34 / 43
第3章 サイコパスと炎上アイドル
33 喪失
しおりを挟む
やはり交流を持つべき相手は価値観の持ちようで選ぶべきだ——
5月の暮れにエリカさんと喧嘩別れをしたことで、僕は改めて自らの人生観を思い直した。
彼女と共に過ごしてきた1年間はそれなりに楽しかった。最初はコンテンツ運営の実地訓練がてら彼女に協力するだけのつもりだったが、一緒に収録を行ったり、ゲームをしたり、ひいてはプライベートで連れ立って出掛けたりしているうちに、いつしかそのような時間が愛おしく感じられるようになっていた。
だけど、楽しいとか、愛おしいとか、そのようなものは一時的な感情でしかない。そんな不安定なもので人間関係を構築すれば、いずれ必ずどこかで綻びが生じるものだ。
大切なのは、やはり価値観のマッチングだ。物事の価値基準が違う相手とは、どうしたって上手くいかない。たまの話し相手くらいには良いかもしれないが、何か目的を持って行動するのはダメだ。最初のうちは足並みが揃っていても、進んでいくにつれて徐々に食い違いが生じるようになり、それはやがて関係の決裂へと至る。
僕とエリカさんの関係も結局そうだった。1年前の僕は、興味本位で彼女のプロデューサーになることを契約してしまった。もちろん彼女の並外れた行動力と熱意を買った上で手を組むに値すると判断したつもりだが、誠に利害を考えるのならば共同する相手はもっと慎重に選ぶべきだった。楽しい、おもしろい、そんな一時の甘ったるい感情が僕の判断を誤らせていた。
だから、もうやめにしよう。
僕は間違っていた。エリカさんとの関係は、僕にとって利なるものではなかった。彼女は所詮、自分が楽しむことしか考えていなかったのだ。ならば僕も彼女のために時間を費やすことはない。
彼女のために時間を費やさないとは、彼女に関すること一切合財に1秒たりとも時間を使わないということだ。プロデューサーとしての活動はもちろん、【リカリカ】のライブ配信やSNSも一切チェックしない。忘れるべきことは、身の回りから完全に排除するのが僕の流儀だ。
もちろん【リカリカ】だけでなく、現実のエリカさんともこれまでの交友関係は解消する。隣人として顔を合わせざるを得ない機会は今後もあるかもしれないが、そういう事態でなければ会話はしない。LINEも必要ないだろうからブロックさせてもらおう。
こうして僕は彼女の呪縛から解放され、約1年ぶりにウィーチューブから完全に離れた生活へと帰ってきた。
別に寂しいことではない。ウィーチューブ活動がなくとも、僕にはやりたいことがたくさんある。むしろ面倒な動画編集作業に時間を取られなくなって清々したくらいだ。これで大好きな読書や、長らく中断していたプログラミングの学習にたっぷりと時間を注ぐことができる。
何も悔いることはない。ウィーチューブ活動を始める前から、僕の人生は順風満帆だった。
ただその頃に戻るだけだ。
——そう思っていたのに。
以前のスタイルに戻ったはずの毎日は、以前と比べて充実した時間にはならなかった。
己を高めるためにただ習慣化されていただけの毎日は、今の僕にはどうにも刺激が足りなかった。いわゆる仕事ロスというやつだろうか、それなりに本格的なプロジェクトに長らく関わっていたせいで、代わり映えのない日々に物足りなさを感じる体になってしまったらしい。
まあそれは決して悪いことではない。もっとポジティブに考えよう。刺激を求めるようになったということは、過去の自分よりも行動力と意欲が増したということだ。過去の自分よりも成長したと思えるなら、これまでの時間も決して無駄ではなかったと言えるだろう。
よし、これからは今まで以上に大きなことに挑戦してみよう。
そう意気込んでいた僕にとって、6月末に京都で行われた《天王グループ》の懇親会は絶好の機会だった。世界各地、様々な業界で活躍するビジネスマンの話はとても刺激になった。
だがその夜、僕は妹の妃皇子から衝撃の事実を聞いた。それは懇親会で耳にした一流ビジネスマンたちの体験談をすべて吹っ飛ばしてしまうほど、僕にとってショッキングな話だった。
そう……ウィーチューバー【リカリカ】の炎上騒動である。
妃皇子から話を聞いた後、僕はすぐにスマホで騒動のことを調べた。
まずは【リカリカ】のツイッターをチェックした。最新のツイートは3日前の水曜日だった。
【あと5分でリカリカライブ始まるよ!
