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英雄誕生伝編
第50話 150年前にさようなら
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ケンザキは完全に消えた。150年前の世界は平和になったとは言えないがとりあえずは安心だ。
「ジャン様...本当に行っちゃうの?」
「うん、僕らも元の時代に帰らなきゃいけないからね」
ジャンはゼノの頭を撫でる。
「ジャン、そろそろ穴が閉じる急ぐぞ」
ユウスケとパンプがジャンを呼びに来た。
「うん、分かった!パンプちょっとお願い」
「何だ?」
ジャンはパンプの耳元にコソコソ話す。
「良いぞ!」
ジャンに言われた通りにパンプは真っ赤で綺麗な宝石を作りだす。
「ゼノ、コレやるよ!」
ジャンは宝石をゼノに手渡す。
「石?キラキラしてる」
「うん、僕らの思い出として持ってて」
「思い出...分かった!ありがとう、僕この石大切にする!」
ゼノは宝石を握りしめて涙を堪えながらも精一杯の笑顔を見せる。
「さぁ、行こう」
ジャンとパンプはユウスケの作った小型飛行機に乗る。
「ゼノは我に任せてくれ」
竜ノ神はジャンに宣言する。
「しっかり支え合うんだぞ」
「寂しくなるな」
ノックは奥さんと一緒に手を振る。
「ノックさん、家族は大切にして下さいね!」
「弟子よ、日々の精進を忘れるなよ」
クランクは右手をジャンに向ける。
「クランクさんもありがとう!風林火山、もっと磨いていくよ!」
「里の者達の代表として私からお礼を言わせて下さい、この里を守っていただいた英雄様方」
里長は深々とお辞儀をする。
「こちらこそ1ヶ月間ありがとうございました」
ジャンもお辞儀をする。
「さぁ発進だ!」
飛行機は動き出し穴に向かって飛び立つ。
徐々に小さくなる飛行機に向かってゼノは走りだす。
「ジャン様!僕!絶対に!頼れる里長になるよ!」
ゼノは泣きながらも手を振り続ける。
ジャンも少し涙を堪えながら何も言わずにただ手を振った。
「ジャン、しっかり掴まってろよ!突っ込むぞ!」
飛行機は穴と一緒に消える。
少し耐えたが泣き崩れてしまったゼノに里長が寄り添う。
「行ってしまいましたね...」
「うん...僕も頑張んなきゃ...」
「そうですね」
「そういえば聖剣回収する忘れた..」
「あらら」
ゼノは里長の背負ってもらい聖剣を拾いに向かった。
【現代 龍神町】
穴の中からユウスケの飛行機が飛び出した。
「来たか、待っていたぞ」
「龍神様!」
龍神はジャン達を出迎え、穴から離れる。
町はまだ魔獣の襲撃で大パニックのようだ。
「パンプ!いくよ!」
「おう!」
ジャンとパンプは飛行機の扉を開いて飛び降りる。
「お、おい!ジャン!パンプ!行っちまったか...」
ユウスケは慌てながらも冷静に扉を閉めた。
「心配する事はない」
龍神は落ち着いた声で話す。
「龍神様が言うのであれば」
ユウスケは飛行機のスピードを少しずつ下げていき、着陸する。
「僕はあっち!パンプはこっちに行って!」
ジャンは落ちながらパンプに指示する。
「うん!」
2人は共鳴をし、ジャンは炎にパンプは宝石の鳥になって別々の方向に飛ぶ。
【動物園】
ザルとメイデンは魔獣から動物を守っていた。
「どんだけいんだよ!もう100匹以上は倒したよな!」
ザルは走りながら魔獣を斬り捨てていく。
「キリがありませんね」
メイデンは角で魔獣を貫いていく。
「パオォォン!!」
巨大な像の魔獣が地中から大地を割って現れる。
「な、何だコイツ!?」
ザルは魔獣の大きさに驚く。
「オラァァァ!!」
空から落ちてきたパンプが像の魔獣を殴り潰す。
「おーい!大丈夫か、ザル?」
パンプが魔獣の死骸から顔を出す。
「パンプ!て事はジャンは帰ってきたのか!」
ザルはパンプの方へ走る。
「パンプ、お前一撃であの魔獣を...」
メイデンは度肝を抜かす。
「ここは..んぐ..終わりか?」
パンプは魔獣の肉を少し食べながら周囲を見渡す。
