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【2話】右も左も分からないうちにパーティーメンバーに加えられてしまいました
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――冒険者ギルド。
そこは、一獲千金を夢見る者達が集う場所だ。
老若男女問わずパーティーを組み、クエストを引き受け、魔物討伐に精を出す。
どんなスキルを持っているのか、今までに何体の魔物を倒してきたのか、魔力の値が如何程か、そんなことは関係ない。やる気さえあれば誰でも歓迎する。
たとえ、身の丈に合ったクエストを受けずに命を落とすことになろうとも……。
そして今日もまた、ギルドの門が叩かれる。
「ここが冒険者ギルド……」
アルゴール家を追放されてから半月、ノアは無事王都へと着くことが出来た。
ギルドに入ると、真っ直ぐに受付へと歩を進める。
「あの、冒険者になりたいんですけど……」
「ようこそいらっしゃいました。当ギルドにお越しいただくのは初めてですね? ではまず、こちらの用紙にご記入ください。それと、左手の小指のサイズを確認させていただきます」
挨拶を交わし、受付嬢が出したもの。それは冒険者登録用紙だ。
ここにノアの名前と出自、有れば戦闘経験の有無などを記入することで、登録完了となる。
「……これで大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。ええっと……お名前はノア様ですね? 戦闘経験の有無は……無しでお間違いございませんか?」
「はい、間違いありません」
冒険者登録をする者、つまりは冒険者に成り立ての新人である。
ギルドを通してクエストを受注したことのない者がほとんどだろう。
故に、戦闘経験を持たない者ばかりとなる。
ノア自身、私設兵と共に魔物狩りをしたことはあった。
実戦での経験を積む為、そして魔力の値を増やす為だったが、実際にはその大半がノアの手を使わずに討伐されている。
冒険者になることが分かっていれば、もっと率先して戦うべきだった、と今更ながらに思ってしまう。
「では、こちらが冒険者証になります。ご自身の身分の証明にもなりますので、失くさずにお持ちください」
銅で出来た指輪を受け取り、それを左手の小指に嵌める。
あっさりと済んだが、これでノアも冒険者の仲間入りだ。
「え、えっと……登録した後は、何をすればいいんでしょうか?」
「あちらにクエスト掲示板がございますので、受けたいクエスト用紙をこちらまでお持ちください」
「あ、ありがとうございますっ」
お辞儀をし、ノアは受付を後にする。
受付嬢に言われたクエスト掲示板なるものへと目を通す。そこには数多くの依頼用紙が貼られていた。
ここから自分の実力に見合ったものを選択し、受注することになる。
「わたしにも出来そうなクエストは……」
冒険者には等級制度がある。
生り立ての冒険者は銅等級で、経験を積み、ギルドへと貢献し続けることで、大銅等級、銀等級、大銀等級と上がっていく。
先ほど冒険者登録を終えたばかりのノアの等級は銅だ。
その等級に見合ったクエストを探してみる。
「薬草採取に、ギルド内の掃除……王都のドブ攫い……」
パッと見た感じでは、魔物を討伐する類のクエストは一つもない。
王都のギルド故に、冒険者は数えきれないほど存在する。
だからだろうか、下の等級の依頼は取り合いになってしまう。
「最初だから、確実に依頼達成出来そうな薬草採取にしようかな……」
「――おい、そこの女」
薬草採取のクエスト用紙を手に取ろうとするノアに、声を掛ける者が一人。
振り向くとそこには大柄な男と細身の女の姿があった。
「もしかして成り立てか?」
「え? ……あ、はい! そうです!」
「じゃあちょうどいいぜ。どうせ仲間もいねえんだろ? 俺様のパーティーに加えてやるよ」
有無を言わさぬ口調で言い放つ。
それが、ノアとボドとの出会いであった。
そこは、一獲千金を夢見る者達が集う場所だ。
老若男女問わずパーティーを組み、クエストを引き受け、魔物討伐に精を出す。
どんなスキルを持っているのか、今までに何体の魔物を倒してきたのか、魔力の値が如何程か、そんなことは関係ない。やる気さえあれば誰でも歓迎する。
たとえ、身の丈に合ったクエストを受けずに命を落とすことになろうとも……。
そして今日もまた、ギルドの門が叩かれる。
「ここが冒険者ギルド……」
アルゴール家を追放されてから半月、ノアは無事王都へと着くことが出来た。
ギルドに入ると、真っ直ぐに受付へと歩を進める。
「あの、冒険者になりたいんですけど……」
「ようこそいらっしゃいました。当ギルドにお越しいただくのは初めてですね? ではまず、こちらの用紙にご記入ください。それと、左手の小指のサイズを確認させていただきます」
挨拶を交わし、受付嬢が出したもの。それは冒険者登録用紙だ。
ここにノアの名前と出自、有れば戦闘経験の有無などを記入することで、登録完了となる。
「……これで大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。ええっと……お名前はノア様ですね? 戦闘経験の有無は……無しでお間違いございませんか?」
「はい、間違いありません」
冒険者登録をする者、つまりは冒険者に成り立ての新人である。
ギルドを通してクエストを受注したことのない者がほとんどだろう。
故に、戦闘経験を持たない者ばかりとなる。
ノア自身、私設兵と共に魔物狩りをしたことはあった。
実戦での経験を積む為、そして魔力の値を増やす為だったが、実際にはその大半がノアの手を使わずに討伐されている。
冒険者になることが分かっていれば、もっと率先して戦うべきだった、と今更ながらに思ってしまう。
「では、こちらが冒険者証になります。ご自身の身分の証明にもなりますので、失くさずにお持ちください」
銅で出来た指輪を受け取り、それを左手の小指に嵌める。
あっさりと済んだが、これでノアも冒険者の仲間入りだ。
「え、えっと……登録した後は、何をすればいいんでしょうか?」
「あちらにクエスト掲示板がございますので、受けたいクエスト用紙をこちらまでお持ちください」
「あ、ありがとうございますっ」
お辞儀をし、ノアは受付を後にする。
受付嬢に言われたクエスト掲示板なるものへと目を通す。そこには数多くの依頼用紙が貼られていた。
ここから自分の実力に見合ったものを選択し、受注することになる。
「わたしにも出来そうなクエストは……」
冒険者には等級制度がある。
生り立ての冒険者は銅等級で、経験を積み、ギルドへと貢献し続けることで、大銅等級、銀等級、大銀等級と上がっていく。
先ほど冒険者登録を終えたばかりのノアの等級は銅だ。
その等級に見合ったクエストを探してみる。
「薬草採取に、ギルド内の掃除……王都のドブ攫い……」
パッと見た感じでは、魔物を討伐する類のクエストは一つもない。
王都のギルド故に、冒険者は数えきれないほど存在する。
だからだろうか、下の等級の依頼は取り合いになってしまう。
「最初だから、確実に依頼達成出来そうな薬草採取にしようかな……」
「――おい、そこの女」
薬草採取のクエスト用紙を手に取ろうとするノアに、声を掛ける者が一人。
振り向くとそこには大柄な男と細身の女の姿があった。
「もしかして成り立てか?」
「え? ……あ、はい! そうです!」
「じゃあちょうどいいぜ。どうせ仲間もいねえんだろ? 俺様のパーティーに加えてやるよ」
有無を言わさぬ口調で言い放つ。
それが、ノアとボドとの出会いであった。
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