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始まり
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”気持ちいいんだろ?"
目の前には男が三人。
雪成の暴かれた身体を視線で舐るように素肌を犯す。
そのねっとりとした視線の気持ち悪さに身体を攀じる。
ここが何処なのか、どれくらいの時間がたったのか、今の雪成にはわからない。
何日経ったのか、何ヶ月が経ったのか。
今ではここで一生"性奴隷"をしなければいけないのではないか、という悪い予感ばかりが募る。
ここに来たばかりの頃は抵抗していたが、反抗をしても殴られるだけ、一生ここで暮らすのなら、快楽に堕ちてでも殴られないほうがいい、いつしかそう思うようになってしまっていた。
ある日、気がつけば代わる代わるきていた男達はいなくなっていた。
この日を境に、何日経っても男達はここに来ることはなくなった。
季節は12月。
光も差さない地下のコンクリートの壁、床に囲まれては今にも凍え死にそうだった。
寒さから、数日前まで傍にあった人肌が恋しかった。
長い間犯されてきた雪成の体はどこを見ても赤や紫の痣だらけ。
息をする度に、服が血で固まった生傷に擦れ痛みを感じていた。
それからようやく扉の開く音がしたのは、雪成が餓死寸前の日の事だった。
「ごしゅじんさま……」
雪成は重い体を起こしかすれる声で叫んだ。
ようやくあの男が、自分だけの主人が帰ってきたのだと雪成は力無く喜んだ。
しかし、その喜びは入ってきた男の声によって恐怖へと変わった。
光を長いこと見て来なかったので、差し込んできた太陽光は目を晦ました。
「桃江雪成君、だね?俺は警察だ。もう大丈夫だ安心しろ。」
誰……?
警察……?
ご主人様といられなくなる……?
ここから出られて嬉しいという感情はとうに無い。
親にも愛されない自分は、ここを出たら誰のために生きていけばいいのか、そう考えた時に、頭に思い浮かぶのはあの男だ。
優しい声色で言った男は、明原春斗というベテランの刑事だと、後日入院した精神科の担当医に聞かされた。
それを知ったのはしばらく経ち、他人への恐怖心が薄れ始めた頃だった。
これは、春斗に助けられた数年後のお話である。
目の前には男が三人。
雪成の暴かれた身体を視線で舐るように素肌を犯す。
そのねっとりとした視線の気持ち悪さに身体を攀じる。
ここが何処なのか、どれくらいの時間がたったのか、今の雪成にはわからない。
何日経ったのか、何ヶ月が経ったのか。
今ではここで一生"性奴隷"をしなければいけないのではないか、という悪い予感ばかりが募る。
ここに来たばかりの頃は抵抗していたが、反抗をしても殴られるだけ、一生ここで暮らすのなら、快楽に堕ちてでも殴られないほうがいい、いつしかそう思うようになってしまっていた。
ある日、気がつけば代わる代わるきていた男達はいなくなっていた。
この日を境に、何日経っても男達はここに来ることはなくなった。
季節は12月。
光も差さない地下のコンクリートの壁、床に囲まれては今にも凍え死にそうだった。
寒さから、数日前まで傍にあった人肌が恋しかった。
長い間犯されてきた雪成の体はどこを見ても赤や紫の痣だらけ。
息をする度に、服が血で固まった生傷に擦れ痛みを感じていた。
それからようやく扉の開く音がしたのは、雪成が餓死寸前の日の事だった。
「ごしゅじんさま……」
雪成は重い体を起こしかすれる声で叫んだ。
ようやくあの男が、自分だけの主人が帰ってきたのだと雪成は力無く喜んだ。
しかし、その喜びは入ってきた男の声によって恐怖へと変わった。
光を長いこと見て来なかったので、差し込んできた太陽光は目を晦ました。
「桃江雪成君、だね?俺は警察だ。もう大丈夫だ安心しろ。」
誰……?
警察……?
ご主人様といられなくなる……?
ここから出られて嬉しいという感情はとうに無い。
親にも愛されない自分は、ここを出たら誰のために生きていけばいいのか、そう考えた時に、頭に思い浮かぶのはあの男だ。
優しい声色で言った男は、明原春斗というベテランの刑事だと、後日入院した精神科の担当医に聞かされた。
それを知ったのはしばらく経ち、他人への恐怖心が薄れ始めた頃だった。
これは、春斗に助けられた数年後のお話である。
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