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七章 最高のクリスマスプレゼント
76話 聖夜へ
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「そういえば自分らって今のDOのメンバーで行事とかしたことないよな」
十二月の下旬。高校が冬休みに入る頃。DOの定例会終わりに田所さんが呟く。
「まぁ前までは俺と指揮官と田所先輩の男三人しかいませんでしたし、三人とも行事とかするタイプじゃないですからね」
峰山さんは僕が入る数ヶ月前にDOに入ったので、そう考えると恐らく数年は三人だけでDOを運営していたのだろう。
三人だけって今考えるとよくそんな人数で制圧できてたな。やっぱり何年もDOやってる二人はすごいな。
「ちょうどクリスマスも近いことだし、なーんかそれに沿ったことやりてぇよなー」
「エックスの件ももうオレ達にできることはないし、とりあえずひと段落もついたからよっぽど変なことじゃなければ何かやるか?」
父さんは"よっぽど"という所を田所さんに向けて強調して話す。
一ヶ月ほど前の文化祭で無許可で花火を撃ったことのせいだろう。
「あはは怖いよ指揮官~もうしないって流石に……あ! じゃあプレゼント交換会とかどう? それぞれ全員の特徴を捉えたプレゼントを用意するっていうのは?」
プレゼント交換会をクリスマスにやるというのはドラマとかでもあったしいいが、全員分用意するなんて話聞いたことがない。
確かこういうのはみんな一つずつ持ってきてランダムに交換するのが主流のはずだ。
「全員分? こういうのって一人一個なんじゃ……いやわたくしも漫画で読んだ知識ですけど」
僕のふと思った気持ちを峰山さんが代弁してくれる。
「まぁそこはみんなのお互いの理解とか仲を深めたいからさ。どう?」
「改めて日頃の感謝を伝え、お互いをもっとよく知る機会としてはいいと思いますよ」
まず峰山さんが意見に賛同し、その他の僕達も特に反論することもなく賛成する。
こうしてクリスマスの日にプレゼント交換会を開くことを決め僕達は解散する。
「生人さん。いつプレゼントを買いに行きますか? もうあまり時間がないですからネット配達とかもできませんし」
部屋に残った峰山さんとプレゼントをどうするか話し合う。
僕達はちょうど今日から冬休みで、今日が二十二日なので、二十四日の夜に交換会が行われることを考えたらもうあまり時間はない。
「うーん……二十四日の午前中に何か買いに行く? ついでにケーキとかも買いたいし」
「えっ!? 二十四日に一緒にですか……?」
峰山さんは何故か僕の提案を聞いて頬を赤らめる。何か僕がまずいことを言ってしまったのだろうか?
「予定が合わなかった?」
「い、いえそういうわけではなくて……その……はい。よろしくお願いします」
妙に改まってよそよそしい。何か気に障ることでも言ってしまったか心配になったが、特にそんなことなくそれ以降は普通に接してくれる。
それから何事もなく日常が過ぎていき、二十四日のクリスマス交換会の日を迎えるのだった。
☆☆☆
二十四日の朝、僕達は夏に岩永さんと来たショッピングモールにまで来ていた。
相変わらず広く高いここは圧巻で、プレゼント用の商品に絞ったとしてもかなりの数の店舗がある。
「まずは二人で他のみんなのプレゼントを考えませんか? まずは風斗さんの物から考えてみましょう」
十数分ほど彷徨ったが良い物が思いつかず、ここままではいつまで経っても決めれないと思ったのか峰山さんが一つ案を出してくれる。
「みんなのことを同時に考えるより一人一人ゆっくり考えた方が早そうだね。うんそうしよう!」
そうしてまずは風斗さんのイメージに合ったプレゼントを探す。
真面目で凛としていて、それでもって遠回しの優しさを垣間見させてくれる風斗さん。
そんな彼について話し合いながらプレゼントを探す。
「そういえばあの人ってかなりのアイのファンでしたよね?」
話の途中でふと峰山さんが思い出したかのように語り出す。
風斗さんは海でのあの姿を見るにアイの重度のファンなのはすぐに察しがつく。
とはいってもアイの関連商品をプレゼントにしようにも都合良くあるとも思えないし、あったとしてももう彼は持っているだろう。
「別に買わなくても作ればいいんですよね……」