「そんな得体の知れない物を食べるな」
メイデンは呆れる。
【公園付近】
白夜とローズは避難し遅れた人達を誘導していた,
「うわっ!」
男の子はつまずいて転ぶ。
「ほら立って」
ローズが手を差し伸べる。
「ありがとう精霊さん」
男の子はローズに手を引かれながら走る。
「うわぁ!デカいのがいるぞ!」
男性の先には虎の魔獣が待ち構えるよう座っていた。
「皆さん!こちらへ!」
白夜は人を後ろの方へを誘導し、魔獣の前に立つ
「今の私とローズでどうにかできるかしら...」
「やるしかないわよ」
白夜は汗を流し、大鎌を構える。
「グルァァ!!」
魔獣は鋭い牙を立てながら白夜に飛びかかる。
「白夜!危ない!」
「はぁぁ!」
白夜は怯む事なく鎌を振り下ろす。
「フルブラスト!!」
突然、魔獣は真上から降ってきた熱線に貫かれ倒れる。
「へ...?」
驚いた白夜はその場で腰を抜かした
「大丈夫か白夜さん?」
白夜の前にはジャンが立っていた。
「ジャン...さん?」
白夜は戸惑う。
「今戻った、事情は後で話す」
ジャンは白夜の手を掴み立たせる。
「本当にジャンさんなのですか?」
「もちろん」
そう答えた瞬間、白夜はジャンに抱きついた。
「良かった!ちゃんと帰ってきてくれたんですね!」
白夜の抱きしめる力は強くなっていく。
「約束しただろ、絶対帰ってくるって」
ジャンは白夜の背中を撫でる。
「あ、あの2人とも、良い感じな所申し訳ないんだけど」
ローズが後ろから気まずそうにやって来る。
「どうしたのローズ?」
「みんなに見られてるわよ」
ローズの背後には避難中の人達が笑いながらジャン達を見ていた。
「あ!」
咄嗟に白夜はジャンから離れた。
「あのこれは...さぁ!避難しましょう!」
白夜は顔を真っ赤にしながら指示をする。
ジャン達が帰還した後もしばらく魔獣の襲撃は続いたが犠牲者を出すことなく町に平穏が戻った。しかし、壊れた建物の損壊箇所が多くしばらくは学園も休みになった。
町の雰囲気は暗くなってしまったがバーン家は違った。何故ならジャンとユウスケが帰って来たからである。
「久しぶりね、こうやって家族揃ってテーブルを囲むのは」
アミィは嬉しそうにテーブルに夕飯を並べる。
「父さんが生きていたなんて知った時は本当に驚いた」
ジャンはユウスケの向かい側の席に座って言う。
「俺も最初は死んだと思ったぜ」
ユウスケは笑いながら言う。
「なぁ、ジャンの魔銃を作ったって本当なのか!」
パンプはユウスケの周りをプカプカ浮きながら聞く。
「ああそうだ、アレは俺の作品の中でも最高傑作だからな」
ユウスケは自慢する。
「流石、元科学軍だな」
サラはアミィの手伝いをしながら話に参加する
「そういえばサラ伯母...」
「オバ?」
サラはジャンを睨みつける。
「サラ姉はいつから家にいたの?」
「1週間ぐらい前かな?」
サラは少し考えてから答える。
「師匠はオレのことを鍛えてくれたんだぞ!」
「げっ..やっぱり..そういう事ね」
パンプはサラに近づく。
「どうだった私が鍛えたパンプちゃんは?」
サラはパンプを撫でまくる。
「ビックリしたよ、見違える程に強くなってたからね」
ジャンの言葉を聞き、パンプはガッツポーズを取る。
「それにオレの新しい技、風林火山も凄かっだろ!」
パンプは4つの小さな宝石を並べる。
「へぇー偶然だね、僕も風林火山って技を教えてもらったよ」
ジャンがそう言うとセバスは驚く。
「誰から教わったんですか!アレを今使える人間はサラ様だけですよ!」
セバスはジャンの肩を掴む。
「失礼ね私も使えるわよ」
「はっ!アミィのは威力がダンチの別物だけどね。で?誰なんだよ」
「150年前のクランクさんって人から」
「クランク...クランク..どこかで聞いた事があるわね~」
アミィは夕飯をテーブルに並べながら考える。
「アミィあの人だよ、ノックお爺ちゃんの兄の狂戦士って言われてた人じゃなかったっけ?」
「ああ、そうだ思い出したわ。よくお爺ちゃんが話してたわね。戦争で亡くなったって」
