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暗躍する狂気編
第15話 ちんぷんかんぷん!作業開始!
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合同授業が始まってから2時間、Aグループは設計図を元に作業を始めた。
「まず俺とマツリちゃんで発射台を作る。2人には花火玉を作って欲しい」
シュンが設計図を広げてグループを仕切る
「シュン兄、花火玉って何?」
「ああそうか、花火玉ってのはな」
シュンはポケットからスマホを取り出して、花火玉の画像や仕組み、花火の動画をジャンとウリエラに見せた。
「何ですかコレ!どうなっているんですか!何でこんな小さい板から...」
ウリエラは初めて見るスマホに翼をパタパタ動かしながら興奮をする。
「コレはスマートガジェット、俺らの国では連絡や生活のサポートに欠かせない物だよ」
「へぇ~便利だな」
ジャンはスマホに映り出された花火玉の設計図を確認する。
「花火玉頼んだよ」
「うん」
「はい」
ジャンとウリエラは花火玉の制作に取り掛かる。
「勢いで返事はしたものの、さっき見た花火玉の構造とか仕組みはこんな感じで良いのかな?」
ジャンは魔法で筒玉を作り出し、空へと投げ飛ばす。しかし、花火玉はただ爆発しただけだった。
「凄いですジャンさん!これが花火というものなのですね!」
「いや、なんか違うな...ただ派手に爆発しただけって感じ?」
「細かく火力の調整をする必要があるのでは?」
「なるほど」
ジャンはウリエラの提案を受けて、もう1度筒玉を作り出した。
「コレでどうだ!」
ジャンは筒玉を投げ飛ばした。今度は爆発が弱すぎた。
「なぁー難しい」
ジャンは髪をわしゃわしゃと掻きむしる。
「時間はまだあります、落ち着いていきましょう!」
「そうか..もっかい、構造から考えよ」
「はい!」
ジャンとウリエラは1時間ぐらい試行錯誤をした。
「コレだ!」
トライ&エラーを繰り返し、ジャンは小さい粒を作り出した。
「ジャンさんコレは?」
「こうやって小さい粒を1つずつ作れば細かい火力調整が出来るようになるんだよ」
「なるほど良い考えですね、私も手伝います」
ウリエラも小さい粒を作り出す。
ジャンは火力調整をウリエラは光の調整をする。2人は一言も話さずに黙々と粒を作る。
作った粒を球体状に組み合わせて花火玉が作り上げた。
「コレで失敗だったらショックですよ」
「そうだ!ちょっとパンプ呼んでくるよ」
「パンプさんを?」
「うん!」
10分後、ジャンは授業を受けていたパンプとガブリラを連れてきた。
「ジャン、オレは何をすれば良いんだ?」
「コレを増やして欲しいんだよ」
ジャンはパンプに花火玉を見せながら言う。
「私は何をすれば良い?ウィリムには許可をもらったが」
「まぁ見ててください」
特に意味もなく着いてきたガブリラは発射台を作るシュン達の方を見て、翼を動かす。
「なんだコレ?まぁいっか、ミラージュエル!」
パンプは鏡のように輝く宝石を花火玉に打ち込むと花火玉が2つになった。
「おおパンプ、いつの間にそんなことをできるようになったんだ?」
ガブリラはパンプの両耳を持って頭に乗せる。
「へへっ!前に鏡を見て思いついたんだぜ、増やした物は時間が経つと消えちゃうけどな!」
パンプはガブリラの頭の上で鼻を高々と伸ばして高笑いをする。
「パンプさんは器用ですね」
「そうなんだよ、教えた事はすぐ覚えちゃうんだ」
「えっへん!」
パンプはガブリラの頭の上から華麗に着地をして、花火玉のコピーをジャンに手渡す。
「ありがと、それじゃいくよ」
ジャンはコピー玉を投げる。
爆発ではない、遂に空に花火が咲いた。
「成功だ!やった!やったよパンプ!」
「ぐるじい..!」
ジャンはパンプに抱きついて喜ぶ。
