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精霊王と悪鬼
マリアとアシュレイ
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そうは言っても、私が招待されてもいない公爵邸に勝手に行かれるわけではない。と思いきや、意外なところから助けはやってきた。
「キンバリー邸に、マリアを?」
レイモンド様が袖のカフスボタンに苦心しながら聞き返している。手伝って差し上げると、ちょっと気恥ずかしそうに笑ってくれた。
侯爵様は気付かなかったのか、さっきからずっとそわそわとあちこち歩き回っている。
「ああ、令嬢が全く口をきかないらしくてね。キンバリー令嬢には親しい友人はいないそうだから、公爵が学園で会ったマリアを思い出して、話し相手にということらしいんだが」
侯爵様は不安そうに私とレイモンド様を交互にみているけれど、まだレイモンド様は眉をしかめていた。
「大丈夫ですわお兄様、私だって貴族の娘ですもの、ちゃんとやれます」
私がそう言うと、侯爵様もそうかと頷いた。
「わかった、僕は今日は出掛ける用事があるから付き添えないけれど、気をつけて行ってくるんだよ?」
心配そうなレイモンド様に、マリアのことを赤ん坊かなにかと勘違いしているのじゃないかと思いながらも、はあい、と返事をしてみせたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
キンバリー公爵邸について、すぐ妙なことに気がついた。
「これ、一体…」
私が驚いたのは、屋敷のあちこちに置かれた色とりどりの花や、珍しい菓子の箱が積み上がっていることだった。
たしか私がマリアと入れ替わる前は、花はおろか陶磁器の類いさえ飾られておらず、よく言えばこざっぱり、悪く言えば殺風景なのがキンバリー邸の特徴だったのに。
「《これはさ、みんなアシュレイのだよ!いろんな人がお見舞いとかって言って届けたからさ!》」
そう言って私の方にミルラが振り返る。なるほど、キンバリー家の強気の姿勢をみて、ゴマすりにきてるわけね。馬鹿馬鹿しい。
「《ところでミルラ、体はもう大丈夫なの?》」
私が尋ねると、へへ、とミルラは笑った。
「《アシュレイは優しいなあー》」
そういうことじゃないんだけど。誤魔化された感が否めない。ふわふわと飛んで行くミルラを見送り、私はソファセットに小さくなって座っている。
よく見るとずいぶん変わってる。ソファも前は質実剛健な固い革張りの黒と紺色のものだったのに、今や白木と柔らかいクッションでできたかわいらしいものだ。ゴマすりのプレゼントだけでなくて、なんていうか全体の印象がちがう。
「《マリアがいるし、俺も出入りしているから呪いが抑えられてるのかな…》」
紅茶にそえられた角砂糖を舐めながらミルラは言う。
「《公爵とあの騎士が随分アシュレイに気を遣ってるんだ。まあ、中はマリアだけど》」
「お待たせして申し訳ございません、侯爵令嬢」
扉が開き、中から侍女が頭をのぞかせた。
「お入り下さい」
◇◇◇◇◇◇◇
控えていた侍女がさがり、私はそっと寝室に足を踏み入れた。
「……マリア?」
私が声をかけると、ベッドの上にいた人物がシーツをはねあげて飛び出してきた。
「あしゅ、あ、公爵令嬢さま!」
床にスライディングしてひれ伏したのは、金と銀とが混ざりあう髪の女性だ。
「ごめんなさい!私、私のせいかもしれません!」
細い指先を床についたまま、涙眼で見上げる姿をじっくり見て、妙に得心した。
私って、すっごい美人だわ。
自画自賛してしまったけれど、こうして他人目線で見るとちょっとビックリするほどの美人だわ。
色は抜けるように白いのに、頬辺りはほんのりさくら色。唇はお化粧もあまりしていないのに赤くて、溶け合うような金と銀の艶やかな長い髪。灰色がかった霞のような紫の瞳は、いまは申し訳なさそうに潤んで、長い睫毛にけぶっている。
最近ずぅっとマリアをみていたから、なんだかホントに他人みたい。私の外見なのに。
当たり前よね、侍女7人が毎日毎日傅いて磨いてるんだもの。侍女の努力の賜物ね。そりゃ下級生の女の子たちがファンクラブ作るはずね。もしかしたら…ミュシャがいなければ私、ルディ殿下に取りつかれてたのかしら??ミュシャがいることを不運でしかないと思っていたけど、そうでもなかったわね。
