東京電脳探偵団

蜜柑

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第1話 僕が7人目!?

P.8

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「「「「え?」」」」
 4人はまるで「なんで?」という顔して聞いてきた。いや、もう「なんで?」と言いたげだ。4人は部屋の奥へ入っていきひそひそ話を始める。一体何を話しているんだろう?まだ玄関から動いていない客人の僕は立って待つことしかできなかった。そして、甘という女の子が僕の前まで来て言った。
「別に入らないならいいけど、どこに帰るの?」
「は?家だよ家」
「ごめんだけど、君の家は甘が業者に頼んで必要なものだけ出してもらって売っちゃった♪」
 …は?今何と?詳しく話すと僕が学校行ってここに来るまでの間にこの探偵団が引越し業者に僕の荷物だけこの事務所に運び、あとはお母さんの実家に送ったと。そして住んでる家は売ったと。…何してるの!?僕は何の遠慮もなく事務所にドタドタと上がり込んだ。すると奥の部屋には僕の私物がたくさん入った段ボールが数箱ある。漫画も、服も、下着までちゃんとある…。
 …つまりなんですか?僕は強制的にここに住むわけ!?だってそうしないと野宿だよね!?ホームレス高校生だよね!?冗談じゃない!そんなんごめんだ!でもなんでこんなことまでして…
「あなたのこと大切に思っている人から依頼が来たのよ。まあ、強制はしないけど断ったらあなたの考える通り野宿よね」
 華織は僕の顔を見て言った。それよりなんでそんなことを知ってるんだ?僕野宿とかなんては口に出してないのに…。僕が不思議そうにしていると久美は自慢気に語り始めた。
「これが華織の力。冬希、この3人をよーく見てみなよ」
 3人?僕と少し年の近い男1人女2人…あ!!僕は気付いた。甘にも秋人にも華織にも左目に十字があった。
「私たちにはみんな同じプラスアイがあるの。力も人それぞれ。華織の力はその人の表情から心を読むことができるの。顔が見えなかったら無理なんだけれどもね」
 プラスアイ、4人はこの十字マークをそう呼んでいる。つまり他3人にもその力があるし、僕にも…。そういえば、今日の朝に起きた光が男子の首を絞めたのが僕の力だったりするのか…!?
「何か心当たりがありそうね」
「でも、あいつが帰ってきてないのにこれ以上話進めていいのか?」
「そうだよ!隼人がまだだよ!」
「お前が歓迎パーティーだから豪勢にやりたいって言ったんだろ!?パーティーとか何歳だよ」
「あれ?大人でもホームパーティーとかやるよ?偏見なんじゃない?チビ」
「うるせえ!!」
 甘と秋人がケンカしている中、僕は華織に部屋まで案内されて隼人という人を待つことになった。ちなみにそのケンカはその人が帰って来るまで続いた。どんだけやってるんだよ…。
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