「綺麗なものだな」
「ええそうね」
初めて花火を見たウリエラとガブリラはあまりの感激に翼を広げた。
「凄い凄い!2人とも花火初めてなのに!凄い!」
「良い花火玉ができたようだね。その調子でもっと作ってくれ、沢山色々な色でね」
「「え?..えぇ...」」
1つの花火玉を作るのに約40分。ジャンとウリエラの苦行はまだまだ続く。
【合同授業2日目】
花火の完成が近づいてきた。
「ふぅ結構作ったね」
ジャンとウリエラの横にはずっしりと花火玉が並んでいる。
「そうですねぇ、流石にこれだけ作れば文句はないでしょう」
2人は広い庭園で体を伸ばして寝そべる。
「おお!いっぱい作ったな」
「こんな短期間でいっぱい!」
シュンとマツリは2人がジャン達が作った花火玉の山を見て感心する。
「シュン兄、そっちはどう?」
「発射台はとりあえず5台完成したぞ」
「試しに打ち上げてみますか?」
「それじゃあ、パンプのこと呼んで来るね!」
マツリの提案に乗り、早速ジャンはパンプを呼びに校舎の方へ走り出した。
「それにしても科学って凄いですね、興味深い物が沢山あって感動しちゃいます」
ウリエラは翼を震わせながら目を輝かせる。
「魔法だって凄いよ、職人技をたった1日でマスターするほどなんだから!少し悔しいけど」
マツリが悔しそうだか、どこか嬉しいそうな顔をしていた。
「マツリちゃんに褒められるなんて凄いじゃないか、マツリちゃんはね有名な花火師の娘なんだよ」
「プロの人に褒められるなんて感激です!」
「や、やめて下さいよプロだなんて、私なんてまだまだ未熟でいつも父に怒られているんですよ」
ウリエラに情熱に押されたマツリは照れながらも否定する。
「でも、プロになりたいっていう夢があるなんて素晴らしいです!」
ウリエラはマツリの手を握って励ます。
『キケン、キケン』
突然、シュンとマツリのスマホから警報が鳴り始めた。同時に空から何かが落ちてきた。
「何だ!?」
落ちて来た物体は人型に変形する。
『ギギッ!ターゲットカクニン!タダチニハイジョスル』
「見たことない魔獣ですね」
ウリエラが謎の存在をじっくりと眺めると、ソレの大きな目玉と思われる部位が光り出す。
「危ない!ウリエラさん」
謎の存在の光線が放たれると同時にシュンがウリエラを突き飛ばす。
「ぐっ!..」
「シュン先輩!!」
ウリエラは無事だったが、光線はシュンの横腹を貫いていた。
「何なのですか!あの魔獣は?」
ウリエラは空を飛び、自身の髪の毛を弓に変化させる。
「アレは BHR・AI5!科学軍の自律型戦闘マシンです!何故こんなところに」
マツリが動揺している事を察するウリエラはすぐに行動に出た。
「光の加護!」
光の結界がシュンとマツリの前に現れる。
「その中にいて下さい!」
「分かりました!」
マツリはシュンに応急処置を施す。
「そこの魔獣さん、大人しくしないと撃ちますよ」
ウリエラは弓を引きながら警告をするが機械にウリエラの言葉は通じない。
「ウリエラさん無駄です。アレは魔獣ではなく機械です。生き物ではありません!」
「機械!?では容赦なく!」
無数の矢がマシン向かって放たれるが固い装甲の前に全て弾かれてしまった。
「えっ!?」
今度はマシンの反撃だ。背中のジェットで空を飛びウリエラに鉄の拳で重い1撃を喰らわせる。
「ぐっ!...なんというパワー」
勢いよく吹き飛ばされたウリエラはなんとか空中で体勢を立て直す。
「はぁぁぁ!」
ウリエラが左手を右腕に添えると翼が輝き始めた。
「ホーリーブラスト!」
眩い光線が右腕から放たれた。
光線はマシンに直撃して爆風が舞い上がる。
「なかなかの強敵でしたね..シュンさんお怪我は!」
ウリエラがシュン達の元へ翼を動かした瞬間、悪寒が走る。
「ウリエラさん!危ない!」
マツリが叫んだとき、ウリエラの背後に無傷のマシンが腕の機関銃を構えていた。