「あの、お姉様?やはり怒っていらっしゃいますよね」
黙り込んでしまった私に、もじもじと指先を組合せながら、マリアが言った。おっと、いまは自分の顔を誉めている場合ではないわね。
「怒ってないわよ。そもそも、入れ替わりはあなたのせいではないでしょ?」
「でも私のまわり、いつもちょっと変なことばかり起きるんです…今もほら、お姉様の寝台の脇…」
そう言って指差したのは、例の薔薇の天蓋だ。
「これ、突然生えてきたそうなんです。これだけではなくて、私が行くところ行くところで…急に植物が繁茂しちゃったり、窓もないのに突風が吹いたり…」
ああ、バロウズの仕業だわね。と私は納得したけれど、マリアは顔を覆ってしまった。
「キンバリー家の皆様にもよくしていただいて、でも私は偽物で、申し訳なくて!」
気持ち、凄くわかるわ。
「大丈夫、あなたのせいじゃないのよ」
私が言うと、アシュレイは首をかしげた。
そこでこれまでミルラとバロウズが起こしたことをかいつまんで説明しおえると、
「妖精?」
マリアは心底おどろいた。
「貴方と私を入れ換えたのも、その妖精なのよ」
ミルラは例の薔薇の花の上に腰掛け、片足をくんでいる。やっぱりアシュレイの体では見えないのね。
「妖精…本当にいるのですか?」
え?と私とミルラは顔をみあわせた。
「マリアは妖精が見えるのじゃないの?」
尋ねると、
「いいえ、他のひとが使う加護による効果なら見えてましたが、妖精は…」
ん?じゃあはなんで私には見えたんだろう?生まれつきってわけではないのかしら。
「《バロウズが何かしたかもしれないね》」
ミルラはくるんと回って天井までとんで行く。よかった、すっかり元気みたい。
「でも、何の目的があって私たちを入れ替えなくてはいけなかったのかしら」
マリアの質問は、私も常々思っていたことだ。
「《見た目が珍しいアシュレイが気に入ったけど、アシュレイのままではつれてけないからだと思う…夕日の髪の乙女も、アシュレイも2人ともバロウズのお気に入りだけど、キンバリーは妖精の世界へ入れないように細工しちゃったから。中身を入れ替えて「これは夕日の髪の乙女、こっちも夕日の髪の乙女」ってごまかして連れ込むつもりだったんだ》」
イライラしすぎておもいっきり薔薇を睨み付けていたら、マリアがあのう、と悲しげに言った。
「妖精さんは何て?」
そうだった、声も聞こえないのよね。私が説明すると、マリアはさっきとはうってかわって
「なんなんですか、それ!酷い!」
と怒りだした。マリアって怒るのね、お兄さんのレイモンド様が何しても怒らないから、余程気の長い兄妹かと思っていたのだけど。
変に感心していた私に振り返り、アシュレイお姉様、とマリアが私の手を握った。
「なんて理不尽なことばかりなのでしょう!お姉様はもっと怒ってもいいです!こんな周りにいるのが酷い男の人たちばっかりなんて!」
えええ、と私は眉をさげる。いや、ルディ殿下あたりはまあまあそうだけど、お義父様たちはそうでもないのだけど…
「顔が怖すぎます!言うことも!することも!」
あ、まあ、でも顔は生まれつきなんだし……そこまで考えてから、はたとここに来た理由を思い出した。
「そうだわ、マリア、お義父様たちを何とかして止めないと駄目なのよ」
私はマリアの手をとり、じっと顔をみつめた。
「!、む、無理です!!わたし、話をすることさえできないんですもの!だからずっと寝室に籠ってるんです。第一わたし、バレたら、きっと殺される……」
捲し立てていたマリアが突然口をぱくぱくさせて話を途切れさせ、がしゃん、となにかが私の背後で落ちた音がしたので私は振り返った。
「《あ、騎士のやつがお茶溢した》」
ミルラが薔薇から顔を出して言うけれど、私もマリアも身動きもできない。
「あ、え、テオドア…様?いつからそこに?」
私が尋ねると、銀のトレーをテーブルに置きそこねたお義兄様はしまった、と銀食器が散乱しお茶が飛び散った床をながめながら呟いている。
なんで公爵の子息がお茶を自分で運んでるのよ。そこがまず予想外すぎるでしょう。
「アシュレイ……?」
あら、えっと、これはどこから聞いてたんだろう?
