2 / 53
一章 出会いとクリスタル
2話 ゴブリン
しおりを挟む
「仕事が……ない……」
俺は街中の噴水に腰を掛け、今の状況に絶望し頭を抱えていた。
冒険者ギルドでパーティーメンバーを募集しているところを探しても、そもそも魔法すら使えない俺は門前払いだった。
この世界では俺が前いた日本とは違い、魔法という不思議な、まるで妖怪が使うような力のようなものがある。
火を発生させてそれをぶつけたり、氷柱を飛ばして突き刺したり、戦闘以外でも自動で物を綺麗にしたりなど用途の幅はとても広い。
魔法には向き不向きがあり、炎を扱うのが得意なのに、雷などを扱う魔法は全くダメといった感じだ。
みんな得意な属性や魔法が一つくらいはあるのだが、俺は日本から転生して来てしまったせいか魔法が一切使えなかった。
前世では一つくらい何かの才能がなくても、武器の扱いや乗り物の運転技術など他の得意分野でカバーできた。しかしこの世界においては魔法の存在があまりにも大きすぎた。
「くらえ! 必殺のシャボン攻撃ー!」
俺の隣で子供がはしゃいで遊んでいる。歳は五歳くらいに見えるが、そんな小さな子供でも泡を高速で出すくらいのことはできる。
なのに俺ときたら本当に一切魔法が使えないのだ。こんな人間は世界で初めてのようで、バニスも最初は罵倒よりも先に困惑の声が出ていたくらいだ。
もう一人で薬草採集とか、もしくは他の仕事を探すべきかな? どのみち早く行動しないと無一文だしまずいよな……
「あのー、ちょっといいかな?」
悩ませている頭に響いた女の子の声に少々驚きつつも、俺は下を向いていた顔を上げその声の主の方を見る。
そこにいたのは、明るい紫色の長髪の女の子だった。歳は俺の少し下、つまり十八くらいに見え、男ならつい振り返ってしまうような美貌を持った子だった。
「もしかして……俺?」
彼女は真っ直ぐ俺の方を見ていたが、面識もなくこんな可愛い子に話しかけられる覚えもないので、つい聞き返してしまう。
「あなた以外誰がいるの?」
「だよな……ごめん。それで何の用……というより先に、君は誰かな?」
いつものくせですぐに用件を聞き出そうとしてしまったが、先に自己紹介でもしといた方が良いだろうと思い話を方向転換させる。
「私はミーア。今私情で特別な薬草を探しているの。それでギルドで良い人がいないか探していたのだけれど、聞いた話によるとあなた今フリーでしかも薬草の知識もあるらしいわね」
「よほど専門的なものじゃなければ分かると思うけど」
俺はこの世界に来てバニスに拾われてから、魔法が使えない分せめて雑用は頑張ろうと薬草など仕事に使えそうな知識はこの半年でかなりの量を学んだ。
もちろん単純にこの世界は日本とどう違うのだろうという好奇心もあったが。
「なら大丈夫そうね。私が欲しいのはそこまでマイナーなものじゃないから。それにしても本当に運が良かったわ。偶然薬草の知識がある人がフリーで」
その悪意のなかったであろう一言は俺の胸に深く突き刺さる。
「あれ……どうかしたの?」
その感情が顔に出てしまっていたのか、彼女が心配そうにしてくれる。
「実は俺ついさっきパーティーをクビになったんだ。魔法が使えないからって」
「魔法が使えない? それってどんな簡単なものも?」
「うん。全部ダメなんだ。どれだけ試しても、練習しても一切使える気配がなかった」
ミーアはあの時のバニス同様、信じられないといった感じで驚いている。
「ま、まぁ今から行く薬草採集は魔法は必要ないから大丈夫よ。報酬もちゃんと出すし、魔法が使えなくても大丈夫だから来てくれるかな?」
「もちろんいいよ。今仕事なくて困ってたし助かるよ」
こうして俺達は互いに目的が一致し、早速今からその薬草が生えている山へと赴く。
「ここら辺にしましょうか」
山に入って一時間程が経過して、俺達は道を外れて人気が一切ない所まで来ていた。
ミーアが探している薬草は人があまり通らず、陽があまり当たらないところに生える種類のものだからだ。
草木も十二分にあるので俺達はここで採集を始め、三十分もしないうちに俺は木の下にあったお目当ての薬草を見つける。
「あったよ。これでいいんだよね?」
「そうそうこれ。これとポーションを調合させると効力が増すのよね」
ポーションとは傷口にかけるだけで傷を癒すことができる優れもので、種類によって効力に差はあれど、よっぽどの怪我でない限りは大体これで治る。
ただ効力が高いものは高価で、このようにそこそこの品質のポーションを自分で改良する人は少なくない。
本当に便利だよなこれ。地球にもあったら怪我とかで死ぬ人も減っただろうに。
「私もある程度見つけたけど……うん。二人合わせてこれくらいあれば良さそうね」
「なら良かったよ。ここに長居する理由もないし街に戻ろうか」
薬草をミーアに手渡し来た道を戻ろうとした時、俺は背後から何者かの気配を感じ取る。
この感じ、そう離れてないところに誰かいるな。多分人間……か? 俺達みたいに薬草とかを探しに来た人なのか?
