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令嬢は甦る
清廉なる薫香
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ミルラが体を起こそうとするのを、私はそっと支えた。
「ミルラ、大丈夫?…どうしてこんな…」
「《ああ、まだ生きていたのか。使い終わったと思ったのに》」
バロウズが当たり前のように私のそばまでやってきていた。
「《それは私の許しもなく核を持ち出したから、私が古井戸に投げ込んでおいたんだ。万能の鱗粉を出せなくなった枯れかけのミルラの木など、ただでかくて邪魔になるからね》」
私は慌ててミルラをポケット滑りこませた。革袋が入っているから、下へ落ちたりしないはず。
「《あっ!ちょっと!こんなとこ!》」
よかった、しゃべれるみたい。
「ごめんね、ちょっと狭いけど」
ミルラはうう、と苦しげな声をあげたけれど、おとなしくなった。早くバロウズをどこかに行かせて、出してあげなきゃ。
「《へえ、そいつを庇うんだ?キンバリーの癖に》」
「貴様、誰かは解らんが、キンバリー家を愚弄するなら赦してはおけん」
義兄様が駆け寄ってきて私をバロウズからかくした。
「《役立たずの下郎がいくらいたところでなにができる?相手は数百年生きた人の悪意そのもの。ああ…前はキンバリー王と騎士どもが禁忌の森へ封じたんだったか?だが、奴は甦った…そうだろ?失敗だったんだ!国を奪われ、娘は殺された!キンバリーは負け犬だな!》」
げらげらとバロウズが笑う。
「なんだかわからないけどめちゃくちゃ腹の立つ奴だね」
第二皇子殿下が言って、バロウズの足元に何か黒い矢のようなものを放った。
「《!?なんだ、人間風情が高貴な精霊の真似事か?》」
バシッ、バシッと立て続けに魔術師たちも矢を放つ。当たっても傷つけられはしないようなのだが、衝撃はあるのかバロウズが後ろに下がる。
「まさかぁ、わざと当てるつもりはないですよ…足元にデカイ虫がいるもので、あたっちゃったなあ!」
バロウズが鞭のように蔓をつかって後ろへ飛び退くのと、地面から何かが噴き出して来るのは同時だった。
「ああん、捕まえそこねちゃった」
ドロドロしたそれが、見る間に女の顔をつけた巨大な虫の姿になる。びいん、とその声が公爵邸に響く。ガタガタとガラスが震えて、バラやダリアの花がいまにも振り落とされそうなほど揺れた。
「でもいいわ、ありがとうカーラントベルク侯爵令息さま。私の喉に刺さった骨を取ってくれて。おかげでなんでもできちゃう!」
そう言って、ミュシャは笑った。ぬめる液体が、笑った口から流れ出ている。
レイモンド様は訳が解らぬといった様子で、私のほうをみた。
「…あのブローチ、どこにあったんですか?」
「あの化け物を追っているときに、皇宮の井戸のふちに落ちていたんだ。かなり没薬の香りがしたから、てっきりきみのものだと。もってきてはいけなかったんだね?」
いいえ、と私はレイモンド様に首をふった。
「おかげでミルラを助けられました。ありがとうございます。ただ、あの井戸、多分アレの体の一部です」
ひぇっ、とレイモンド様がミュシャを見た。何かで濡れたようで、ぬいで持っていた上着をあわてて遠くへ投げた。手を突っ込んで拾ってくれたのね?よく食べられなかったわね。
「ああん、そんな顔しないでぇ?私は嫌じゃありませんでしたわ。とっても気持ちよかったのに…レイモンド様ってお呼びしても?」
すっごく気持ち悪い。レイモンド様は顔を青くして、いやいや、と首をふっている。私は気の毒になって、レイモンド様にハンカチを差し出した。けれど、そのハンカチはなぜかお義兄さまが受け取り、
「レイモンド、もっと近くに行ってやれ」
「お義兄様!?」
なんて危険な。でも、本当にどうしようかしら、井戸と全く別の場所に出てしまったから、封じるにしても……
「《ふん、こんな虫けら一匹退治し損ねるとはキンバリーも大したことはないな》」
バロウズが安全そうな場所から嘲笑った。
「《そうだ、そいつ退治してやろうか?願い事を叶えてやると約束したんだったな》」
レイモンド様と共に閉じ込められた迷宮で、バロウズは確かにそう言っていた。
「《だが、タダでってわけにはいかないが》」