「はい、お義兄様」
私が応えると、
「アシュレイ?」
と、マリアの方を見る。ヒッ、と怯えた声を出すマリアに、お義兄様は肩をおとした。
「入れ替わっているというのは、本当のようだな」
ヨロ、とお義兄様は手近にあった長椅子にとりつき、座り込んだ。
「大丈夫ですか?気付けになにか用意させますか?」
マリアが急にしっかりした口調で尋ねる(体は私の後ろに隠れたままだけど)と、お義兄様はいや、と首をふった。
「ちょっと考えを纏める時間をくれ」
「キンバリー邸に、マリアを?」
レイモンド様が袖のカフスボタンに苦心しながら聞き返している。手伝って差し上げると、ちょっと気恥ずかしそうに笑ってくれた。
侯爵様は気付かなかったのか、さっきからずっとそわそわとあちこち歩き回っている。
「ああ、令嬢が全く口をきかないらしくてね。キンバリー令嬢には親しい友人はいないそうだから、公爵が学園で会ったマリアを思い出して、話し相手にということらしいんだが」
侯爵様は不安そうに私とレイモンド様を交互にみているけれど、まだレイモンド様は眉をしかめていた。
「大丈夫ですわお兄様、私だって貴族の娘ですもの、ちゃんとやれます」
私がそう言うと、侯爵様もそうかと頷いた。
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「これ、一体…」
私が驚いたのは、屋敷のあちこちに置かれた色とりどりの花や、珍しい菓子の箱が積み上がっていることだった。
たしか私がマリアと入れ替わる前は、花はおろか陶磁器の類いさえ飾られておらず、よく言えばこざっぱり、悪く言えば殺風景なのがキンバリー邸の特徴だったのに。
「《これはさ、みんなアシュレイのだよ!いろんな人がお見舞いとかって言って届けたからさ!》」
そう言って私の方にミルラが振り返る。なるほど、キンバリー家の強気の姿勢をみて、ゴマすりにきてるわけね。馬鹿馬鹿しい。
「《ところでミルラ、体はもう大丈夫なの?》」
私が尋ねると、へへ、とミルラは笑った。
「《アシュレイは優しいなあー》」
そういうことじゃないんだけど。誤魔化された感が否めない。ふわふわと飛んで行くミルラを見送り、私はソファセットに小さくなって座っている。
よく見るとずいぶん変わってる。ソファも前は質実剛健な固い革張りの黒と紺色のものだったのに、今や白木と柔らかいクッションでできたかわいらしいものだ。ゴマすりのプレゼントだけでなくて、なんていうか全体の印象がちがう。
「《マリアがいるし、俺も出入りしているから呪いが抑えられてるのかな…》」
紅茶にそえられた角砂糖を舐めながらミルラは言う。
「《公爵とあの騎士が随分アシュレイに気を遣ってるんだ。まあ、中はマリアだけど》」
「お待たせして申し訳ございません、侯爵令嬢」
扉が開き、中から侍女が頭をのぞかせた。
「お入り下さい」
◇◇◇◇◇◇◇
控えていた侍女がさがり、私はそっと寝室に足を踏み入れた。
「……マリア?」
私が声をかけると、ベッドの上にいた人物がシーツをはねあげて飛び出してきた。
「あしゅ、あ、公爵令嬢さま!」
床にスライディングしてひれ伏したのは、金と銀とが混ざりあう髪の女性だ。
「ごめんなさい!私、私のせいかもしれません!」
細い指先を床についたまま、涙眼で見上げる姿をじっくり見て、妙に得心した。
私って、すっごい美人だわ。
自画自賛してしまったけれど、こうして他人目線で見るとちょっとビックリするほどの美人だわ。
色は抜けるように白いのに、頬辺りはほんのりさくら色。唇はお化粧もあまりしていないのに赤くて、溶け合うような金と銀の艶やかな長い髪。灰色がかった霞のような紫の瞳は、いまは申し訳なさそうに潤んで、長い睫毛にけぶっている。
最近ずぅっとマリアをみていたから、なんだかホントに他人みたい。私の外見なのに。
当たり前よね、侍女7人が毎日毎日傅いて磨いてるんだもの。侍女の努力の賜物ね。そりゃ下級生の女の子たちがファンクラブ作るはずね。もしかしたら…ミュシャがいなければ私、ルディ殿下に取りつかれてたのかしら??ミュシャがいることを不運でしかないと思っていたけど、そうでもなかったわね。
「あの、お姉様?やはり怒っていらっしゃいますよね」
黙り込んでしまった私に、もじもじと指先を組合せながら、マリアが言った。おっと、いまは自分の顔を誉めている場合ではないわね。
「怒ってないわよ。そもそも、入れ替わりはあなたのせいではないでしょ?」