「ミーア。向こうの方、多分二十メートルくらい先に誰かいる。もしかしたら魔物かもしれない」
「え? それって……っていうよりどうしてそんなことが分かるの?」
「とにかく少し様子を見てくるよ」
俺は誰かがいると思われる方向からなるべく死角になりやすい道を選び、気配がする方まで慎重に進む。
「あれはゴブリンか」
木々の隙間から見えたのは三匹のゴブリン達だった。
黄緑色の荒い肌にごつい棍棒を持っていて、息を荒くしていて目に見えて危険だと分かる。
どうやら俺が感じ取った取った気配はこいつらのようだ。
ここは一旦逃げた方が良さそうだな。ミーアもいることだし。彼女のところまで行ってゴブリンがいることを伝えて早くここから立ち去ろう。
ゴブリン三匹程度なら魔法が使えない俺でも何とかなるが、他にもいるかもしれないし、仲間を呼ばれるかもしれない。
そして何よりゴブリンには上位種がいる。
珍しいがもしゴブリンロードやメイジゴブリンなどがいたら俺ではミーアを守り切れないだろう。
「ファイアボール」
なるべく音を立てずに立ち去ろうとした時、突然横から炎の球体が飛んでくる。
咄嗟に躱したが炎が少し髪に掠ってしまい焦げてしまう。
「よりによって一番面倒くさいメイジか」
俺の予想は最悪な形で的中してしまっていた。
少し離れたところから魔法で俺を攻撃してきたのは、ゴブリンの上位種である多彩な魔法を使うメイジゴブリンだった。
俺は街中の噴水に腰を掛け、今の状況に絶望し頭を抱えていた。
冒険者ギルドでパーティーメンバーを募集しているところを探しても、そもそも魔法すら使えない俺は門前払いだった。
この世界では俺が前いた日本とは違い、魔法という不思議な、まるで妖怪が使うような力のようなものがある。
火を発生させてそれをぶつけたり、氷柱を飛ばして突き刺したり、戦闘以外でも自動で物を綺麗にしたりなど用途の幅はとても広い。
魔法には向き不向きがあり、炎を扱うのが得意なのに、雷などを扱う魔法は全くダメといった感じだ。
みんな得意な属性や魔法が一つくらいはあるのだが、俺は日本から転生して来てしまったせいか魔法が一切使えなかった。
前世では一つくらい何かの才能がなくても、武器の扱いや乗り物の運転技術など他の得意分野でカバーできた。しかしこの世界においては魔法の存在があまりにも大きすぎた。
「くらえ! 必殺のシャボン攻撃ー!」
俺の隣で子供がはしゃいで遊んでいる。歳は五歳くらいに見えるが、そんな小さな子供でも泡を高速で出すくらいのことはできる。
なのに俺ときたら本当に一切魔法が使えないのだ。こんな人間は世界で初めてのようで、バニスも最初は罵倒よりも先に困惑の声が出ていたくらいだ。
もう一人で薬草採集とか、もしくは他の仕事を探すべきかな? どのみち早く行動しないと無一文だしまずいよな……
「あのー、ちょっといいかな?」
悩ませている頭に響いた女の子の声に少々驚きつつも、俺は下を向いていた顔を上げその声の主の方を見る。
そこにいたのは、明るい紫色の長髪の女の子だった。歳は俺の少し下、つまり十八くらいに見え、男ならつい振り返ってしまうような美貌を持った子だった。
「もしかして……俺?」
彼女は真っ直ぐ俺の方を見ていたが、面識もなくこんな可愛い子に話しかけられる覚えもないので、つい聞き返してしまう。
「あなた以外誰がいるの?」
「だよな……ごめん。それで何の用……というより先に、君は誰かな?」
いつものくせですぐに用件を聞き出そうとしてしまったが、先に自己紹介でもしといた方が良いだろうと思い話を方向転換させる。
「私はミーア。今私情で特別な薬草を探しているの。それでギルドで良い人がいないか探していたのだけれど、聞いた話によるとあなた今フリーでしかも薬草の知識もあるらしいわね」
「よほど専門的なものじゃなければ分かると思うけど」
俺はこの世界に来てバニスに拾われてから、魔法が使えない分せめて雑用は頑張ろうと薬草など仕事に使えそうな知識はこの半年でかなりの量を学んだ。