「...っ!」
機関銃による乱射でウリエラが撃ち落とされた。
「ウリエラさん!」
「マツリちゃん早くウリエラさんの所へ...」
「先輩、今は喋らないで下さい。傷が広がります」
マツリはウリエラの方へ走る。
『ハイジョ、ハイジョ』
マシンは機関銃を瀕死のウリエラに向ける。
「やめなさい、このポンコツ!」
マツリがマシンにスパナを投げる。
『ジジッ...ターゲットタイショウコウゲキチュウシ』
「エンジェルアロー!」
突如、無数の光の矢が隙を見せたマシンに降り注ぐ。
「大丈夫か!ウリエラ」
ガブリラが空から助けにやってきた。
「ジャン!あの魔獣なんだ!?」
「生き物って感じじゃない」
ジャンとパンプも駆けつけた。
『ジジッ..ターゲットカクニンハイジョ』
やはりマシンに傷は1つ付いていない。
「おいジャン、あの魔獣から魔力を感じないぞ」
「アレは魔獣ではありません!機械です!シュン先輩もウリエラさんもアイツにやられました」
状況を把握したジャンはマシンと距離をとって周囲を見渡す。
「パンプすぐに治療を!僕が時間を稼ぐ」
「おう!ヒーリングジュエル!」
パンプは緑色の宝石ををシュンとウリエラに打ち込む。
「もう、グースのように犠牲者を増やしてたまるか!」
「おう!」
2人の姿が精霊石が輝きと共に変化を始める。共鳴だ、あの時と同じ姿になった。
「チャージ」
ジャンは魔銃をショットガンのような形状に変え、魔力を込める。
「あ、アレがヌシクラスを倒したという、なんという魔力!?」
「アレはなかなか参考になるな」
ウリエラとガブリラは2人の変化に驚きながらも勝利を確信する。
「アレがジャンさん!?魔法軍の人は凄いなぁ~」
「共鳴ってやつか、初めて見た」
『ピー..マリョクケンチ..ケイソクフノウ..キケンキケン...タダチニテッタイスル』
マシンはジェットを起動させて飛び去ってしまう。
「逃がすかこの!」
パンプがマシンをその太い腕で掴んでありったけの力握りしめる。
「グギィィーー!キケンキケン!」
握りつぶされるマシンから鈍い音が漏れ始める。
『ジェッ..ジョットノ..ノ..フル...パワ..ワー』
マシンのジェットから激しく炎が吹き出す。
「アチチチッ!」
パンプは思い切りマシンを地面に叩きつける。
マシンの下半部が地面に埋まる。
「よくやったパンプ、俺がトドメをさす」
ジャンがマシンに近づき魔銃を構える。
「ジャンさんの口調が変わっている」
「精神的にも変化が現れるのか」
ガブリラは2人の戦い方や性格の変化を冷静に分析する。
「消えろ」
引き金を引くと凄まじい密度の細い光線が無数に魔銃から放たれる。
光線がマシンの体を貫くと頭部パーツだけ脱出してしまった。
「追え」
ジャンがそう唱えると光線が頭部パーツを追尾し始めた。
精霊石の輝きが止まり、2人はすぐに元の姿に戻った。
「シュン兄大丈夫!?」
「ああ、それにしてもお前強くなりすぎだろ。昔は泣き虫のチビだったのに」
「いつの話だよもう」
「凄いですジャンさん!あれが共鳴というものなのですね!」
「へへ、でもちょっと疲れた」
「パンプ、お前強いんだな」
「やっとガブリラも分かったか!オレ達は強いんだぞ!..ふぁ~」
体力を使った2人はそのまま倒れてしまった。
「ああー!?ジャンさん!しっかり!」
「おいパンプ、そんな所で寝ると風邪を引くぞ。おい、おい?」
「先輩...」
「何故BHRが此処に..」
突如の強襲、なんとか防ぎきった。
【同時刻 某国 研究所】
マシンの頭部が研究所に帰還する。
「よく帰って来たぞBHRよ」
1人の研究員がマシンからデータを回収しようとするマシンを追っていたジャンの光線が飛んでくる。
「うわぁぁぁぁーーーー!」
研究所が1つ吹き飛んだ。
「まず俺とマツリちゃんで発射台を作る。2人には花火玉を作って欲しい」