頭を悩ましていたが、峰山さんの発した一言が状況を好転させる。
「わたくし達で世界で一つだけのアイのグッズを作りませんか?」
十二月の下旬。高校が冬休みに入る頃。DOの定例会終わりに田所さんが呟く。
「まぁ前までは俺と指揮官と田所先輩の男三人しかいませんでしたし、三人とも行事とかするタイプじゃないですからね」
峰山さんは僕が入る数ヶ月前にDOに入ったので、そう考えると恐らく数年は三人だけでDOを運営していたのだろう。
三人だけって今考えるとよくそんな人数で制圧できてたな。やっぱり何年もDOやってる二人はすごいな。
「ちょうどクリスマスも近いことだし、なーんかそれに沿ったことやりてぇよなー」
「エックスの件ももうオレ達にできることはないし、とりあえずひと段落もついたからよっぽど変なことじゃなければ何かやるか?」
父さんは"よっぽど"という所を田所さんに向けて強調して話す。
一ヶ月ほど前の文化祭で無許可で花火を撃ったことのせいだろう。
「あはは怖いよ指揮官~もうしないって流石に……あ! じゃあプレゼント交換会とかどう? それぞれ全員の特徴を捉えたプレゼントを用意するっていうのは?」
プレゼント交換会をクリスマスにやるというのはドラマとかでもあったしいいが、全員分用意するなんて話聞いたことがない。
確かこういうのはみんな一つずつ持ってきてランダムに交換するのが主流のはずだ。
「全員分? こういうのって一人一個なんじゃ……いやわたくしも漫画で読んだ知識ですけど」
僕のふと思った気持ちを峰山さんが代弁してくれる。
「まぁそこはみんなのお互いの理解とか仲を深めたいからさ。どう?」
「改めて日頃の感謝を伝え、お互いをもっとよく知る機会としてはいいと思いますよ」
まず峰山さんが意見に賛同し、その他の僕達も特に反論することもなく賛成する。
こうしてクリスマスの日にプレゼント交換会を開くことを決め僕達は解散する。
「生人さん。いつプレゼントを買いに行きますか? もうあまり時間がないですからネット配達とかもできませんし」
部屋に残った峰山さんとプレゼントをどうするか話し合う。
僕達はちょうど今日から冬休みで、今日が二十二日なので、二十四日の夜に交換会が行われることを考えたらもうあまり時間はない。
「うーん……二十四日の午前中に何か買いに行く? ついでにケーキとかも買いたいし」
「えっ!? 二十四日に一緒にですか……?」
峰山さんは何故か僕の提案を聞いて頬を赤らめる。何か僕がまずいことを言ってしまったのだろうか?
「予定が合わなかった?」
「い、いえそういうわけではなくて……その……はい。よろしくお願いします」
妙に改まってよそよそしい。何か気に障ることでも言ってしまったか心配になったが、特にそんなことなくそれ以降は普通に接してくれる。
それから何事もなく日常が過ぎていき、二十四日のクリスマス交換会の日を迎えるのだった。
☆☆☆
二十四日の朝、僕達は夏に岩永さんと来たショッピングモールにまで来ていた。
相変わらず広く高いここは圧巻で、プレゼント用の商品に絞ったとしてもかなりの数の店舗がある。
「まずは二人で他のみんなのプレゼントを考えませんか? まずは風斗さんの物から考えてみましょう」
十数分ほど彷徨ったが良い物が思いつかず、ここままではいつまで経っても決めれないと思ったのか峰山さんが一つ案を出してくれる。
「みんなのことを同時に考えるより一人一人ゆっくり考えた方が早そうだね。うんそうしよう!」
そうしてまずは風斗さんのイメージに合ったプレゼントを探す。
真面目で凛としていて、それでもって遠回しの優しさを垣間見させてくれる風斗さん。
そんな彼について話し合いながらプレゼントを探す。
「そういえばあの人ってかなりのアイのファンでしたよね?」
話の途中でふと峰山さんが思い出したかのように語り出す。
風斗さんは海でのあの姿を見るにアイの重度のファンなのはすぐに察しがつく。
とはいってもアイの関連商品をプレゼントにしようにも都合良くあるとも思えないし、あったとしてももう彼は持っているだろう。
「別に買わなくても作ればいいんですよね……」
頭を悩ましていたが、峰山さんの発した一言が状況を好転させる。
「わたくし達で世界で一つだけのアイのグッズを作りませんか?」
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