×××しないで!!シオン君!!><

白梅むつみ

文字の大きさ
上 下
4 / 10
第1話

悪夢とへんしん

しおりを挟む
『________誰かと幸せになって。』






『_________そうしなきゃ、アンタも……』








「……!!!!」
 
慌てて飛び起きる。
久しぶりに気分の悪くなる夢を見た。

「はぁ………はぁ…………」

薄いカーテンの向こうが暗い。
時計を見ると、AM 5:00 が緑に光っている。

まだ、一時間寝れる。

再び布団に潜り込むが、寝付けない。

しかたなく、ボーッと、光る時計のパネルを眺めていた。


緑、あの占い師の、瞳の色。


ふと、思い出した。
仕事上、外国人と合うこともあったけど、あんなに美しい目の人は初めて見たかもしれない。

占いの途中、顔が隠れて余計に強調された緑の目に、だんだん俺の全てを見透かされていくようで、恐怖さえ感じた。
今もちょっと思い出す度、少し寒気がする。


……ちくしょう。目が冴えてしまった。

まだ早いが、起きることにした。
ゆっくり布団から出ると、

「寒っ」

思わず身震いする。
そういや昨日のニュースで冷え込むと言っていた。
一瞬布団に戻りたかったが頑張って外に出る。

今日は3時までコンビニバイト、デートの待ち合わせは5時頃なので、ちゃんとした支度は一旦帰ってきてからでも良いだろう。
ちゃちゃっと顔を洗う。
何処かに置いてしまった眼鏡を探しながら冷蔵庫にあった期限ギリギリの惣菜パンを咀嚼し、地味なトレーナーとスラックスに着替えて家を出た。








◇◇◇◇◇◇


バイト先は歩いて15分くらいのところにあるコンビニ。
人通りが少ない場所にあるため、混雑する事があまりなく、業務も人間関係も非常に緩い。
給料は高くないが、楽な仕事だと思う。


バイトの休憩中、スマホの通知に『ハジメさんから新しいメッセージが届いています』と書かれていた。
ハジメさんは今日会う予定の人だ。勿論本当の名前じゃない。


『こんにちは。今日××駅前の居酒屋○○の前で待ってます。』


飲んでからホテルに行こうというところか。
そういうの、嫌いじゃない。


『分かりました。今夜楽しみにしてます。』


イチゴミルクを啜りながら、簡単に返信した。












◇◇◇◇◇◇

「ふぅー……」バイトから帰宅し、急いで支度をし始める。

今着ているトレーナーを脱ぎ、白黒のストリート系パーカーに着替えた。

洗面所に立ち、ミルクティーベージュに染めた髪の根元が黒いことに気付いた。
______そろそろ染めなきゃな…床屋予約入れとこ。

顔を洗い、目に度付きの青いカラコンを入れ、ピアスを耳に着けていく。因みに髭は殆ど生えないので確認だけ。
軽くコンシーラーとパウダーで軽く化粧をし、最後に髪をソフトワックスを整えたら完成。


「……よし」
鏡に映るのはいつもの自分。




時計はもう4時を指していた。
××駅は最寄り駅から2つ隣だから、そろそろ出発しないと遅れる。

ショルダーバッグに貴重品と必要なものを詰め込み外に出る。


『sexしないで下さい』


一昨日占い師に言われた言葉が頭を過るがもう気にしない。



あんな胡散臭い占いなんて信用できるか!!!!!!

俺は自分で運命を見つけてやる!!!!!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない

バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《 根暗の根本君 》である地味男である< 根本 源 >には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染< 空野 翔 >がいる。 ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない?? イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。

お酒に酔って、うっかり幼馴染に告白したら

夏芽玉
BL
タイトルそのまんまのお話です。 テーマは『二行で結合』。三行目からずっとインしてます。 Twitterのお題で『お酒に酔ってうっかり告白しちゃった片想いくんの小説を書いて下さい』と出たので、勢いで書きました。 執着攻め(19大学生)×鈍感受け(20大学生)

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

お客様と商品

あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)

処理中です...