×××しないで!!シオン君!!><

白梅むつみ

文字の大きさ
上 下
10 / 10
第2話

絶叫

しおりを挟む

「あ゛ー!!!!!!またダメだったーーー!!!!!」


俺はカウンターに突っ伏した。


「え、また~!?」


目の前で林檎を剥いていた真梨子さんが目を丸くする。
彼女のお店は夕方まで普通の喫茶店、夜はバーという形で営業している。

俺はモーニングを食べに来たついでに、出会い系サイトで気になった人に片っ端から連絡していた。


のだが…………


「さっきから連敗でしょ~!!?」

「うわーん!!!!!これで5人目ーーー!!!!!」


…惨敗。
1人として男が捕まらない。


「いつもなら一発OKじゃない!大丈夫!!?」

「だいじょばない…」


泣きそうになりながら、放置していた玉子サンドを口に入れる。
程よい塩加減の玉子ペーストが慰めるかのように、滑らかに食道を伝っていく。


「先日のことがあってから不漁続きね……もしかして、変な噂流されたとか…!?」

「へ、変な噂って…?」

「ほら、この前のことよ~!!!!!」



この前……

確かに、あの日の修羅場に巻き込まれてから、以前のように簡単に
自分が軒並み登録しているサイトやSNSでも断られたりブロックされてるし。

偶然誰か知り合いに見られて情報が拡散したとしたら…………

あーーーー!!!!!脳内で次々と嫌な考えが巡ってくるよーー!!!!!!






「あ~、それは無いと思いますよ~!!」




そうだよね、さすがに………ん?




「今回の件、あのお二人には予め口止めしていますし、SNSについても流出はしてませんよ~!まあ、例えしてたとしても異議申し立てして消してもらいます~」




このへらへらとした掴み所の無い声は…………

後ろを振り返ると、先ほど迄誰もいなかったテーブル席でオレンジの髪の男がこちらに手を振っている。




「いや~、先日ぶりですね~シオンくん」








な、


「なんでいんのさーーーー!!!!!!!!!!!!」



店の外まで響きそうなくらいの絶叫が響いた。






しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない

バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《 根暗の根本君 》である地味男である< 根本 源 >には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染< 空野 翔 >がいる。 ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない?? イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。

お酒に酔って、うっかり幼馴染に告白したら

夏芽玉
BL
タイトルそのまんまのお話です。 テーマは『二行で結合』。三行目からずっとインしてます。 Twitterのお題で『お酒に酔ってうっかり告白しちゃった片想いくんの小説を書いて下さい』と出たので、勢いで書きました。 執着攻め(19大学生)×鈍感受け(20大学生)

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

処理中です...