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第1話
エメラルド
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「では後日事務所で」
かほるさんは軽く会釈すると、ハジメさんを引きずりながら街に消えていった。
完全に姿が見えなくなったことを確認して、 探偵に頭を下げる。
「すみません、ありがとうございました!!!」
「…こちらこそ巻き込んでしまってすみませんでした。」
探偵は僕のことを少しじっ…、と見つめた後深々と頭を下げる。
「もう、遅いですし送りますよ」
「い、いいえ……電車で帰ります!!!それでは失礼します!!!!」
俺は、一刻も早く帰ることにした。
さすがに住所を知られるのはやばい。
他の人と遊ぶことも考えたが、あんな修羅場に巻き込まれて、その気じゃなくなってしまった。
本当であればホテルで一泊する予定だったが、終電で家に帰るしかない。
時計を見れば、もう22時だった。
今駅に向かえば間に合う。
とにかく、この場から離れなきゃ。
「ちょっと待ってください」
そんな思いも虚しく、探偵に引き留められてしまった。
「……まだ、何か」
まるで刑事ドラマの容疑者みたいな気分だ。
うう、無視すれば良かった。
早く家に帰りたい。
探偵は俺に疑いの表情を向ける。
「あなた、まさか今から他の人と遊ぼうなんて思ってないですよね?!」
「はぁ!!?」
予想外の疑いをかけられた。
……お前は一体何を言っているんだ!?
気味が悪くなり、そのまま無視して駅の方向へ向かうがその後を彼が着いてくる。
「あ、ちょっと、ダメですよ!!遅いですから帰りましょ!!」
「今から帰るんだよ!!!!!」
「本当ですか~???そっちの方向は飲み屋とか多いですよ~???」
「こっち行った方が駅に近いんです!!!!!」
「て、言いながら結局遊びに行くんでしょ~!?」
「だからもう家に帰るってば!!!!!!!」
し、しつこい!!!!!
何とか振りきりたいけど終電に間に合わなくなる。
「ていうかあなたって」
「何!!!!!!!!!!!」
「…あなたいつもそういう格好してるんですね。全然違うから一瞬分からなかったですよ」
「そうだけd…は?」
今コイツなんて言った?
思わず立ち止まってしまった。
「…アンタ誰?どっかで会った?」
記憶が正しければ、探偵の知り合いなんて1人も居ない。
…初めて会った気はしないが、思い出せない。
「…その調子だと本当に僕が分からないみたいですね」
少し困惑気味に言うと、探偵はズィッと俺に顔を近づけた。
ち、近い。
あまりに突然のことで、無意識に息が止まる。
どのくらい近いかって、………あともう3cm近づいたら、キスできるくらい。
「…一昨日はご利用ありがとうございました♪」
耳元で囁くと、彼はかけていた眼鏡を少しずらす。
緑色の、宝石みたいな目がネオンの光を受けてキラキラ光っている。
3秒後、全てを理解した俺は彼を指差し絶叫した。
驚き過ぎて言葉になっていなかった。
「け、けいたん……!!!!?!?」
「そうですよ~」
探偵:品川桂太郎、こと、占い師:けいたんはにこやかに答える。
「ふふ、偶然とはいえ、やっぱり気づいてなかったみたいですね~あはは」
そう言って、眼鏡をハンカチでふきながら和やかに笑う。
…若干俺のこと、馬鹿にしてるなこれ。
考えてみれば、だ。
声も話し方も全部コイツじゃん!!!!!
顔が分からなかったとはいえ、全然気づかなかったよ!!!!!!!
混乱した俺を他所に、けいたんは少し不機嫌そうに言う。
「それはそうと、僕の言ったこと早速守ってないじゃないですか~!!」
「え…なんだっけ」
「もう、忘れたんですか!?言ったじゃないですか~…『sexしちゃいけない』って」
ああ、そう言えばそんなこと言われたっけ。
「あ~……でも今日は結局なんもしなくて済んだし」
「でもsexしようとしたでしょ!!!!!!」
「でかい声で言うな!!!!!!」
行き交う人がこっち見てクスクス笑っている。
……もう、死にたい。
けいたんもそれに気づいたようで、わざとらしく咳払いをした。
「…とにかく、あなたは今後sexしちゃいけないんです。というか無理です」
「無理ってどういうことだよ。」
「その様子だと途中から聞いてなかったんですね…」
けいたんは一瞬がっかりして、気を取り直して説明を始めた。
「…いいですか、真藤さんはこの一年、恋愛運をチャージする時期に入ってるんです。
あなたの場合、この時期に無理やり『sex』しようとすると、運を無駄遣いしないように、何かしらの邪魔が入る運命になってるんですよ!」
「え、てことはつまり…」
「あなたはこの一年sexできません!」
きっぱりと断言した。
「………」
「あ、あれ、真藤さん?おーい」
「………」
俺は少し立ち尽くしたあと、ぐるっと方向転換をして歩き始める。
「真藤さん、どこ行くんです?」
「駅」
「駅とは反対方向ですよ~あと、もう電車ないですよ~」
「知ってる」
「遊びに行くとかダメですよ!?」
「うるさい!!!!お前のその胡散臭い占いなんて信じられっかての!!!!」
「え、えっちはダメですよ!!……シオン君!!!!!」
「はぁ!?」
下の名前で呼ばれて、思わず赤くなった。
昔から女みたいで呼ばれると恥ずかしくなる。
「な、名前で呼ぶなぁ!!!!!!」
そう言って彼から逃げるようにダッシュする。
……数分後、結局彼に捕まり、強制的に家に送り返された。
とにかく、絶対に占いなんて信じないからーーーー!!!!!!!!!