ジャンはちょっと寂しそうな顔をするがふと気づく。
「ノックお爺ちゃん?150年前...ノックさんってもしかして...」
ジャンはアミィに聞く。
「あなたの曽お爺ちゃんよ」
アミィは笑いながら答える。
「そうなの!?」
驚くジャンの横でパンプは卵焼きをつまみ食いする。
「あなたが産まれた時にね。急いで病院まで来て、ジャンって名前を付けたのよ」
「そんな事あったな、懐かしいな」
アミィとユウスケは笑う。
「その次の日に亡くなったんだっけ?ノックお爺ちゃん、ずっと男の子が産まれたらジャンって名前を付けるって言ってたからね」
サラは昔の事を思い出しながら話す。
「そうそう、昔からノックお爺ちゃんはその話をしてたわよね。ジャンは里を救った英雄の名前だって」
「そうなんだ、ノックさんずっと生きてたんだ」
ジャンはまた寂しそうな顔をした。
「とりあえず食べましょうか」
アミィに続いて皆で手を合わせる。
「「「「「「いただきます!」」」」」」
【数時間後】
ジャン達は寝る準備をしていた。
「いやぁ本当に久しぶりだなぁ、やっぱ家のベッドが1番だ!」
ジャンはベッドに飛び込む。
「わーい!」
パンプはジャンのお腹に飛び込む。
「ハハハハッ!」
2人は笑っているうちに疲れて眠ってしまった。
【アミィとユウスケの部屋】
2人はベッドに寝そべっている。
「本当に良かったわ、ユウスケさん」
アミィはユウスケに抱きつく。
「悪かったな、俺もさっさと帰ろうとしたんだが時間がかかっちまって」
ユウスケはアミィの頭を撫でる。
「ユウスケさんがいなくなってから、セバスさんにジャンにパンプちゃん、みんなでこの家を支えてきたけどやっぱり寂しかったわ」
「ああ、すまないでも良かったこれからは俺も支えるぞ」
「ユウスケさん...」
2人の長い夜はまだまだ続く。
【居間】
「セバース!ほら飲め!」
サラはセバスの口にビール瓶を突っ込む。
「ヘヘヘヘッ!シャラ様酔っ払いしゅぎですよ~!」
「なにょー!あたしゃ酔っ払ってなんかないやー!酔っ払ってんのはシェバスだー!」
「「アハハハハッ!...zzzZ」」
酔っ払った2人はそのまま眠りについた。
「ジャン様...本当に行っちゃうの?」
「うん、僕らも元の時代に帰らなきゃいけないからね」
ジャンはゼノの頭を撫でる。
「ジャン、そろそろ穴が閉じる急ぐぞ」
ユウスケとパンプがジャンを呼びに来た。
「うん、分かった!パンプちょっとお願い」
「何だ?」
ジャンはパンプの耳元にコソコソ話す。
「良いぞ!」
ジャンに言われた通りにパンプは真っ赤で綺麗な宝石を作りだす。
「ゼノ、コレやるよ!」
ジャンは宝石をゼノに手渡す。
「石?キラキラしてる」
「うん、僕らの思い出として持ってて」
「思い出...分かった!ありがとう、僕この石大切にする!」
ゼノは宝石を握りしめて涙を堪えながらも精一杯の笑顔を見せる。
「さぁ、行こう」
ジャンとパンプはユウスケの作った小型飛行機に乗る。
「ゼノは我に任せてくれ」
竜ノ神はジャンに宣言する。
「しっかり支え合うんだぞ」
「寂しくなるな」
ノックは奥さんと一緒に手を振る。
「ノックさん、家族は大切にして下さいね!」
「弟子よ、日々の精進を忘れるなよ」
クランクは右手をジャンに向ける。
「クランクさんもありがとう!風林火山、もっと磨いていくよ!」
「里の者達の代表として私からお礼を言わせて下さい、この里を守っていただいた英雄様方」
里長は深々とお辞儀をする。
「こちらこそ1ヶ月間ありがとうございました」
ジャンもお辞儀をする。
「さぁ発進だ!」
飛行機は動き出し穴に向かって飛び立つ。
徐々に小さくなる飛行機に向かってゼノは走りだす。
「ジャン様!僕!絶対に!頼れる里長になるよ!」
ゼノは泣きながらも手を振り続ける。
ジャンも少し涙を堪えながら何も言わずにただ手を振った。
「ジャン、しっかり掴まってろよ!突っ込むぞ!」
飛行機は穴と一緒に消える。
少し耐えたが泣き崩れてしまったゼノに里長が寄り添う。