そうこう言っているうちにも、ミュシャは公爵邸の庭を暴れまわっている。皇子殿下と魔術師たちはなんとか応戦しているけれど、ほおっておけば屋敷本体へもその暴力はおよびそうだった。
被害が及ぶことを危ぶまれた皇子宮と違い、公爵邸は使用人たちを逃がしていない。中には数百という人数の使用人が残っている。
「ナンシーさん達が…」
マリアも不安そうだわ。
仕方ない、このまま黙って見過ごしておくわけにはいかないわ。私がバロウズに返事をしようとした瞬間、とつぜん私のスカートが光り、ポケットからその光が飛び出していった。
「駄目よミルラ!」
私は叫んだ。ミルラが見つけたのは、私のポケットにあった火打箱だ。ミュシャを封じるために、鱗粉を燻すための道具だった。
「お義兄様、止めて!」
私に言われてお義兄様は火打箱をおいかける。
カチ、カチ、と火打箱から音がした。
「ミルラ!やめて!」
ミルラは核に火を放とうとしていた。
「《俺はどうせ枯れかけの木なんだ!アシュレイ、バロウズのいいなりになんかなっちゃ駄目だ!》」
お義兄様はとうとう、火打箱を取り返した、だけど、既に核はあかあかと炎をあげて燃え始めていた。
炎をあげて燃える核を抱えたミルラは、まるで炎の妖精みたいにみえた。
傷ついた羽で高く高く、青い空へと飛び上がり、そしてミュシャの頭上めがけて一直線に落ちてきた。
「い、やああああああ!」
一瞬にしてミュシャの髪は燃え上がり、どろりとその顔が溶け始める。
「うそ、うそうそうそ!あつうい!誰か助けて、皇子様ぁ!レイモンドさまああ!」
ぐにゃぐにゃとかたちを変えながらも、燃え広がるミュシャは、見た目の醜悪さとはうらはらに爽やかで甘い香りを立ち上らせている。
「没薬の匂い…妖精は?お姉様の妖精は無事ですか!?」
マリアが私に尋ねるけど、私は答えられない。
ここからじゃ、ミルラがどうなったのか見えないけれど、怖くて見に行けない。
ただ、いや、いや、とちいさくいいながら、いつの間にか涙が溢れてほほを濡らしている。わたし、なんで泣いてるの?
「《かわいそうなアシュレイ。人間のせいで友達が死んだね》」
バロウズはなにを言ってるの?
「《役立たずの騎士に魔術師。お前に毒をのませた人殺しの下僕ども。アレだって何百年か前は人間だった》」
まだ燃え盛りながらのたうち回っているミュシャを指差す。
「《こんなところ、うんざりだろ?フィヨールトに行けば、お前のお気に入りの妖精にも会える。もう諦めろよ、見限ってしまえ》」
「…ミルラがいるの?」
バロウズはちょっと意外そうに目を見開いた。
「《ああ!いるさ。ごまんといる、さあ、行こうじゃないか》」
「駄目だアシュレイ、耳を貸すな!」
お義兄様が、あわてて私の手を取ろうとするけれど、なぜかすりぬけてしまう。バロウズは私の手をひいて、つるバラの茂みを回り込もうとしていた。
けれどそこに、落ちているものを見つけて私は足をとめた。
「あ、待って…」
それは、あのブローチの燃え残り…小鳥が加えていた結晶だった。それを、注意ぶかく革袋へ入れる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そんなもの、何の役にもたたないただの砂利石じゃないか…まあ、粉にすればお前の飲むのに丁度いい鱗粉になるな!」
べらべらと話し続けるバロウズに、私は再び足をとめた。
いつの間にか、私とバロウズは例の薔薇の迷宮を歩いている。
「バロウズ、願い事を聞いてくれるのよね」
バロウズは少しだけ先まであるいていたが、戻ってきて不快そうに眉をよせた。
「欲深いところはキンバリーそのものだな。だが約束したからには叶えてやろう。何だ」
いちいち言い方が不愉快なのは我慢しよう。
「マリアと私の体を、元に戻して」
ああ、とバロウズは眉をあげた。
「フィヨールトに入ったら戻してやるよ、キンバリーの娘の癖に珍しくて綺麗だからな、どこへ飾っても自慢できるだろう」
ぐっ、と私は拳をにぎりしめた。
「…ミルラには、どうやったら会えるの」
うん?とバロウズは振り返った。
「ああ、岬のほうへゆけばミルラの木がある。そこへ行けばいいだろう」
心底面倒臭そうな言い方をしながらも、バロウズは私の手を離さない。逃がしてなるものかと思っているのだろう。装飾品としての価値しかない私でも、逃げられるのはイヤなのね。
それっきり、私たちは黙々と薔薇の回廊を歩いた。
ポケットがぽうっと温かく感じる。フィヨールトが近づいてきたから、革袋のなかで、ミルラの核が反応しているのだ。