かほるさんは軽く会釈すると、ハジメさんを引きずりながら街に消えていった。
完全に姿が見えなくなったことを確認して、 探偵に頭を下げる。
「すみません、ありがとうございました!!!」
「…こちらこそ巻き込んでしまってすみませんでした。」
探偵は僕のことを少しじっ…、と見つめた後深々と頭を下げる。
「もう、遅いですし送りますよ」
「い、いいえ……電車で帰ります!!!それでは失礼します!!!!」
俺は、一刻も早く帰ることにした。
さすがに住所を知られるのはやばい。
他の人と遊ぶことも考えたが、あんな修羅場に巻き込まれて、その気じゃなくなってしまった。
本当であればホテルで一泊する予定だったが、終電で家に帰るしかない。
時計を見れば、もう22時だった。
今駅に向かえば間に合う。
とにかく、この場から離れなきゃ。
「ちょっと待ってください」
そんな思いも虚しく、探偵に引き留められてしまった。
「……まだ、何か」
まるで刑事ドラマの容疑者みたいな気分だ。
うう、無視すれば良かった。
早く家に帰りたい。
探偵は俺に疑いの表情を向ける。
「あなた、まさか今から他の人と遊ぼうなんて思ってないですよね?!」
「はぁ!!?」
予想外の疑いをかけられた。
……お前は一体何を言っているんだ!?
気味が悪くなり、そのまま無視して駅の方向へ向かうがその後を彼が着いてくる。
「あ、ちょっと、ダメですよ!!遅いですから帰りましょ!!」
「今から帰るんだよ!!!!!」
「本当ですか~???そっちの方向は飲み屋とか多いですよ~???」
「こっち行った方が駅に近いんです!!!!!」
「て、言いながら結局遊びに行くんでしょ~!?」
「だからもう家に帰るってば!!!!!!!」
し、しつこい!!!!!
何とか振りきりたいけど終電に間に合わなくなる。
「ていうかあなたって」
「何!!!!!!!!!!!」
「…あなたいつもそういう格好してるんですね。全然違うから一瞬分からなかったですよ」
「そうだけd…は?」
今コイツなんて言った?
思わず立ち止まってしまった。
「…アンタ誰?どっかで会った?」
記憶が正しければ、探偵の知り合いなんて1人も居ない。
…初めて会った気はしないが、思い出せない。
「…その調子だと本当に僕が分からないみたいですね」
少し困惑気味に言うと、探偵はズィッと俺に顔を近づけた。
ち、近い。
あまりに突然のことで、無意識に息が止まる。
どのくらい近いかって、………あともう3cm近づいたら、キスできるくらい。
「…一昨日はご利用ありがとうございました♪」
耳元で囁くと、彼はかけていた眼鏡を少しずらす。
緑色の、宝石みたいな目がネオンの光を受けてキラキラ光っている。
3秒後、全てを理解した俺は彼を指差し絶叫した。
驚き過ぎて言葉になっていなかった。
「け、けいたん……!!!!?!?」
「そうですよ~」
探偵:品川桂太郎、こと、占い師:けいたんはにこやかに答える。
「ふふ、偶然とはいえ、やっぱり気づいてなかったみたいですね~あはは」
そう言って、眼鏡をハンカチでふきながら和やかに笑う。
…若干俺のこと、馬鹿にしてるなこれ。
考えてみれば、だ。
声も話し方も全部コイツじゃん!!!!!
顔が分からなかったとはいえ、全然気づかなかったよ!!!!!!!
混乱した俺を他所に、けいたんは少し不機嫌そうに言う。
「それはそうと、僕の言ったこと早速守ってないじゃないですか~!!」
「え…なんだっけ」
「もう、忘れたんですか!?言ったじゃないですか~…『sexしちゃいけない』って」
ああ、そう言えばそんなこと言われたっけ。
「あ~……でも今日は結局なんもしなくて済んだし」
「でもsexしようとしたでしょ!!!!!!」
「でかい声で言うな!!!!!!」
行き交う人がこっち見てクスクス笑っている。
……もう、死にたい。
けいたんもそれに気づいたようで、わざとらしく咳払いをした。
「…とにかく、あなたは今後sexしちゃいけないんです。というか無理です」
「無理ってどういうことだよ。」
「その様子だと途中から聞いてなかったんですね…」
けいたんは一瞬がっかりして、気を取り直して説明を始めた。
「…いいですか、真藤さんはこの一年、恋愛運をチャージする時期に入ってるんです。
あなたの場合、この時期に無理やり『sex』しようとすると、運を無駄遣いしないように、何かしらの邪魔が入る運命になってるんですよ!」
「え、てことはつまり…」
「あなたはこの一年sexできません!」
きっぱりと断言した。
「………」
「あ、あれ、真藤さん?おーい」
「………」
俺は少し立ち尽くしたあと、ぐるっと方向転換をして歩き始める。
「真藤さん、どこ行くんです?」
「駅」
「駅とは反対方向ですよ~あと、もう電車ないですよ~」
「知ってる」
「遊びに行くとかダメですよ!?」
「うるさい!!!!お前のその胡散臭い占いなんて信じられっかての!!!!」
「え、えっちはダメですよ!!……シオン君!!!!!」
「はぁ!?」
下の名前で呼ばれて、思わず赤くなった。
昔から女みたいで呼ばれると恥ずかしくなる。
「な、名前で呼ぶなぁ!!!!!!」
そう言って彼から逃げるようにダッシュする。
……数分後、結局彼に捕まり、強制的に家に送り返された。
とにかく、絶対に占いなんて信じないからーーーー!!!!!!!!!
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