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蠢く闇
黒い蝶は空を舞う―Ⅰ―
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「らからぁ……僕は君の事嫌いじゃないし~、嘘つかれる言われは~ないんだよねぇ~?」
秋良と飲みに行く、という話を影から聞いていたらしい恋歌も一緒に三人で居酒屋へとやって来ていた。
もとより酒に強くない雪成は真っ先に酔い、恋歌に対してブツブツと文句を垂れている。
当の本人は雪成の事などそっちのけで秋良と話しをしている。
「秋良先生はビールが好きなんですか?」
豪快に中ジョッキを頼んだ秋良にかっこいいですね、と微笑みながら問いを投げかける。
「まぁ。嫌いじゃあねぇな。」
一言にそう答えれば枝豆を一粒口の中へ放りこむ。
「そうなんですね!僕、今日がお酒飲むの初めてで、秋良先生におすすめを聞きたいと思ってたんですけど……」
「……。……少し飲んでみるか?」
秋良は良心から恋歌に自身が飲んでいた半分まで減ったジョッキを差し出す。
「えっ!いいんですか!?」
わざとらしくそういえば嬉しそうにいただきます、といいゴク、と少量を飲み下す。
秋良は大丈夫か?と雪成の方を見てはいつもの貼り付けた表情をしていない雪成を見て新鮮だな、と思っては頭を撫でる。
「?あきらせんせぇ~」
手、冷たくて気持ちがいいと秋良の手を掴み、頬に当て、そのまま抱きしめたままカウンターに突っ伏して規則正しい寝息を立てる。
まさかの行動に秋良は顔から火が出そうだった。
「ちょっと~!秋良先生!雪成先生なんていいじゃないですか~!寝ちゃったんなら僕と話しましょうよ~!!」
そんな状況の二人を見て、二人の間に立って、雪成に抱きしめられている腕を恋歌が引っ張る。
それにハッとしたのか秋良は
”悪いな。此奴もう潰れたから送ってくる”
と席を立ち、雪成を抱き抱える。
「え……せっかく秋良先生と一緒にご飯……」
うるうると瞳に涙をためながら俯いて呟く恋歌に、秋良は”また今度な”といい、三人分の料金を置いて雪成と共に店を後にした。
秋良と飲みに行く、という話を影から聞いていたらしい恋歌も一緒に三人で居酒屋へとやって来ていた。
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「秋良先生はビールが好きなんですか?」
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「まぁ。嫌いじゃあねぇな。」
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「そうなんですね!僕、今日がお酒飲むの初めてで、秋良先生におすすめを聞きたいと思ってたんですけど……」
「……。……少し飲んでみるか?」
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「えっ!いいんですか!?」
わざとらしくそういえば嬉しそうにいただきます、といいゴク、と少量を飲み下す。
秋良は大丈夫か?と雪成の方を見てはいつもの貼り付けた表情をしていない雪成を見て新鮮だな、と思っては頭を撫でる。
「?あきらせんせぇ~」
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「ちょっと~!秋良先生!雪成先生なんていいじゃないですか~!寝ちゃったんなら僕と話しましょうよ~!!」
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それにハッとしたのか秋良は
”悪いな。此奴もう潰れたから送ってくる”
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「え……せっかく秋良先生と一緒にご飯……」
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