえず僕らの夏休みは無事確定した。
9
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
軍艦少女は死に至る夢を見る~戦時下の大日本帝国から始まる艦船擬人化物語~
takahiro
キャラ文芸
『船魄』(せんぱく)とは、軍艦を自らの意のままに操る少女達である。船魄によって操られる艦艇、艦載機の能力は人間のそれを圧倒し、彼女達の前に人間は殲滅されるだけの存在なのだ。1944年10月に覚醒した最初の船魄、翔鶴型空母二番艦『瑞鶴』は、日本本土進攻を企てるアメリカ海軍と激闘を繰り広げ、ついに勝利を掴んだ。
しかし戦後、瑞鶴は帝国海軍を脱走し行方をくらませた。1955年、アメリカのキューバ侵攻に端を発する日米の軍事衝突の最中、瑞鶴は再び姿を現わし、帝国海軍と交戦状態に入った。瑞鶴の目的はともかくとして、船魄達を解放する戦いが始まったのである。瑞鶴が解放した重巡『妙高』『高雄』、いつの間にかいる空母『グラーフ・ツェッペリン』は『月虹』を名乗って、国家に属さない軍事力として活動を始める。だが、瑞鶴は大義やら何やらには興味がないので、利用できるものは何でも利用する。カリブ海の覇権を狙う日本・ドイツ・ソ連・アメリカの間をのらりくらりと行き交いながら、月虹は生存の道を探っていく。
登場する艦艇はなんと59隻!(人間のキャラは他に多数)(まだまだ増える)。人類に反旗を翻した軍艦達による、異色の艦船擬人化物語が、ここに始まる。
――――――――――
●本作のメインテーマは、あくまで(途中まで)史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。
●なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。もちろんがっつり性描写はないですが、GL要素大いにありです。
●全ての船魄に挿絵ありですが、AI加筆なので雰囲気程度にお楽しみください。
●少女たちの愛憎と謀略が絡まり合う、新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください。
●お気に入りや感想などよろしくお願いします。毎日一話投稿します。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる