JKなのに異世界に転生されたのでスキルを使って男達を手玉にとりました

金城城太郎

文字の大きさ
上 下
1 / 2

フェロモンの力と異世界の目覚め

しおりを挟む
「ドーン!」という音とともに視界が真っ白に染まる。次の瞬間、耳をつんざくような金属音と、人々の叫び声が混じり合う。通学途中の横断歩道で、主人公の須藤みつきは目の前に迫ってくるトラックを見て、何もできずにその場で立ち尽くしていた。    衝撃はあっけなく、そして激しい。痛みを感じる暇もなく、みつきの意識は遠のいた。

 「これが……死ぬってこと、なんだ……」

 そんな思いを抱えながら、彼女は目を閉じた。

 ――ところが。

 気づけば、みつきは広い空を仰ぎ見ていた。澄んだ青空に浮かぶ雲が、ゆっくりと流れていく。まばゆい日差しが顔に差し込むのを感じ、みつきはしばらくそのままぼんやりと天を眺めていたが、次第に自分が横たわっていることに気づく。

 「……え? 私、まだ……生きてる?」

 みつきは上半身を起こし、周りを見回す。そこは見知らぬ場所だった。草原が広がり、遠くには森が見える。あまりにも現実離れした光景に、みつきは目を瞬かせた。

 「ここ、どこ?」

 頭の中は混乱していたが、ふと身体に違和感を覚えた。自分の身体が、まるで何かが変わってしまったかのように軽く、そして……妙に整っているような感覚がする。まじまじと手足を見つめ、さらに鏡のように水面に映った自分の姿を見た瞬間、みつきは驚愕した。

 「え!? これ、私?」

 転生したのか、異世界に来てしまったのかは分からない。ただ、目の前にいるのは明らかに以前の自分とは異なる、凛とした美しさを持つ少女の姿だ。そんな戸惑いの中、彼女はふと不思議な感覚に気づく。まるで周囲の空気が少しだけ……揺れ動いているような、そして何かが引き寄せられるような感覚。

 ――その瞬間。

 「……あ、あれは!」

 遠くの草原の向こうから、一人の青年が慌ててこちらに駆け寄ってくる。彼は何かを叫んでいるが、みつきにはよく聞こえない。しかしその表情はどこか困惑していて、額には汗が滲んでいる。

 青年はみつきの目の前まで来ると、驚いたように立ち止まり、息を切らしながら彼女を見つめた。

 「君、大丈夫か? こんなところで倒れて……怪我は?」

 彼は真剣な表情で問いかけてくるが、みつきはその口調と態度に一瞬で心を奪われそうになった。背が高く、端整な顔立ち。そしてどこか貴族のような気品がある。

 「え、あ、だ、大丈夫……たぶん」

 みつきは慌てて答えたが、青年の視線が妙に熱っぽいことに気づき、少し戸惑う。しかし、彼の言葉に耳を傾けるうちに、自分の中で何かが変わっていることを感じ始める。

 「もしかして、これが……スキル?」

 それが「フェロモン」という固有スキルだと、彼女が自覚するのはもう少し先の話だった――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

【コピペ】を授かった俺は異世界で最強。必要な物はコピペで好きなだけ増やし、敵の攻撃はカットで防ぐ。え?倒した相手のスキルももらえるんですか?

黄舞
ファンタジー
 パソコンが出来ない上司のせいでコピーアンドペースト(コピペ)を教える毎日だった俺は、トラックに跳ねられて死んでしまった。 「いつになったらコピペ使えるようになるんだ―!!」  が俺の最後の言葉だった。 「あなたの願い叶えました。それでは次の人生を楽しんでください」  そういう女神が俺に与えたスキルは【コピペ(カット機能付き)】  思わぬ事態に最初は戸惑っていた俺だが、そのスキルの有用性に気付き、いつのまにやら異世界で最強の存在になっていた。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

処理中です...