ミルラは、生きているんだわ。なら絶対、諦めたりしない!ぐ、と歯をいちど噛み締めてほほえんだ。
「ミルラ、大丈夫?…どうしてこんな…」
「《ああ、まだ生きていたのか。使い終わったと思ったのに》」
バロウズが当たり前のように私のそばまでやってきていた。
「《それは私の許しもなく核を持ち出したから、私が古井戸に投げ込んでおいたんだ。万能の鱗粉を出せなくなった枯れかけのミルラの木など、ただでかくて邪魔になるからね》」
私は慌ててミルラをポケット滑りこませた。革袋が入っているから、下へ落ちたりしないはず。
「《あっ!ちょっと!こんなとこ!》」
よかった、しゃべれるみたい。
「ごめんね、ちょっと狭いけど」
ミルラはうう、と苦しげな声をあげたけれど、おとなしくなった。早くバロウズをどこかに行かせて、出してあげなきゃ。
「《へえ、そいつを庇うんだ?キンバリーの癖に》」
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義兄様が駆け寄ってきて私をバロウズからかくした。
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げらげらとバロウズが笑う。
「なんだかわからないけどめちゃくちゃ腹の立つ奴だね」
第二皇子殿下が言って、バロウズの足元に何か黒い矢のようなものを放った。
「《!?なんだ、人間風情が高貴な精霊の真似事か?》」
バシッ、バシッと立て続けに魔術師たちも矢を放つ。当たっても傷つけられはしないようなのだが、衝撃はあるのかバロウズが後ろに下がる。
「まさかぁ、わざと当てるつもりはないですよ…足元にデカイ虫がいるもので、あたっちゃったなあ!」
バロウズが鞭のように蔓をつかって後ろへ飛び退くのと、地面から何かが噴き出して来るのは同時だった。
「ああん、捕まえそこねちゃった」
ドロドロしたそれが、見る間に女の顔をつけた巨大な虫の姿になる。びいん、とその声が公爵邸に響く。ガタガタとガラスが震えて、バラやダリアの花がいまにも振り落とされそうなほど揺れた。
「でもいいわ、ありがとうカーラントベルク侯爵令息さま。私の喉に刺さった骨を取ってくれて。おかげでなんでもできちゃう!」
そう言って、ミュシャは笑った。ぬめる液体が、笑った口から流れ出ている。
レイモンド様は訳が解らぬといった様子で、私のほうをみた。
「…あのブローチ、どこにあったんですか?」
「あの化け物を追っているときに、皇宮の井戸のふちに落ちていたんだ。かなり没薬の香りがしたから、てっきりきみのものだと。もってきてはいけなかったんだね?」
いいえ、と私はレイモンド様に首をふった。
「おかげでミルラを助けられました。ありがとうございます。ただ、あの井戸、多分アレの体の一部です」
ひぇっ、とレイモンド様がミュシャを見た。何かで濡れたようで、ぬいで持っていた上着をあわてて遠くへ投げた。手を突っ込んで拾ってくれたのね?よく食べられなかったわね。
「ああん、そんな顔しないでぇ?私は嫌じゃありませんでしたわ。とっても気持ちよかったのに…レイモンド様ってお呼びしても?」
すっごく気持ち悪い。レイモンド様は顔を青くして、いやいや、と首をふっている。私は気の毒になって、レイモンド様にハンカチを差し出した。けれど、そのハンカチはなぜかお義兄さまが受け取り、
「レイモンド、もっと近くに行ってやれ」
「お義兄様!?」
なんて危険な。でも、本当にどうしようかしら、井戸と全く別の場所に出てしまったから、封じるにしても……
「《ふん、こんな虫けら一匹退治し損ねるとはキンバリーも大したことはないな》」
バロウズが安全そうな場所から嘲笑った。
「《そうだ、そいつ退治してやろうか?願い事を叶えてやると約束したんだったな》」
レイモンド様と共に閉じ込められた迷宮で、バロウズは確かにそう言っていた。
「《だが、タダでってわけにはいかないが》」
そうこう言っているうちにも、ミュシャは公爵邸の庭を暴れまわっている。皇子殿下と魔術師たちはなんとか応戦しているけれど、ほおっておけば屋敷本体へもその暴力はおよびそうだった。
被害が及ぶことを危ぶまれた皇子宮と違い、公爵邸は使用人たちを逃がしていない。中には数百という人数の使用人が残っている。
「ナンシーさん達が…」
