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レイノルズの悪魔 南領へ行く
乗馬と晩餐とあの頃の手紙
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リディアおばさまは私にあわせて鞍と乗馬服を用意してくれていた。さらには、乗馬を教えてくれる調教師の手配までしてくださっており、まだ跨がってすこし進む程度だけれど、流星号に乗ることもできた。
優しい目をした流星号は、私が乗ってもいやがらずにじっとしていた。
「あたたかくて、息をしているのね」
頭を撫でてやるとすり寄ってきたので、耳の後ろをかいてあげた。
「レディのことが、好きなんですね」
ルーファスはその様子をみて言う。
「そうだと嬉しいけど」
ふと以前のことがあたまを過る。あの馬もすりついてきたのに、いざ乗ろうとしたら、めいっぱいの力で振り落とされた。
やるせないきもちになって、手を下ろすとルーファスにむきなおった。
「ねえルーファス、あなたお腹すいていない?」
バスケットを見せて、わらいかけた。
「それで夕方まで、馬をみていたのかい」
リディアおばさまは、わたしに自分のぶんのアップルケーキを分けて下さりながら、肩をすくめた。
「馬に乗ったら緊張してしまって、とてもおなかがすいたのです」
私がこたえるとリディアおばさまとマリアテレサおばさまは手を叩いてわらった。
おばさまたちにとってわたしはとても、面白いらしい。
おばさまたちがあれもこれもとききたがるものだから、わたしもついついおしゃべりになってしまう。馬に乗った話をすると、リディアおばさまは、
「あたしは若いとき、何度も乗馬のレースで優勝したのよ。本当は競馬の騎手になりたかった。でも、公爵家の令嬢は競馬の騎手にはなれなかったからね…それで、馬を飼っている貴族のところにお嫁にいくことにしたの」
それを聞いたマリアテレサおばさまの驚いた表情といったらなかった。
「リディア、あなたったら、そんな理由でこんな遠くまで?それ、本当?」
目を白黒させているマリアテレサおばさまの顔をみて、またわたしたちはわらってしまう。
それにルーファスを犬の名前と間違えた件は、なぜかおばさまたちにすぐばれてしまっていて、おばさまたちはバートをみるたび笑いが出るようになってしまった。
おかげでその日は食後のお茶の間じゅうおばさまたちはくすくす笑い続け、わたしはバートが気を悪くしないかはらはらしていた。
「ごめんなさいバート、わたしがうっかりしてしまったばかりに」
わたしがあやまると、
「いいえ、息子を犬笛で呼ぶような不躾をしていた私の落ち度です、レディ・レイノルズ。どうか頭を上げて下さい」
そういうと、バートも頭を下げる。
「バート、ルーファスに明日も厩へきてもらうことはできるかしら?」
私が尋ねると、
「構いません、あと2週間ほどで新学期が始まります。いまは余暇の身なので、好きに呼びつけてやってください」
そういって、バートは口元だけでそっと笑った。素敵なおとうさん、て感じだわ。ルーファスは羨ましい環境で育っていると思う。前の私だったら真っ先に目の敵にしているかもしれないわ。
夏期休暇中だったのね、なるほど、どおりで部署もきまらずに彷徨いてるはずね。
「そうでしたか、では明日またお会いしますとお伝えください。では、おやすみなさいませ」
スカートの裾をひいて頭を下げるとバートも右手を胸の前に掲げて頭を下げてくれた。
「不肖の息子ですが、精一杯仕えさせます。レディ・レイノルズ、よい夜を」
ちゃんとした挨拶が返ってきたことが嬉しくて、もう一度頭を下げてから私は足取り軽く部屋へ戻った。
部屋へ戻るとトリスがほっぺたを脹らまして待っていた。
「聞いてよ、あの侍女のおばさんたち、あたしのあんたへのしゃべり方がぞんざいだって、はなしかたまで口出しするのよ!」
そう言いながらもちゃんと風呂を沸かし、寝間着を用意してくれている。トリスは少しづつ、仕事を身につけてくれているのだ。