「行ってしまいましたね...」
「うん...僕も頑張んなきゃ...」
「そうですね」
「そういえば聖剣回収する忘れた..」
「あらら」
ゼノは里長の背負ってもらい聖剣を拾いに向かった。
【現代 龍神町】
穴の中からユウスケの飛行機が飛び出した。
「来たか、待っていたぞ」
「龍神様!」
龍神はジャン達を出迎え、穴から離れる。
町はまだ魔獣の襲撃で大パニックのようだ。
「パンプ!いくよ!」
「おう!」
ジャンとパンプは飛行機の扉を開いて飛び降りる。
「お、おい!ジャン!パンプ!行っちまったか...」
ユウスケは慌てながらも冷静に扉を閉めた。
「心配する事はない」
龍神は落ち着いた声で話す。
「龍神様が言うのであれば」
ユウスケは飛行機のスピードを少しずつ下げていき、着陸する。
「僕はあっち!パンプはこっちに行って!」
ジャンは落ちながらパンプに指示する。
「うん!」
2人は共鳴をし、ジャンは炎にパンプは宝石の鳥になって別々の方向に飛ぶ。
【動物園】
ザルとメイデンは魔獣から動物を守っていた。
「どんだけいんだよ!もう100匹以上は倒したよな!」
ザルは走りながら魔獣を斬り捨てていく。
「キリがありませんね」
メイデンは角で魔獣を貫いていく。
「パオォォン!!」
巨大な像の魔獣が地中から大地を割って現れる。
「な、何だコイツ!?」
ザルは魔獣の大きさに驚く。
「オラァァァ!!」
空から落ちてきたパンプが像の魔獣を殴り潰す。
「おーい!大丈夫か、ザル?」
パンプが魔獣の死骸から顔を出す。
「パンプ!て事はジャンは帰ってきたのか!」
ザルはパンプの方へ走る。
「パンプ、お前一撃であの魔獣を...」
メイデンは度肝を抜かす。
「ここは..んぐ..終わりか?」
パンプは魔獣の肉を少し食べながら周囲を見渡す。
「そんな得体の知れない物を食べるな」
メイデンは呆れる。
【公園付近】
白夜とローズは避難し遅れた人達を誘導していた,
「うわっ!」
男の子はつまずいて転ぶ。
「ほら立って」
ローズが手を差し伸べる。
「ありがとう精霊さん」
男の子はローズに手を引かれながら走る。
「うわぁ!デカいのがいるぞ!」
男性の先には虎の魔獣が待ち構えるよう座っていた。
「皆さん!こちらへ!」
白夜は人を後ろの方へを誘導し、魔獣の前に立つ
「今の私とローズでどうにかできるかしら...」
「やるしかないわよ」
白夜は汗を流し、大鎌を構える。
「グルァァ!!」
魔獣は鋭い牙を立てながら白夜に飛びかかる。
「白夜!危ない!」
「はぁぁ!」
白夜は怯む事なく鎌を振り下ろす。
「フルブラスト!!」
突然、魔獣は真上から降ってきた熱線に貫かれ倒れる。
「へ...?」
驚いた白夜はその場で腰を抜かした
「大丈夫か白夜さん?」
白夜の前にはジャンが立っていた。
「ジャン...さん?」
白夜は戸惑う。
「今戻った、事情は後で話す」
ジャンは白夜の手を掴み立たせる。
「本当にジャンさんなのですか?」
「もちろん」
そう答えた瞬間、白夜はジャンに抱きついた。
「良かった!ちゃんと帰ってきてくれたんですね!」
白夜の抱きしめる力は強くなっていく。
「約束しただろ、絶対帰ってくるって」
ジャンは白夜の背中を撫でる。
「あ、あの2人とも、良い感じな所申し訳ないんだけど」
ローズが後ろから気まずそうにやって来る。
「どうしたのローズ?」
「みんなに見られてるわよ」
ローズの背後には避難中の人達が笑いながらジャン達を見ていた。
「あ!」
咄嗟に白夜はジャンから離れた。
「あのこれは...さぁ!避難しましょう!」
白夜は顔を真っ赤にしながら指示をする。
ジャン達が帰還した後もしばらく魔獣の襲撃は続いたが犠牲者を出すことなく町に平穏が戻った。しかし、壊れた建物の損壊箇所が多くしばらくは学園も休みになった。
町の雰囲気は暗くなってしまったがバーン家は違った。何故ならジャンとユウスケが帰って来たからである。
「久しぶりね、こうやって家族揃ってテーブルを囲むのは」
アミィは嬉しそうにテーブルに夕飯を並べる。