マリアも不安そうだわ。
仕方ない、このまま黙って見過ごしておくわけにはいかないわ。私がバロウズに返事をしようとした瞬間、とつぜん私のスカートが光り、ポケットからその光が飛び出していった。
「駄目よミルラ!」
私は叫んだ。ミルラが見つけたのは、私のポケットにあった火打箱だ。ミュシャを封じるために、鱗粉を燻すための道具だった。
「お義兄様、止めて!」
私に言われてお義兄様は火打箱をおいかける。
カチ、カチ、と火打箱から音がした。
「ミルラ!やめて!」
ミルラは核に火を放とうとしていた。
「《俺はどうせ枯れかけの木なんだ!アシュレイ、バロウズのいいなりになんかなっちゃ駄目だ!》」
お義兄様はとうとう、火打箱を取り返した、だけど、既に核はあかあかと炎をあげて燃え始めていた。
炎をあげて燃える核を抱えたミルラは、まるで炎の妖精みたいにみえた。
傷ついた羽で高く高く、青い空へと飛び上がり、そしてミュシャの頭上めがけて一直線に落ちてきた。
「い、やああああああ!」
一瞬にしてミュシャの髪は燃え上がり、どろりとその顔が溶け始める。
「うそ、うそうそうそ!あつうい!誰か助けて、皇子様ぁ!レイモンドさまああ!」
ぐにゃぐにゃとかたちを変えながらも、燃え広がるミュシャは、見た目の醜悪さとはうらはらに爽やかで甘い香りを立ち上らせている。
「没薬の匂い…妖精は?お姉様の妖精は無事ですか!?」
マリアが私に尋ねるけど、私は答えられない。
ここからじゃ、ミルラがどうなったのか見えないけれど、怖くて見に行けない。
ただ、いや、いや、とちいさくいいながら、いつの間にか涙が溢れてほほを濡らしている。わたし、なんで泣いてるの?
「《かわいそうなアシュレイ。人間のせいで友達が死んだね》」
バロウズはなにを言ってるの?
「《役立たずの騎士に魔術師。お前に毒をのませた人殺しの下僕ども。アレだって何百年か前は人間だった》」
まだ燃え盛りながらのたうち回っているミュシャを指差す。
「《こんなところ、うんざりだろ?フィヨールトに行けば、お前のお気に入りの妖精にも会える。もう諦めろよ、見限ってしまえ》」
「…ミルラがいるの?」
バロウズはちょっと意外そうに目を見開いた。
「《ああ!いるさ。ごまんといる、さあ、行こうじゃないか》」
「駄目だアシュレイ、耳を貸すな!」
お義兄様が、あわてて私の手を取ろうとするけれど、なぜかすりぬけてしまう。バロウズは私の手をひいて、つるバラの茂みを回り込もうとしていた。
けれどそこに、落ちているものを見つけて私は足をとめた。
「あ、待って…」
それは、あのブローチの燃え残り…小鳥が加えていた結晶だった。それを、注意ぶかく革袋へ入れる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そんなもの、何の役にもたたないただの砂利石じゃないか…まあ、粉にすればお前の飲むのに丁度いい鱗粉になるな!」
べらべらと話し続けるバロウズに、私は再び足をとめた。
いつの間にか、私とバロウズは例の薔薇の迷宮を歩いている。
「バロウズ、願い事を聞いてくれるのよね」
バロウズは少しだけ先まであるいていたが、戻ってきて不快そうに眉をよせた。
「欲深いところはキンバリーそのものだな。だが約束したからには叶えてやろう。何だ」
いちいち言い方が不愉快なのは我慢しよう。
「マリアと私の体を、元に戻して」
ああ、とバロウズは眉をあげた。
「フィヨールトに入ったら戻してやるよ、キンバリーの娘の癖に珍しくて綺麗だからな、どこへ飾っても自慢できるだろう」
ぐっ、と私は拳をにぎりしめた。
「…ミルラには、どうやったら会えるの」
うん?とバロウズは振り返った。
「ああ、岬のほうへゆけばミルラの木がある。そこへ行けばいいだろう」
心底面倒臭そうな言い方をしながらも、バロウズは私の手を離さない。逃がしてなるものかと思っているのだろう。装飾品としての価値しかない私でも、逃げられるのはイヤなのね。
それっきり、私たちは黙々と薔薇の回廊を歩いた。
ポケットがぽうっと温かく感じる。フィヨールトが近づいてきたから、革袋のなかで、ミルラの核が反応しているのだ。
ミルラは、生きているんだわ。なら絶対、諦めたりしない!ぐ、と歯をいちど噛み締めてほほえんだ。
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