「そうね…例えば私の部屋にいるときと、そとにいるときを使い分けてはどう?」
そう提案してみると、トリスはムッとしたようで、少し乱暴に私の髪にお湯をかけた。正直、別に私は侍女をトリスでなくてはと思っているわけではない。
むしろ、大人のちゃんとした侍女がつけてもらえるなら、トリスは元通り衣装係でもいいくらいなのだけど。
そこが問題なのだ。レンブラントがいまもレイノルズ公爵邸にのさばっている以上、まともな侍女は望めないのでは?それどころか、またあのロレーヌのようなレンブラントのお気に入りを増やす結果になっては目もあてられない。
前の9歳の頃の私には、今のトリスのように私の味方をしてくれるひとはいなかった。
夜、リディアおばさまの小さいけれど綺麗な客用寝室の布団に入ったとき、ふわりとたちのぼったポプリの薫りに、レイノルズ邸の寝室を思い出す。
レイノルズ邸は、おじいさまの通る場所やレンブラント達のいる使用人棟はきれいにされているけれど、あとの場所…私の部屋と、今は使われていない多くの部屋や離れは荒れ果てていた。
あの夏、私はその荒れ果てた屋敷のなかをくまなく歩いていた。そうやって衣装部屋のかくし階段や、その他の抜け道やかくし部屋をみつけていったのだ。
理由というほどのことはなくて、よその令嬢に呼ばれて出かけて、集まった令嬢達で誰かの悪口をいうか、そうやって時間を潰すくらいしかすることがなかったからだ。
あとはひたすらしめっぽい部屋で、クロードさまへ手紙を書いていた。殆ど返信はなくて、あっても侍従に書かせたような定型文だけだったけれど、クロードさまだけが
私をあの場所から連れ出してくれると信じていた。
あの頃の手紙には、何が書いてあっただろう。天気のこと?読んだ本?行きたい所?とにかく、私のことでクロードさまに知られても恥ずかしくないことは全て書いた。
そして最後は必ず、
「次にお会いできることを楽しみにしております」
と追伸した。
あの手紙、読まなかっただろうけど、どうしたんだろう?棄ててくれていればいい。とっておかれて、いつか誰かの目に触れたりしたら、どんなに嗤われるかわからないから。
優しい目をした流星号は、私が乗ってもいやがらずにじっとしていた。
「あたたかくて、息をしているのね」
頭を撫でてやるとすり寄ってきたので、耳の後ろをかいてあげた。
「レディのことが、好きなんですね」
ルーファスはその様子をみて言う。
「そうだと嬉しいけど」
ふと以前のことがあたまを過る。あの馬もすりついてきたのに、いざ乗ろうとしたら、めいっぱいの力で振り落とされた。
やるせないきもちになって、手を下ろすとルーファスにむきなおった。
「ねえルーファス、あなたお腹すいていない?」
バスケットを見せて、わらいかけた。
「それで夕方まで、馬をみていたのかい」
リディアおばさまは、わたしに自分のぶんのアップルケーキを分けて下さりながら、肩をすくめた。
「馬に乗ったら緊張してしまって、とてもおなかがすいたのです」
私がこたえるとリディアおばさまとマリアテレサおばさまは手を叩いてわらった。
おばさまたちにとってわたしはとても、面白いらしい。
おばさまたちがあれもこれもとききたがるものだから、わたしもついついおしゃべりになってしまう。馬に乗った話をすると、リディアおばさまは、
「あたしは若いとき、何度も乗馬のレースで優勝したのよ。本当は競馬の騎手になりたかった。でも、公爵家の令嬢は競馬の騎手にはなれなかったからね…それで、馬を飼っている貴族のところにお嫁にいくことにしたの」
それを聞いたマリアテレサおばさまの驚いた表情といったらなかった。
「リディア、あなたったら、そんな理由でこんな遠くまで?それ、本当?」
目を白黒させているマリアテレサおばさまの顔をみて、またわたしたちはわらってしまう。
それにルーファスを犬の名前と間違えた件は、なぜかおばさまたちにすぐばれてしまっていて、おばさまたちはバートをみるたび笑いが出るようになってしまった。