「父さんが生きていたなんて知った時は本当に驚いた」
ジャンはユウスケの向かい側の席に座って言う。
「俺も最初は死んだと思ったぜ」
ユウスケは笑いながら言う。
「なぁ、ジャンの魔銃を作ったって本当なのか!」
パンプはユウスケの周りをプカプカ浮きながら聞く。
「ああそうだ、アレは俺の作品の中でも最高傑作だからな」
ユウスケは自慢する。
「流石、元科学軍だな」
サラはアミィの手伝いをしながら話に参加する
「そういえばサラ伯母...」
「オバ?」
サラはジャンを睨みつける。
「サラ姉はいつから家にいたの?」
「1週間ぐらい前かな?」
サラは少し考えてから答える。
「師匠はオレのことを鍛えてくれたんだぞ!」
「げっ..やっぱり..そういう事ね」
パンプはサラに近づく。
「どうだった私が鍛えたパンプちゃんは?」
サラはパンプを撫でまくる。
「ビックリしたよ、見違える程に強くなってたからね」
ジャンの言葉を聞き、パンプはガッツポーズを取る。
「それにオレの新しい技、風林火山も凄かっだろ!」
パンプは4つの小さな宝石を並べる。
「へぇー偶然だね、僕も風林火山って技を教えてもらったよ」
ジャンがそう言うとセバスは驚く。
「誰から教わったんですか!アレを今使える人間はサラ様だけですよ!」
セバスはジャンの肩を掴む。
「失礼ね私も使えるわよ」
「はっ!アミィのは威力がダンチの別物だけどね。で?誰なんだよ」
「150年前のクランクさんって人から」
「クランク...クランク..どこかで聞いた事があるわね~」
アミィは夕飯をテーブルに並べながら考える。
「アミィあの人だよ、ノックお爺ちゃんの兄の狂戦士って言われてた人じゃなかったっけ?」
「ああ、そうだ思い出したわ。よくお爺ちゃんが話してたわね。戦争で亡くなったって」
ジャンはちょっと寂しそうな顔をするがふと気づく。
「ノックお爺ちゃん?150年前...ノックさんってもしかして...」
ジャンはアミィに聞く。
「あなたの曽お爺ちゃんよ」
アミィは笑いながら答える。
「そうなの!?」
驚くジャンの横でパンプは卵焼きをつまみ食いする。
「あなたが産まれた時にね。急いで病院まで来て、ジャンって名前を付けたのよ」
「そんな事あったな、懐かしいな」
アミィとユウスケは笑う。
「その次の日に亡くなったんだっけ?ノックお爺ちゃん、ずっと男の子が産まれたらジャンって名前を付けるって言ってたからね」
サラは昔の事を思い出しながら話す。
「そうそう、昔からノックお爺ちゃんはその話をしてたわよね。ジャンは里を救った英雄の名前だって」
「そうなんだ、ノックさんずっと生きてたんだ」
ジャンはまた寂しそうな顔をした。
「とりあえず食べましょうか」
アミィに続いて皆で手を合わせる。
「「「「「「いただきます!」」」」」」
【数時間後】
ジャン達は寝る準備をしていた。
「いやぁ本当に久しぶりだなぁ、やっぱ家のベッドが1番だ!」
ジャンはベッドに飛び込む。
「わーい!」
パンプはジャンのお腹に飛び込む。
「ハハハハッ!」
2人は笑っているうちに疲れて眠ってしまった。
【アミィとユウスケの部屋】
2人はベッドに寝そべっている。
「本当に良かったわ、ユウスケさん」
アミィはユウスケに抱きつく。
「悪かったな、俺もさっさと帰ろうとしたんだが時間がかかっちまって」
ユウスケはアミィの頭を撫でる。
「ユウスケさんがいなくなってから、セバスさんにジャンにパンプちゃん、みんなでこの家を支えてきたけどやっぱり寂しかったわ」
「ああ、すまないでも良かったこれからは俺も支えるぞ」
「ユウスケさん...」
2人の長い夜はまだまだ続く。
【居間】
「セバース!ほら飲め!」
サラはセバスの口にビール瓶を突っ込む。
「ヘヘヘヘッ!シャラ様酔っ払いしゅぎですよ~!」
「なにょー!あたしゃ酔っ払ってなんかないやー!酔っ払ってんのはシェバスだー!」
「「アハハハハッ!...zzzZ」」
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