カードで戦うダンジョン配信者、社長令嬢と出会う。〜どんなダンジョンでもクリアする天才配信者の無双ストーリー〜

ニゲル

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六章 文化祭

64話 決戦

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「キュリアが見つかったのか!?」

 風斗さんが椅子を吹き飛ばす勢いで立ち上がる。
 この前僕達をボコボコにして、僕が二回も取り逃してしまった相手。その奴がやっと見つかったらしい。

「美咲が作った、奴の違法なランストの周波をキャッチする装置を作れたらしい。変身しないと反応はしないらしいが、それがついさっき反応があった」

 流石美咲さんだ。これで奴をみんなで倒すことができ……る……?

 僕の頭の中には本当に奴に勝てるのかという疑念が生じてしまう。
 この前だって奴に必殺技をクリーンヒットさせたというのに痛がる素振りもなかった。例え全員がかりでも勝てないのではと不安が浮かんでくる。

「大丈夫ですよ生人さん」

 そんな僕の気持ちを感じ取ったのか、隣に座っていた峰山さんが声をかけてくれる。
 大丈夫だと勇気づけてくれる。

「ごめん……心配させちゃった? でももう大丈夫!」

 ヒーローがこんなことでくよくよしてたらいけないよね……もっとヒーローとして自覚を持たないと。
 じゃないとだめなんだ……だめで……僕は……

 ドクンと心臓が脈打つように跳ね、また頭がボーッとしてくる。
 大丈夫と言っておきながら視界が歪んでしまい椅子から転げ落ちてしまう。

「生人さん!?」

 峰山さんがすぐに僕を持ち上げようとしてくれたが、その時にはもうこの体調不良は治ってくれていたので手を借りずに立ち上がる。
 
「生人くんは休んでたら? 最悪アタシ達だけでもなんとか……」
「だ、大丈夫です! 僕は……」

 椎葉さんは気を使って僕に休むよう勧めてくるが、そんなこと僕は絶対に嫌だ。ヒーローとして活躍できないくらいなら死んだ方がマシだ。

「生人は俺達に必要な存在だ。愛は戦ったことがないから分からんと思うが、キュリアは信じられないほど強い。
 今の俺達全員で挑むべき相手だ。だが愛の言うことも一理ある。ここ数日お前はどこか体調が悪そうに見えるが、大丈夫なのか?」
「全然大丈夫だよ!」

 これは強がりではなく本当にもう体調は治っていた。いつもの元気な僕だ。
 だからこそ最近稀に起きるあの体調不良が不気味で懸念となっている。

「今お前達のランストにマップを送った。そこに表示されている赤色の点が今キュリアがいる場所だ」

 ランストのマップを見てみるとここからそう遠くない森の中にあいつがいることが分かる。
 
「奴を野放しにしたらどんな悪事を働くか分からない。みんな絶対に奴を捕えてくれ」

 僕達は各々決意を胸に、自衛隊の人達と共に車で森の入り口まで向かう。

「ではわたし達はキュリアが逃げた場合を想定してこの森を囲んでおきます」

 自衛隊の人達はもしもの時を考えて森の周りを囲むように待機することとなっている。
 戦いに参加しようにもランストなしじゃ流れ弾で死ぬ危険性もあるのでこれが最適解だ。

「よし。じゃあ行きますか!」

 僕達はそれぞれランストを取り出し、各々カードをセットする。

[ラスティー レベル1 ready…… アーマーカード ホッパー レベル6 start up……]
[エンジェル レベル1 ready…… アーマーカード マンティス レベル7 start up……]
[フェンサー レベル1 ready…… アーマーカード ナイト レベル6 start up……]
[ホルスター レベル1 ready……アーマーカード バイク レベル8 start up…… ]
[アイドル レベル1 ready……アーマーカード マジシャン レベル6 start up……]

 五人分の鎧が宙を舞い、まるで交奏曲を奏でるように互いに交差しながら僕達の体に纏わりついていく。
 装備と心の準備を終え、僕達は森の中に入っていく。

「よぉ。やっと来たか」

 森の中を進んで五分。木を切り倒したのか、開けた空間の中央にある切り株の上にキュリアが座っていた。
 形態はあの赤く紅のグローブを装備したフレイムファイターというものに変身し終わっている。

「もう今日は邪魔が入らねぇ……オレが死ぬか、そっちが全滅するか。それしか終わりはねぇ……だからとことん楽しもうぜ!!」

 キュリアは立ち上がり、拳から凄まじい量の熱を吹き上がらせる。
 その灼熱は辺りの大気を揺るがし、僕達と奴との戦いの始まりを告げる鐘となるのだった。
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