おかげでその日は食後のお茶の間じゅうおばさまたちはくすくす笑い続け、わたしはバートが気を悪くしないかはらはらしていた。
「ごめんなさいバート、わたしがうっかりしてしまったばかりに」
わたしがあやまると、
「いいえ、息子を犬笛で呼ぶような不躾をしていた私の落ち度です、レディ・レイノルズ。どうか頭を上げて下さい」
そういうと、バートも頭を下げる。
「バート、ルーファスに明日も厩へきてもらうことはできるかしら?」
私が尋ねると、
「構いません、あと2週間ほどで新学期が始まります。いまは余暇の身なので、好きに呼びつけてやってください」
そういって、バートは口元だけでそっと笑った。素敵なおとうさん、て感じだわ。ルーファスは羨ましい環境で育っていると思う。前の私だったら真っ先に目の敵にしているかもしれないわ。
夏期休暇中だったのね、なるほど、どおりで部署もきまらずに彷徨いてるはずね。
「そうでしたか、では明日またお会いしますとお伝えください。では、おやすみなさいませ」
スカートの裾をひいて頭を下げるとバートも右手を胸の前に掲げて頭を下げてくれた。
「不肖の息子ですが、精一杯仕えさせます。レディ・レイノルズ、よい夜を」
ちゃんとした挨拶が返ってきたことが嬉しくて、もう一度頭を下げてから私は足取り軽く部屋へ戻った。
部屋へ戻るとトリスがほっぺたを脹らまして待っていた。
「聞いてよ、あの侍女のおばさんたち、あたしのあんたへのしゃべり方がぞんざいだって、はなしかたまで口出しするのよ!」
そう言いながらもちゃんと風呂を沸かし、寝間着を用意してくれている。トリスは少しづつ、仕事を身につけてくれているのだ。
「そうね…例えば私の部屋にいるときと、そとにいるときを使い分けてはどう?」
そう提案してみると、トリスはムッとしたようで、少し乱暴に私の髪にお湯をかけた。正直、別に私は侍女をトリスでなくてはと思っているわけではない。
むしろ、大人のちゃんとした侍女がつけてもらえるなら、トリスは元通り衣装係でもいいくらいなのだけど。
そこが問題なのだ。レンブラントがいまもレイノルズ公爵邸にのさばっている以上、まともな侍女は望めないのでは?それどころか、またあのロレーヌのようなレンブラントのお気に入りを増やす結果になっては目もあてられない。
前の9歳の頃の私には、今のトリスのように私の味方をしてくれるひとはいなかった。
夜、リディアおばさまの小さいけれど綺麗な客用寝室の布団に入ったとき、ふわりとたちのぼったポプリの薫りに、レイノルズ邸の寝室を思い出す。
レイノルズ邸は、おじいさまの通る場所やレンブラント達のいる使用人棟はきれいにされているけれど、あとの場所…私の部屋と、今は使われていない多くの部屋や離れは荒れ果てていた。
あの夏、私はその荒れ果てた屋敷のなかをくまなく歩いていた。そうやって衣装部屋のかくし階段や、その他の抜け道やかくし部屋をみつけていったのだ。
理由というほどのことはなくて、よその令嬢に呼ばれて出かけて、集まった令嬢達で誰かの悪口をいうか、そうやって時間を潰すくらいしかすることがなかったからだ。
あとはひたすらしめっぽい部屋で、クロードさまへ手紙を書いていた。殆ど返信はなくて、あっても侍従に書かせたような定型文だけだったけれど、クロードさまだけが
私をあの場所から連れ出してくれると信じていた。
あの頃の手紙には、何が書いてあっただろう。天気のこと?読んだ本?行きたい所?とにかく、私のことでクロードさまに知られても恥ずかしくないことは全て書いた。
そして最後は必ず、
「次にお会いできることを楽しみにしております」
と追伸した。
あの手紙、読まなかっただろうけど、どうしたんだろう?棄ててくれていればいい。とっておかれて、いつか誰かの目に触れたりしたら、どんなに嗤われるかわからないから。
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