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穏やか(?)な日常
せんせーが中々泣き止まなくて困ってんだけど?
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「雪成君……?影森君……近くに行っても大丈夫ですか?」
影森の近くに寄れば再びパニックを起こしてしまうかもしれない。
その可能性を案じ、事を察し、そう尋ねる。
影森は嫌そうな顔をしながらも渋々といった感じで頷いた。
隣で蹲る雪成を心配してのことだった。
雪成が大人の男としてではなく、自分と同年代かまだ幼い少年のように見えたからだ。
実際は医者をしているのだからそうでは無いと分かっているものの何故だか雪成は他の大人から感じられる様な強い気持ちといったものなのだろうか。
そういうものが感じられない。
その為そんな彼が苦しんでいるのは少し胸を締め付けた。
「これ以上来ないで欲しいなどあれば直ぐに言ってくださいね。」
なるべく恐怖を与えないようにと慎重に近づいて行く森末の気持ちを察せぬ影森ではなかった。
ゆっくりゆっくり近づいて、雪成の前に来れば声をかける。
「雪成君、大丈夫かい……?」
優しく微笑み声を掛ければ雪成の返事を待つ。
雪成はもうほとんど泣いては居らず、何も言わずただ俯いているだけだった。
それを見て大丈夫であると悟った森末は雪成をに手を伸ばせば優しく抱き抱えて立ち上がる。
多少心配そうに見つめる影森に”雪成先生は大丈夫だよ”と安心させるように微笑んで、病室を後にした。
影森の近くに寄れば再びパニックを起こしてしまうかもしれない。
その可能性を案じ、事を察し、そう尋ねる。
影森は嫌そうな顔をしながらも渋々といった感じで頷いた。
隣で蹲る雪成を心配してのことだった。
雪成が大人の男としてではなく、自分と同年代かまだ幼い少年のように見えたからだ。
実際は医者をしているのだからそうでは無いと分かっているものの何故だか雪成は他の大人から感じられる様な強い気持ちといったものなのだろうか。
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その為そんな彼が苦しんでいるのは少し胸を締め付けた。
「これ以上来ないで欲しいなどあれば直ぐに言ってくださいね。」
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