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【26話】ロイルからプレゼントをもらってしまいました
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デートを始めて、ある程度時間が過ぎた。
二人はそれなりにお腹が膨れ、食事に関しては満足していたので、今度は食べ物ではなく小物や雑貨、武具などのお店を見て回っていた。
王都には様々な店が軒を連ねており、その手の店もたくさんある。一通り見て回るだけで、あっという間に時間が過ぎていくだろう。
「ノア、これとかどう? 似合うと思うよ」
女性が身に着ける小物の類のお店の前で立ち止まったロイルは、陳列された商品の中から一つを手に取り、ノアに見せる。
この類のお店に興味自体はあったが、あいにく足を止めたことはなかった。何故ならば、冒険者として生きることに必死で、目を向ける暇がなかったからだ。
それに、稼いだお金をただの小物に使うなどという無駄遣いはしてはならないと考えていた。
「う、うん……でもお金が勿体ないかも」
ロイルが手に取りノアに見せたのは、花飾りのついた細めの腕輪だった。とても可愛らしく、ノアも心惹かれるものがあったが、それでもやはり躊躇ってしまう。
魔力がゼロから増えたことで、魔物狩りも可能になった今、これまで以上に稼ぐことが出来るようになった。けれども、常に節約していた身からすると、やはり躊躇ってしまうのだ。
「じゃあ、デートしてくれたお礼ってことで」
「え? あっ」
するとロイルは、お店の人に腕輪の代金を支払う。
その額、大銅貨二枚。
「はい、僕からのプレゼント」
「……いいの?」
「ノアがつけたら似合うと思ったから買ったんだ。だから、受け取ってくれる?」
「……ありがとう。凄く嬉しい……」
ロイルの手から、プレゼントを受け取ろうとする。
しかしロイルは何を思ったのか、それを渡さずにノアの左手を優しく掴んだ。
「僕がつけてあげる」
「――ッ」
ノアは、腕輪を左手につけてもらう。
その行為が恥ずかしく、照れくさく、けれどもとても嬉しくてたまらなかった。
「……うん、やっぱりよく似合う」
「わたしも、そう思う。だって、ロイルが選んでくれたんだもん」
笑顔のロイルに向けて、ノアもまた満面の笑みを返すのだった。
二人はそれなりにお腹が膨れ、食事に関しては満足していたので、今度は食べ物ではなく小物や雑貨、武具などのお店を見て回っていた。
王都には様々な店が軒を連ねており、その手の店もたくさんある。一通り見て回るだけで、あっという間に時間が過ぎていくだろう。
「ノア、これとかどう? 似合うと思うよ」
女性が身に着ける小物の類のお店の前で立ち止まったロイルは、陳列された商品の中から一つを手に取り、ノアに見せる。
この類のお店に興味自体はあったが、あいにく足を止めたことはなかった。何故ならば、冒険者として生きることに必死で、目を向ける暇がなかったからだ。
それに、稼いだお金をただの小物に使うなどという無駄遣いはしてはならないと考えていた。
「う、うん……でもお金が勿体ないかも」
ロイルが手に取りノアに見せたのは、花飾りのついた細めの腕輪だった。とても可愛らしく、ノアも心惹かれるものがあったが、それでもやはり躊躇ってしまう。
魔力がゼロから増えたことで、魔物狩りも可能になった今、これまで以上に稼ぐことが出来るようになった。けれども、常に節約していた身からすると、やはり躊躇ってしまうのだ。
「じゃあ、デートしてくれたお礼ってことで」
「え? あっ」
するとロイルは、お店の人に腕輪の代金を支払う。
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「はい、僕からのプレゼント」
「……いいの?」
「ノアがつけたら似合うと思ったから買ったんだ。だから、受け取ってくれる?」
「……ありがとう。凄く嬉しい……」
ロイルの手から、プレゼントを受け取ろうとする。
しかしロイルは何を思ったのか、それを渡さずにノアの左手を優しく掴んだ。
「僕がつけてあげる」
「――ッ」
ノアは、腕輪を左手につけてもらう。
その行為が恥ずかしく、照れくさく、けれどもとても嬉しくてたまらなかった。
「……うん、やっぱりよく似合う」
「わたしも、そう思う。だって、ロイルが選んでくれたんだもん」
笑顔のロイルに向けて、ノアもまた満面の笑みを返すのだった。
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