「でも私のまわり、いつもちょっと変なことばかり起きるんです…今もほら、お姉様の寝台の脇…」
そう言って指差したのは、例の薔薇の天蓋だ。
「これ、突然生えてきたそうなんです。これだけではなくて、私が行くところ行くところで…急に植物が繁茂しちゃったり、窓もないのに突風が吹いたり…」
ああ、バロウズの仕業だわね。と私は納得したけれど、マリアは顔を覆ってしまった。
「キンバリー家の皆様にもよくしていただいて、でも私は偽物で、申し訳なくて!」
気持ち、凄くわかるわ。
「大丈夫、あなたのせいじゃないのよ」
私が言うと、アシュレイは首をかしげた。
そこでこれまでミルラとバロウズが起こしたことをかいつまんで説明しおえると、
「妖精?」
マリアは心底おどろいた。
「貴方と私を入れ換えたのも、その妖精なのよ」
ミルラは例の薔薇の花の上に腰掛け、片足をくんでいる。やっぱりアシュレイの体では見えないのね。
「妖精…本当にいるのですか?」
え?と私とミルラは顔をみあわせた。
「マリアは妖精が見えるのじゃないの?」
尋ねると、
「いいえ、他のひとが使う加護による効果なら見えてましたが、妖精は…」
ん?じゃあはなんで私には見えたんだろう?生まれつきってわけではないのかしら。
「《バロウズが何かしたかもしれないね》」
ミルラはくるんと回って天井までとんで行く。よかった、すっかり元気みたい。
「でも、何の目的があって私たちを入れ替えなくてはいけなかったのかしら」
マリアの質問は、私も常々思っていたことだ。
「《見た目が珍しいアシュレイが気に入ったけど、アシュレイのままではつれてけないからだと思う…夕日の髪の乙女も、アシュレイも2人ともバロウズのお気に入りだけど、キンバリーは妖精の世界へ入れないように細工しちゃったから。中身を入れ替えて「これは夕日の髪の乙女、こっちも夕日の髪の乙女」ってごまかして連れ込むつもりだったんだ》」
イライラしすぎておもいっきり薔薇を睨み付けていたら、マリアがあのう、と悲しげに言った。
「妖精さんは何て?」
そうだった、声も聞こえないのよね。私が説明すると、マリアはさっきとはうってかわって
「なんなんですか、それ!酷い!」
と怒りだした。マリアって怒るのね、お兄さんのレイモンド様が何しても怒らないから、余程気の長い兄妹かと思っていたのだけど。
変に感心していた私に振り返り、アシュレイお姉様、とマリアが私の手を握った。
「なんて理不尽なことばかりなのでしょう!お姉様はもっと怒ってもいいです!こんな周りにいるのが酷い男の人たちばっかりなんて!」
えええ、と私は眉をさげる。いや、ルディ殿下あたりはまあまあそうだけど、お義父様たちはそうでもないのだけど…
「顔が怖すぎます!言うことも!することも!」
あ、まあ、でも顔は生まれつきなんだし……そこまで考えてから、はたとここに来た理由を思い出した。
「そうだわ、マリア、お義父様たちを何とかして止めないと駄目なのよ」
私はマリアの手をとり、じっと顔をみつめた。
「!、む、無理です!!わたし、話をすることさえできないんですもの!だからずっと寝室に籠ってるんです。第一わたし、バレたら、きっと殺される……」
捲し立てていたマリアが突然口をぱくぱくさせて話を途切れさせ、がしゃん、となにかが私の背後で落ちた音がしたので私は振り返った。
「《あ、騎士のやつがお茶溢した》」
ミルラが薔薇から顔を出して言うけれど、私もマリアも身動きもできない。
「あ、え、テオドア…様?いつからそこに?」
私が尋ねると、銀のトレーをテーブルに置きそこねたお義兄様はしまった、と銀食器が散乱しお茶が飛び散った床をながめながら呟いている。
なんで公爵の子息がお茶を自分で運んでるのよ。そこがまず予想外すぎるでしょう。
「アシュレイ……?」
あら、えっと、これはどこから聞いてたんだろう?
「はい、お義兄様」
私が応えると、
「アシュレイ?」
と、マリアの方を見る。ヒッ、と怯えた声を出すマリアに、お義兄様は肩をおとした。
「入れ替わっているというのは、本当のようだな」
ヨロ、とお義兄様は手近にあった長椅子にとりつき、座り込んだ。
「大丈夫ですか?気付けになにか用意させますか?」
マリアが急にしっかりした口調で尋ねる(体は私の後ろに隠れたままだけど)と、お義兄様はいや、と首をふった。
「ちょっと考えを纏める時間をくれ」
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