声劇台本

SHEA(しあ)

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猫の集会所

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ブルー:セレブの飼い猫
             上品なオスのロシアンブルー


ミケ : 老婦人の飼い猫
            お茶目なメスの三毛猫

クロ  : 群れるのが嫌いな野良猫
             クールなメスの黒猫

トラ  : 野良猫のボス
             仲間思いの熱いオスの茶トラ猫


ミケ  :  今日はブルー遅いわねー。

クロ  :  いつも1番に来る彼が珍しいわね。

トラ  :  あいつも色々あんだろーよ。

ブルー:おはよう、もうみんなおそろいだね。

ミケ  :  こんなにお日様が昇ってから来るなん      
             て珍しいじゃない。
              どうしたの?何かあった?

ブルー:おまたせしてすまなかったね。
              今日はご主人が休みでね。
              なかなか抜け出せなくて、
              こんな時間になってしまったよ。

ミケ  :  そうだったのね。
              何も無くて良かったわ。

ブルー:心配してくれたんだね。
              ありがとう、ミケ。

ミケ  :  ふふふ、どういたしまして。

トラ  :  飼い猫様は大変だなー。
             野良は気楽でいいぜー。
             自由気まま、好き勝手できる。

ミケ  :  でも飼い猫は食いっぱぐれる
             心配はないわよ。

ブルー:その通りだ。
             快適な寝床があって、
             食事の心配もいらない。
             その上美味しいオヤツ付きだ。

ミケ  :  怪我や病気をしても病院に
             連れて行ってもらえるしね。
             病院は うげぇー だけどね。

クロ  :  自由を奪われるくらいなら
             そのまま死んだ方がいいわ。
             好きな時に好きな事をして
             行きたい時に行きたい所へ行く。
             私はそんな今の生活を気に入ってるの

トラ  : だよなー。狭い所に閉じ込められて
             美味いもん食うだけが楽しみとか
             やってらんねーよ。
            自分らしく生きられる今の方が性に
            合ってるってなもんだぜ。

クロ:私から見ると茶トラも守るモノが多くて
クロ:窮屈そうだけどね
クロ:1匹が楽でいいわ

茶トラ:まーな
茶トラ:でも頼られるのは悪い気しねーしな
茶トラ:このナワバリのボスとして弱い奴らを
茶トラ:守るのは当たり前の事だから
茶トラ:別に窮屈なんて思わねーよ

ブルー:まぁ、でも確かに自由な君たちを
ブルー:羨ましく思う事はあるよ
ブルー:生活を保証してもらうかわりに
ブルー:ある程度ご主人の相手もしなきゃ
ブルー:いけないからね

ミケ:そうよねー
ミケ:私のご主人は一人暮らしのおばあさん
ミケ:なんだけど
ミケ:私のご飯忘れたり、食べたのに
ミケ:又食べさせようとしたりするし
ミケ:毎回違う名前で呼ぶから大変よ
ミケ:たまに私が家に帰ってないのに
ミケ:カギ閉めちゃって、入れなくなっちゃうしね

ブルー:ミケ、僕の話しを聞いたらまだ自分のが
ブルー:マシだと思うさ

ミケ:え?どうゆう事?

ブルー:まず朝ご主人が起きたら思いっきり
ブルー:抱きしめられて、頬ずりをされる

ミケ:思いっきりは苦しいわよね
ミケ:でも飼い猫あるあるじゃない?

ブルー:30分…

ミケ:え?

ブルー:30分だぞ!!!

茶トラ:うげー

ブルー:そしてご主人の身支度が整って
ブルー:朝食の時間になると膝に乗せらて
ブルー:ずっと撫でられて話しかけられるんだ

ミケ:人間って私たちによく話しかけてくるから
ミケ:普通じゃない?

ブルー:赤ちゃん言葉だ…

ミケ:赤ちゃん言葉…
ミケ:それは…

クロ:最悪ね…

ブルー:そして…

ミケ:まだあるの!!!

ブルー:出かける時になると顔中に
ブルー:ちゅっちゅっされて
ブルー:ブルーたんと離れるなんて
ブルー:ムリでちゅーって
ブルー:言われるんだぞ!!!

ミケ:…たまに家に入れてくれないくらいで
ミケ:愚痴っちゃって、ごめんね…って
ミケ:気持ちになったわ
ミケ:ブルー…強く生きて……

茶トラ:聞いてるだけで鳥肌もんだな
茶トラ:俺には絶対無理だわ

クロ:ブルー、あんたって猫のくせに我慢強いわね

ブルー:まだだ!
ブルー:夕方になってヤツが帰ってきたら
ブルー:又同じ地獄のような時間が始まる

ミケ:まだあるの!!

クロ:ひっ!

ブルー:帰ってきたら今度はお腹に顔を埋められて
ブルー:スーハースーハーされる!

茶トラ:とんだ変態だな

ブルー:そうして気が済むと1日の愚痴を
ブルー:赤ちゃん言葉で話し出す
ブルー:食事中もトイレもずっと観察されて
ブルー:寝る時は抱きしめられながら
ブルー:肉球の匂いを嗅がれる
ブルー:……これが僕の1日だ

茶トラ:無理無理無理無理むーりー

クロ:死んだ方がマシだわ

ミケ:なんか……ごめん…

茶トラ:いやー、悠々自適(ゆうゆうじてき)な 
茶トラ:生活してるかと思いきや中々の
茶トラ:地獄生活だったんだな

クロ:闇が深いわね

茶トラ:まぁ、でも俺ら野良も自由っちゃ
茶トラ:自由だけど、何日も食えなかったり
茶トラ:夏は暑さにやられて死ぬ奴もいる
茶トラ:冬は冬で朝に冷たくなってる奴も
茶トラ:少なくない 

クロ:死と隣り合わせの自由と
クロ:安全だけど耐え難きを耐えながらの
クロ:不自由な生活
クロ:どちらがいいのかしらね

ミケ:それぞれ向き不向きがあるわよね
ミケ:私とブルーに野良は出来ないし
ミケ:茶トラとクロに飼い猫は出来ないでしょ

ブルー:適材適所ってやつだね

茶トラ:お前らが今の生活に嫌気がさして
茶トラ:野良やる時は、いつでも言えよな
茶トラ:俺が面倒見てやるからよ

ミケ:頼もしいわね

ブルー:そんな日が来ない事を祈るよ

クロ:それまであんたが生きてればいいけどね 

茶トラ:おいおいおい、縁起でもねーこと
茶トラ:言うなよな

全員:笑う

ブルー:日が傾いてきたから、そろそろ戻らないと
ブルー:ご主人が帰ってきた時に僕がいないと
ブルー:2度と抜け出せなくなるからね

ミケ:私も早く帰らないと又家に
ミケ:入れなくなっちゃう

茶トラ:俺もそろそろ食いもん探しに行かねーとな
茶トラ:クロお前も来るか?

クロ:今日はいいわ
クロ:寝床を探しに行かなきゃ
クロ:いい場所は競争率高いから
クロ:すぐ埋まっちゃうのよね

茶トラ:じゃあしばらく食えてなさそーなの
茶トラ:連れて行ってくるか

ミケ:茶トラってそこで1匹で行くんじゃなくて
ミケ:仲間の面倒見てあげるから
ミケ:ちゃんとボスしてるわよね

茶トラ:へへっ、まーな

ブルー:今日は色々吐き出せてスッキリしたよ
ブルー:次の集会で又会おう

ミケ:みんなの話しを楽しみにしてるわね

クロ:次の満月の朝に

茶トラ:それぞれの検討を祈る

茶トラ:んじゃ、解散!!

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