今日は雑談配信! みんな遊びに来てね~
#リカリカ】
取り立てて何もないようなこのツイートに、なぜか数百のリプライがあった。
蓋を開けてみると、そこには信じられない言葉の数々が並んでいた。
クズ、馬鹿、ゴミ、裏切り者、ブス、娼婦、痴女——
これらはまだ良いほうだ。中には目にすることすらおぞましいほどの罵詈雑言が、ひとりのアイドルの元へと押し寄せていた。
なんだ、これは……
いつもの彼女のツイートには『今日もがんばって』とか『動画楽しかった』とかファンからの温かいメッセージが寄せられているのに、最近の彼女のツイートには見ているだけで胸糞悪くなるような誹謗中傷の言葉が並んでいる。
一体何が起きているのだろうか。すぐに検索機能を使い、【リカリカ】の名前を検索にかけた。すると検索画面には、彼女を中傷することを目的とした醜悪なツイートがずらりと並んでいた。
彼女がこれまで俗にいう『炎上』の被害にあったことは一度もないし、ここ最近もそういった事態に巻き込まれるような原因に思い当たることはない。なのに、なぜ彼女がこれほど悪質な誹謗中傷の標的となっているのか。
原因を探るために、反吐が出るような酷いツイートをサーチしていく。
調べていくうちに状況が見えてきた。どうやら事の発端は、ネット上のとある掲示板だった。いわゆる学校の〝裏サイト〟というやつだろうか。そこにエリカさんがウィーチューバー【リカリカ】の正体であるという情報が晒されたらしい。それによって彼女の本名や住所、顔写真、通っている高校、電話番号にメールアドレスといったプライバシーに関わる情報が他の媒体にもダダ漏れになってしまった。しかもネット上で見られた彼女の顔写真は明らかに悪意のある加工が施されていた。
そして最も彼女のファンを失望させ、さらには心に憎悪を滾らせてしまった要因となった事案が、交際の発覚だった。
アイドルとして〝カレシ作らない宣言〟までしていた彼女に恋人がいた。
しかも中学時代には何人もの男子を取っ替え引っ替えして遊んでいたという。
これらの情報によって、裏切られたと感じたファンたちの執拗な攻撃が始まったようだ。
不覚だ。この1ヶ月、僕がエリカさんのことを忘れようとしていた間に、彼女がこのような惨事に巻き込まれていたとは。
しかも、こうなってしまった責任は僕にある。
プロデューサーとしてタレントの身バレを防ぐことができなかった。
それにエリカさんに恋人の演出をしようと持ちかけたのは僕だ。あんなことさえしなければ、彼女がこれほどまでにファンから逆恨みをされることもなかっただろうに。
どうしてこんな事態になるまで気がつけなかったんだ。
あのとき彼女を突き放してしまったことが、悔やんでも悔やみきれなかった。
だが今はそんなことよりもエリカさんのことが気掛かりだ。
ツイッターは配信を中断した5日前以降、一度も更新されてなかった。その後に予定されていた配信も予告なしに中止された。さらに学校でも手酷い嫌がらせを受けていたらしい。
今彼女はどうしているのだろうか。
ひとまず現状を確かめたかった。
LINEで彼女のアカウントのブロックを解除し、大丈夫ですかとメッセージを送った。だがその日のうちに既読がつくことはなかった。
東京に戻ってきたのは、翌日の昼過ぎだった。
自宅の前で本家の使用人の車を降り、その足でエリカさんの家のインターホンを押した。アポ無しで彼女の家を訪ねるのは不本意だが、今は両親もいないようなので問題ないだろう。
だがこれもまた反応なし。
外出中だろうか。そういえば彼女の所属するダンスサークルは、休日はいつも午後から活動をしていた。それなら、もうしばらく待っていれば帰ってくるかもしれない。
でも、もしそうじゃなかったとしたら——
嫌な予感に駆られて、荷物を置いてすぐに家を出た。
じっとしていられなかった、そんな理由で行動を起こしたのは生まれて初めてかもしれない。
5月の暮れにエリカさんと喧嘩別れをしたことで、僕は改めて自らの人生観を思い直した。
彼女と共に過ごしてきた1年間はそれなりに楽しかった。最初はコンテンツ運営の実地訓練がてら彼女に協力するだけのつもりだったが、一緒に収録を行ったり、ゲームをしたり、ひいてはプライベートで連れ立って出掛けたりしているうちに、いつしかそのような時間が愛おしく感じられるようになっていた。
だけど、楽しいとか、愛おしいとか、そのようなものは一時的な感情でしかない。そんな不安定なもので人間関係を構築すれば、いずれ必ずどこかで綻びが生じるものだ。
大切なのは、やはり価値観のマッチングだ。物事の価値基準が違う相手とは、どうしたって上手くいかない。たまの話し相手くらいには良いかもしれないが、何か目的を持って行動するのはダメだ。最初のうちは足並みが揃っていても、進んでいくにつれて徐々に食い違いが生じるようになり、それはやがて関係の決裂へと至る。