シュンが設計図を広げてグループを仕切る
「シュン兄、花火玉って何?」
「ああそうか、花火玉ってのはな」
シュンはポケットからスマホを取り出して、花火玉の画像や仕組み、花火の動画をジャンとウリエラに見せた。
「何ですかコレ!どうなっているんですか!何でこんな小さい板から...」
ウリエラは初めて見るスマホに翼をパタパタ動かしながら興奮をする。
「コレはスマートガジェット、俺らの国では連絡や生活のサポートに欠かせない物だよ」
「へぇ~便利だな」
ジャンはスマホに映り出された花火玉の設計図を確認する。
「花火玉頼んだよ」
「うん」
「はい」
ジャンとウリエラは花火玉の制作に取り掛かる。
「勢いで返事はしたものの、さっき見た花火玉の構造とか仕組みはこんな感じで良いのかな?」
ジャンは魔法で筒玉を作り出し、空へと投げ飛ばす。しかし、花火玉はただ爆発しただけだった。
「凄いですジャンさん!これが花火というものなのですね!」
「いや、なんか違うな...ただ派手に爆発しただけって感じ?」
「細かく火力の調整をする必要があるのでは?」
「なるほど」
ジャンはウリエラの提案を受けて、もう1度筒玉を作り出した。
「コレでどうだ!」
ジャンは筒玉を投げ飛ばした。今度は爆発が弱すぎた。
「なぁー難しい」
ジャンは髪をわしゃわしゃと掻きむしる。
「時間はまだあります、落ち着いていきましょう!」
「そうか..もっかい、構造から考えよ」
「はい!」
ジャンとウリエラは1時間ぐらい試行錯誤をした。
「コレだ!」
トライ&エラーを繰り返し、ジャンは小さい粒を作り出した。
「ジャンさんコレは?」
「こうやって小さい粒を1つずつ作れば細かい火力調整が出来るようになるんだよ」
「なるほど良い考えですね、私も手伝います」
ウリエラも小さい粒を作り出す。
ジャンは火力調整をウリエラは光の調整をする。2人は一言も話さずに黙々と粒を作る。
作った粒を球体状に組み合わせて花火玉が作り上げた。
「コレで失敗だったらショックですよ」
「そうだ!ちょっとパンプ呼んでくるよ」
「パンプさんを?」
「うん!」
10分後、ジャンは授業を受けていたパンプとガブリラを連れてきた。
「ジャン、オレは何をすれば良いんだ?」
「コレを増やして欲しいんだよ」
ジャンはパンプに花火玉を見せながら言う。
「私は何をすれば良い?ウィリムには許可をもらったが」
「まぁ見ててください」
特に意味もなく着いてきたガブリラは発射台を作るシュン達の方を見て、翼を動かす。
「なんだコレ?まぁいっか、ミラージュエル!」
パンプは鏡のように輝く宝石を花火玉に打ち込むと花火玉が2つになった。
「おおパンプ、いつの間にそんなことをできるようになったんだ?」
ガブリラはパンプの両耳を持って頭に乗せる。
「へへっ!前に鏡を見て思いついたんだぜ、増やした物は時間が経つと消えちゃうけどな!」
パンプはガブリラの頭の上で鼻を高々と伸ばして高笑いをする。
「パンプさんは器用ですね」
「そうなんだよ、教えた事はすぐ覚えちゃうんだ」
「えっへん!」
パンプはガブリラの頭の上から華麗に着地をして、花火玉のコピーをジャンに手渡す。
「ありがと、それじゃいくよ」
ジャンはコピー玉を投げる。
爆発ではない、遂に空に花火が咲いた。
「成功だ!やった!やったよパンプ!」
「ぐるじい..!」
ジャンはパンプに抱きついて喜ぶ。
「綺麗なものだな」
「ええそうね」
初めて花火を見たウリエラとガブリラはあまりの感激に翼を広げた。
「凄い凄い!2人とも花火初めてなのに!凄い!」
「良い花火玉ができたようだね。その調子でもっと作ってくれ、沢山色々な色でね」
「「え?..えぇ...」」
1つの花火玉を作るのに約40分。ジャンとウリエラの苦行はまだまだ続く。
【合同授業2日目】
花火の完成が近づいてきた。