もちろん単純にこの世界は日本とどう違うのだろうという好奇心もあったが。
「なら大丈夫そうね。私が欲しいのはそこまでマイナーなものじゃないから。それにしても本当に運が良かったわ。偶然薬草の知識がある人がフリーで」
その悪意のなかったであろう一言は俺の胸に深く突き刺さる。
「あれ……どうかしたの?」
その感情が顔に出てしまっていたのか、彼女が心配そうにしてくれる。
「実は俺ついさっきパーティーをクビになったんだ。魔法が使えないからって」
「魔法が使えない? それってどんな簡単なものも?」
「うん。全部ダメなんだ。どれだけ試しても、練習しても一切使える気配がなかった」
ミーアはあの時のバニス同様、信じられないといった感じで驚いている。
「ま、まぁ今から行く薬草採集は魔法は必要ないから大丈夫よ。報酬もちゃんと出すし、魔法が使えなくても大丈夫だから来てくれるかな?」
「もちろんいいよ。今仕事なくて困ってたし助かるよ」
こうして俺達は互いに目的が一致し、早速今からその薬草が生えている山へと赴く。
「ここら辺にしましょうか」
山に入って一時間程が経過して、俺達は道を外れて人気が一切ない所まで来ていた。
ミーアが探している薬草は人があまり通らず、陽があまり当たらないところに生える種類のものだからだ。
草木も十二分にあるので俺達はここで採集を始め、三十分もしないうちに俺は木の下にあったお目当ての薬草を見つける。
「あったよ。これでいいんだよね?」
「そうそうこれ。これとポーションを調合させると効力が増すのよね」
ポーションとは傷口にかけるだけで傷を癒すことができる優れもので、種類によって効力に差はあれど、よっぽどの怪我でない限りは大体これで治る。
ただ効力が高いものは高価で、このようにそこそこの品質のポーションを自分で改良する人は少なくない。
本当に便利だよなこれ。地球にもあったら怪我とかで死ぬ人も減っただろうに。
「私もある程度見つけたけど……うん。二人合わせてこれくらいあれば良さそうね」
「なら良かったよ。ここに長居する理由もないし街に戻ろうか」
薬草をミーアに手渡し来た道を戻ろうとした時、俺は背後から何者かの気配を感じ取る。
この感じ、そう離れてないところに誰かいるな。多分人間……か? 俺達みたいに薬草とかを探しに来た人なのか?
「ミーア。向こうの方、多分二十メートルくらい先に誰かいる。もしかしたら魔物かもしれない」
「え? それって……っていうよりどうしてそんなことが分かるの?」
「とにかく少し様子を見てくるよ」
俺は誰かがいると思われる方向からなるべく死角になりやすい道を選び、気配がする方まで慎重に進む。
「あれはゴブリンか」
木々の隙間から見えたのは三匹のゴブリン達だった。
黄緑色の荒い肌にごつい棍棒を持っていて、息を荒くしていて目に見えて危険だと分かる。
どうやら俺が感じ取った取った気配はこいつらのようだ。
ここは一旦逃げた方が良さそうだな。ミーアもいることだし。彼女のところまで行ってゴブリンがいることを伝えて早くここから立ち去ろう。
ゴブリン三匹程度なら魔法が使えない俺でも何とかなるが、他にもいるかもしれないし、仲間を呼ばれるかもしれない。
そして何よりゴブリンには上位種がいる。
珍しいがもしゴブリンロードやメイジゴブリンなどがいたら俺ではミーアを守り切れないだろう。
「ファイアボール」
なるべく音を立てずに立ち去ろうとした時、突然横から炎の球体が飛んでくる。
咄嗟に躱したが炎が少し髪に掠ってしまい焦げてしまう。
「よりによって一番面倒くさいメイジか」
俺の予想は最悪な形で的中してしまっていた。
少し離れたところから魔法で俺を攻撃してきたのは、ゴブリンの上位種である多彩な魔法を使うメイジゴブリンだった。
12
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる