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1984年(昭和59年)11月25日(日曜日)

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注文した肉やライス、スープ、ドリンクがテーブルの上に並べられた。

「何はともあれ、今日が何とか上手く行った1日だった事に乾杯しよう」

僕はそう言ってウーロン茶を手に取った。

「そうだね、なんだかんだ言っても結構なお金ゲット出来たもんね」

加奈もグラスを手にした。

「それじゃあカツラギエースのジャパンカップ優勝に感謝して乾杯!」

「乾杯!ワタシはベッドタイムってお馬さんにも感謝しなくっちゃ」

「それじゃあ、今日は食べられるだけ食べよう」

僕はそう言って網の上に肉を並べた。

「頂きます」

加奈はそう言って手を合わせた。

「でもさ、ワタシが寝泊まりする場所を探すってどうすれば良いのかな?」

加奈が僕に聞いた。

「ひとまずビジネスホテルかどっかを転々とするっていう方法もあるにはあるけど、出来るだけ安いアパートを借りて一時的にそこで生活してた方が安上がりかもしれない」

「アパートってワタシ達みたいな高校生でも借りられるのかな?」

「さすがに高校生って言わずに探した方がいいだろうな」

「どっかで働いてる事にするって事?」

「まあ、そうだね」

「それって大丈夫かな?ワタシそういう演技するのってあんまり自信無いな」

「加奈ちゃんは今、身元や事情を追及されるとかなり面倒な事になるかもしれないからさ。だから部屋を見つけるのは僕の名義で探した方がいいだろうと思う」

肉を裏返しながら僕は言った。

「でもそれだと後で恭介クンが困った事になったりするんじゃないの?」

「そうなったらそうなったで、どうにか出来るだろうと思う。でも加奈ちゃんはちょっと違う。君が僕以外の誰かに自分は未来人だと言い出せばかなり大騒ぎになると思うし、君も多分大変な目に会う事になるだろう。
それに比べたら僕が少々面倒になる位何でもない」

僕はトングで焼けた肉を彼女と僕の小皿に分けた後、新しい肉を網に載せた。

「でも本当に大丈夫?ワタシにはよくわかんないんだけど上手く行くのかな?」

「まあ僕も部屋探しなんてやった事がないからよくはわからないんだけれどもやるだけやってみる。帰りにコンビニで賃貸情報誌買って見てみよう」

僕はそう言って肉を頬張りご飯を掻き込んだ。

「でもそうなるといよいよワタシはこの1984年の東京で1人暮らしを始める事になっちゃうんだね」

加奈もそう言って肉を口に運んだ。

「色々と大変だろうとは思うけど今の所はそれしか方法が思い付けない。
とにかく今目の前にある問題をまず解決していくしかないからさ。

僕はそう言って肉を網の上で裏返した。
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