「ふぅ結構作ったね」
ジャンとウリエラの横にはずっしりと花火玉が並んでいる。
「そうですねぇ、流石にこれだけ作れば文句はないでしょう」
2人は広い庭園で体を伸ばして寝そべる。
「おお!いっぱい作ったな」
「こんな短期間でいっぱい!」
シュンとマツリは2人がジャン達が作った花火玉の山を見て感心する。
「シュン兄、そっちはどう?」
「発射台はとりあえず5台完成したぞ」
「試しに打ち上げてみますか?」
「それじゃあ、パンプのこと呼んで来るね!」
マツリの提案に乗り、早速ジャンはパンプを呼びに校舎の方へ走り出した。
「それにしても科学って凄いですね、興味深い物が沢山あって感動しちゃいます」
ウリエラは翼を震わせながら目を輝かせる。
「魔法だって凄いよ、職人技をたった1日でマスターするほどなんだから!少し悔しいけど」
マツリが悔しそうだか、どこか嬉しいそうな顔をしていた。
「マツリちゃんに褒められるなんて凄いじゃないか、マツリちゃんはね有名な花火師の娘なんだよ」
「プロの人に褒められるなんて感激です!」
「や、やめて下さいよプロだなんて、私なんてまだまだ未熟でいつも父に怒られているんですよ」
ウリエラに情熱に押されたマツリは照れながらも否定する。
「でも、プロになりたいっていう夢があるなんて素晴らしいです!」
ウリエラはマツリの手を握って励ます。
『キケン、キケン』
突然、シュンとマツリのスマホから警報が鳴り始めた。同時に空から何かが落ちてきた。
「何だ!?」
落ちて来た物体は人型に変形する。
『ギギッ!ターゲットカクニン!タダチニハイジョスル』
「見たことない魔獣ですね」
ウリエラが謎の存在をじっくりと眺めると、ソレの大きな目玉と思われる部位が光り出す。
「危ない!ウリエラさん」
謎の存在の光線が放たれると同時にシュンがウリエラを突き飛ばす。
「ぐっ!..」
「シュン先輩!!」
ウリエラは無事だったが、光線はシュンの横腹を貫いていた。
「何なのですか!あの魔獣は?」
ウリエラは空を飛び、自身の髪の毛を弓に変化させる。
「アレは BHR・AI5!科学軍の自律型戦闘マシンです!何故こんなところに」
マツリが動揺している事を察するウリエラはすぐに行動に出た。
「光の加護!」
光の結界がシュンとマツリの前に現れる。
「その中にいて下さい!」
「分かりました!」
マツリはシュンに応急処置を施す。
「そこの魔獣さん、大人しくしないと撃ちますよ」
ウリエラは弓を引きながら警告をするが機械にウリエラの言葉は通じない。
「ウリエラさん無駄です。アレは魔獣ではなく機械です。生き物ではありません!」
「機械!?では容赦なく!」
無数の矢がマシン向かって放たれるが固い装甲の前に全て弾かれてしまった。
「えっ!?」
今度はマシンの反撃だ。背中のジェットで空を飛びウリエラに鉄の拳で重い1撃を喰らわせる。
「ぐっ!...なんというパワー」
勢いよく吹き飛ばされたウリエラはなんとか空中で体勢を立て直す。
「はぁぁぁ!」
ウリエラが左手を右腕に添えると翼が輝き始めた。
「ホーリーブラスト!」
眩い光線が右腕から放たれた。
光線はマシンに直撃して爆風が舞い上がる。
「なかなかの強敵でしたね..シュンさんお怪我は!」
ウリエラがシュン達の元へ翼を動かした瞬間、悪寒が走る。
「ウリエラさん!危ない!」
マツリが叫んだとき、ウリエラの背後に無傷のマシンが腕の機関銃を構えていた。
「...っ!」
機関銃による乱射でウリエラが撃ち落とされた。
「ウリエラさん!」
「マツリちゃん早くウリエラさんの所へ...」
「先輩、今は喋らないで下さい。傷が広がります」
マツリはウリエラの方へ走る。
『ハイジョ、ハイジョ』
マシンは機関銃を瀕死のウリエラに向ける。
「やめなさい、このポンコツ!」
マツリがマシンにスパナを投げる。
『ジジッ...ターゲットタイショウコウゲキチュウシ』
「エンジェルアロー!」
突如、無数の光の矢が隙を見せたマシンに降り注ぐ。
「大丈夫か!ウリエラ」
ガブリラが空から助けにやってきた。
「ジャン!あの魔獣なんだ!?」
「生き物って感じじゃない」
ジャンとパンプも駆けつけた。
『ジジッ..ターゲットカクニンハイジョ』
やはりマシンに傷は1つ付いていない。
「おいジャン、あの魔獣から魔力を感じないぞ」
「アレは魔獣ではありません!機械です!シュン先輩もウリエラさんもアイツにやられました」
状況を把握したジャンはマシンと距離をとって周囲を見渡す。
「パンプすぐに治療を!僕が時間を稼ぐ」
「おう!ヒーリングジュエル!」
パンプは緑色の宝石ををシュンとウリエラに打ち込む。
「もう、グースのように犠牲者を増やしてたまるか!」
「おう!」
2人の姿が精霊石が輝きと共に変化を始める。共鳴だ、あの時と同じ姿になった。
「チャージ」
ジャンは魔銃をショットガンのような形状に変え、魔力を込める。
「あ、アレがヌシクラスを倒したという、なんという魔力!?」
「アレはなかなか参考になるな」
ウリエラとガブリラは2人の変化に驚きながらも勝利を確信する。
「アレがジャンさん!?魔法軍の人は凄いなぁ~」
「共鳴ってやつか、初めて見た」
『ピー..マリョクケンチ..ケイソクフノウ..キケンキケン...タダチニテッタイスル』
マシンはジェットを起動させて飛び去ってしまう。
「逃がすかこの!」
パンプがマシンをその太い腕で掴んでありったけの力握りしめる。
「グギィィーー!キケンキケン!」
握りつぶされるマシンから鈍い音が漏れ始める。
『ジェッ..ジョットノ..ノ..フル...パワ..ワー』
マシンのジェットから激しく炎が吹き出す。
「アチチチッ!」
パンプは思い切りマシンを地面に叩きつける。
マシンの下半部が地面に埋まる。
「よくやったパンプ、俺がトドメをさす」
ジャンがマシンに近づき魔銃を構える。
「ジャンさんの口調が変わっている」
「精神的にも変化が現れるのか」
ガブリラは2人の戦い方や性格の変化を冷静に分析する。
「消えろ」
引き金を引くと凄まじい密度の細い光線が無数に魔銃から放たれる。
光線がマシンの体を貫くと頭部パーツだけ脱出してしまった。
「追え」
ジャンがそう唱えると光線が頭部パーツを追尾し始めた。
精霊石の輝きが止まり、2人はすぐに元の姿に戻った。
「シュン兄大丈夫!?」
「ああ、それにしてもお前強くなりすぎだろ。昔は泣き虫のチビだったのに」
「いつの話だよもう」
「凄いですジャンさん!あれが共鳴というものなのですね!」
「へへ、でもちょっと疲れた」
「パンプ、お前強いんだな」
「やっとガブリラも分かったか!オレ達は強いんだぞ!..ふぁ~」
体力を使った2人はそのまま倒れてしまった。
「ああー!?ジャンさん!しっかり!」
「おいパンプ、そんな所で寝ると風邪を引くぞ。おい、おい?」
「先輩...」
「何故BHRが此処に..」
突如の強襲、なんとか防ぎきった。
【同時刻 某国 研究所】
マシンの頭部が研究所に帰還する。
「よく帰って来たぞBHRよ」
1人の研究員がマシンからデータを回収しようとするマシンを追っていたジャンの光線が飛んでくる。
「うわぁぁぁぁーーーー!」
研究所が1つ吹き飛んだ。
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ファンタジー
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ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
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