僕とエリカさんの関係も結局そうだった。1年前の僕は、興味本位で彼女のプロデューサーになることを契約してしまった。もちろん彼女の並外れた行動力と熱意を買った上で手を組むに値すると判断したつもりだが、誠に利害を考えるのならば共同する相手はもっと慎重に選ぶべきだった。楽しい、おもしろい、そんな一時の甘ったるい感情が僕の判断を誤らせていた。
だから、もうやめにしよう。
僕は間違っていた。エリカさんとの関係は、僕にとって利なるものではなかった。彼女は所詮、自分が楽しむことしか考えていなかったのだ。ならば僕も彼女のために時間を費やすことはない。
彼女のために時間を費やさないとは、彼女に関すること一切合財に1秒たりとも時間を使わないということだ。プロデューサーとしての活動はもちろん、【リカリカ】のライブ配信やSNSも一切チェックしない。忘れるべきことは、身の回りから完全に排除するのが僕の流儀だ。
もちろん【リカリカ】だけでなく、現実のエリカさんともこれまでの交友関係は解消する。隣人として顔を合わせざるを得ない機会は今後もあるかもしれないが、そういう事態でなければ会話はしない。LINEも必要ないだろうからブロックさせてもらおう。
こうして僕は彼女の呪縛から解放され、約1年ぶりにウィーチューブから完全に離れた生活へと帰ってきた。
別に寂しいことではない。ウィーチューブ活動がなくとも、僕にはやりたいことがたくさんある。むしろ面倒な動画編集作業に時間を取られなくなって清々したくらいだ。これで大好きな読書や、長らく中断していたプログラミングの学習にたっぷりと時間を注ぐことができる。
何も悔いることはない。ウィーチューブ活動を始める前から、僕の人生は順風満帆だった。
ただその頃に戻るだけだ。
——そう思っていたのに。
以前のスタイルに戻ったはずの毎日は、以前と比べて充実した時間にはならなかった。
己を高めるためにただ習慣化されていただけの毎日は、今の僕にはどうにも刺激が足りなかった。いわゆる仕事ロスというやつだろうか、それなりに本格的なプロジェクトに長らく関わっていたせいで、代わり映えのない日々に物足りなさを感じる体になってしまったらしい。
まあそれは決して悪いことではない。もっとポジティブに考えよう。刺激を求めるようになったということは、過去の自分よりも行動力と意欲が増したということだ。過去の自分よりも成長したと思えるなら、これまでの時間も決して無駄ではなかったと言えるだろう。
よし、これからは今まで以上に大きなことに挑戦してみよう。
そう意気込んでいた僕にとって、6月末に京都で行われた《天王グループ》の懇親会は絶好の機会だった。世界各地、様々な業界で活躍するビジネスマンの話はとても刺激になった。
だがその夜、僕は妹の妃皇子から衝撃の事実を聞いた。それは懇親会で耳にした一流ビジネスマンたちの体験談をすべて吹っ飛ばしてしまうほど、僕にとってショッキングな話だった。
そう……ウィーチューバー【リカリカ】の炎上騒動である。
妃皇子から話を聞いた後、僕はすぐにスマホで騒動のことを調べた。
まずは【リカリカ】のツイッターをチェックした。最新のツイートは3日前の水曜日だった。
【あと5分でリカリカライブ始まるよ!
今日は雑談配信! みんな遊びに来てね~
#リカリカ】
取り立てて何もないようなこのツイートに、なぜか数百のリプライがあった。
蓋を開けてみると、そこには信じられない言葉の数々が並んでいた。
クズ、馬鹿、ゴミ、裏切り者、ブス、娼婦、痴女——
これらはまだ良いほうだ。中には目にすることすらおぞましいほどの罵詈雑言が、ひとりのアイドルの元へと押し寄せていた。
なんだ、これは……
いつもの彼女のツイートには『今日もがんばって』とか『動画楽しかった』とかファンからの温かいメッセージが寄せられているのに、最近の彼女のツイートには見ているだけで胸糞悪くなるような誹謗中傷の言葉が並んでいる。
一体何が起きているのだろうか。すぐに検索機能を使い、【リカリカ】の名前を検索にかけた。すると検索画面には、彼女を中傷することを目的とした醜悪なツイートがずらりと並んでいた。
彼女がこれまで俗にいう『炎上』の被害にあったことは一度もないし、ここ最近もそういった事態に巻き込まれるような原因に思い当たることはない。なのに、なぜ彼女がこれほど悪質な誹謗中傷の標的となっているのか。
原因を探るために、反吐が出るような酷いツイートをサーチしていく。
調べていくうちに状況が見えてきた。どうやら事の発端は、ネット上のとある掲示板だった。いわゆる学校の〝裏サイト〟というやつだろうか。そこにエリカさんがウィーチューバー【リカリカ】の正体であるという情報が晒されたらしい。それによって彼女の本名や住所、顔写真、通っている高校、電話番号にメールアドレスといったプライバシーに関わる情報が他の媒体にもダダ漏れになってしまった。しかもネット上で見られた彼女の顔写真は明らかに悪意のある加工が施されていた。
そして最も彼女のファンを失望させ、さらには心に憎悪を滾らせてしまった要因となった事案が、交際の発覚だった。
アイドルとして〝カレシ作らない宣言〟までしていた彼女に恋人がいた。
しかも中学時代には何人もの男子を取っ替え引っ替えして遊んでいたという。
これらの情報によって、裏切られたと感じたファンたちの執拗な攻撃が始まったようだ。
不覚だ。この1ヶ月、僕がエリカさんのことを忘れようとしていた間に、彼女がこのような惨事に巻き込まれていたとは。
しかも、こうなってしまった責任は僕にある。
プロデューサーとしてタレントの身バレを防ぐことができなかった。
それにエリカさんに恋人の演出をしようと持ちかけたのは僕だ。あんなことさえしなければ、彼女がこれほどまでにファンから逆恨みをされることもなかっただろうに。
どうしてこんな事態になるまで気がつけなかったんだ。
あのとき彼女を突き放してしまったことが、悔やんでも悔やみきれなかった。
だが今はそんなことよりもエリカさんのことが気掛かりだ。
ツイッターは配信を中断した5日前以降、一度も更新されてなかった。その後に予定されていた配信も予告なしに中止された。さらに学校でも手酷い嫌がらせを受けていたらしい。
今彼女はどうしているのだろうか。
ひとまず現状を確かめたかった。
LINEで彼女のアカウントのブロックを解除し、大丈夫ですかとメッセージを送った。だがその日のうちに既読がつくことはなかった。
東京に戻ってきたのは、翌日の昼過ぎだった。
自宅の前で本家の使用人の車を降り、その足でエリカさんの家のインターホンを押した。アポ無しで彼女の家を訪ねるのは不本意だが、今は両親もいないようなので問題ないだろう。
だがこれもまた反応なし。
外出中だろうか。そういえば彼女の所属するダンスサークルは、休日はいつも午後から活動をしていた。それなら、もうしばらく待っていれば帰ってくるかもしれない。
でも、もしそうじゃなかったとしたら——
嫌な予感に駆られて、荷物を置いてすぐに家を出た。
じっとしていられなかった、そんな理由で行動を起こしたのは生まれて初めてかもしれない。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
私の話を聞いて頂けませんか?
鈴音いりす
青春
風見優也は、小学校卒業と同時に誰にも言わずに美風町を去った。それから何の連絡もせずに過ごしてきた俺だけど、美風町に戻ることになった。
幼馴染や姉は俺のことを覚えてくれているのか、嫌われていないか……不安なことを考えればキリがないけれど、もう引き返すことは出来ない。
そんなことを思いながら、美風町へ行くバスに乗り込んだ。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
瑠璃色たまご 短編集
佑佳
青春
企画に寄稿した作品がきっかけで、機に乗じて短編を作り続けていたら、短編集になってきました。
時系列順になってます。
ちょっとえっちもあります。
蟬時雨あさぎさん主催『第一回ゆるプロット交換会』『第二回ゆるプロット交換会』参加作品です。南雲 皋さま、企画主・蟬時雨あさぎさまのゆるプロットを元に執筆した作品たちです。
『ゆるプロット交換会』について詳しくは以下リンク▽から。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860507898558
©️佑佳 2016-2023
あまやどり
奈那美
青春
さだまさしさんの超名曲。
彼氏さんの視点からの物語にしてみました。
ただ…あの曲の世界観とは違う部分があると思います。
イメージを壊したくない方にはお勧めできないかもです。
曲そのものの時代(昭和!)に即しているので、今の時代とは合わない部分があるとは思いますが、ご了承ください。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
僕らの10パーセントは無限大
華子
青春
10%の確率でしか未来を生きられない少女と
過去に辛い経験をしたことがある幼ななじみと
やたらとポジティブなホームレス
「あり得ない今を生きてるんだったら、あり得ない未来だってあるんじゃねえの?」
「そうやって、信じたいものを信じて生きる人生って、楽しいもんだよ」
もし、あたなら。
10パーセントの確率で訪れる幸せな未来と
90パーセントの確率で訪れる悲惨な未来。
そのどちらを信じますか。
***
心臓に病を患う和子(わこ)は、医者からアメリカでの手術を勧められるが、成功率10パーセントというあまりにも酷な現実に打ちひしがれ、渡米する勇気が出ずにいる。しかしこのまま日本にいても、死を待つだけ。
追い詰められた和子は、誰に何をされても気に食わない日々が続くが、そんな時出逢ったやたらとポジティブなホームレスに、段々と影響を受けていく。
幼ななじみの裕一にも支えられながら、彼女が前を向くまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる