30 / 43
第2章
2-13 郡空の嘆き、そして決意
しおりを挟む
────どうして、どうしてこんなことになっちゃったの……ッ!?
空は地面に倒れ伏す戸倉に駆け寄り、涙を流す。そしてこれまでの経緯を思い出し、歯噛みしていた。
事の始まりは数十分前。空はいつも行く河川敷で、一人、黄昏ていた。空は少し前までこの河川敷で、うじうじと一日のことを考え、怯える日々を過ごしていたのだ。しかし、昨日桜に励まされてから幾分か自分に自信を持てるようになり、少しは他人に心を開けるようになっていた。
なので、今日は昨日までと違い、ゆっくりと河川敷の景色を眺めるために訪れていたのだ。
心地の良い風が吹き、空の黒髪を揺らす。川の水は太陽の光に照らされ輝いており、遠くにはビルなどの建物が立ち並んでいる。絶景、とは言い難い都会ならではの灰色空模様ではあったが、今の空には全てが心地よく感じた。
「はーっ。いい風……。こんなに穏やかに過ごせるのって、久しぶりだな……」
空は誰に語るわけでもなく、一人呟く。高校生になってからただの一度も安息日はなく、辛い毎日だった。信じていた友達に裏切られ、虐めに気付いてくれた両親も、通り魔によって殺されてしまった。戸倉先輩がいなかったら、あの時頑張れた気がしない。と、空はあの日々を思い出し、ぎゅっと、唇を噛む。
しかし、戸倉先輩に慰めてもらった日でも、辛くて怖くて悔しくて。結局、完全に心が休まることは無かったのだ。だと言うのに、桜に悩みを聞いてもらい励ましてもらっただけで、心がこんなに軽くなるなんて……。おそらく、環境が変わったお陰もあるだろうが、桜の言葉には不思議と元気づけられ、もう大丈夫なんだと安心できたのだ。
もう少しこの余韻に浸っていよう。と、空が大の字になって原っぱに寝そべり、上を見上げた瞬間────。
「──あ、空ちゃんみぃーつけたぁ」
空の耳に、見知らぬ粘着質な声が聞こえたのだ。そして次の瞬間。心地よかった風が突風に変わり、周囲に吹き荒れ始めたのだ。突風に耐えきれなくなった空は、思わず隣に置いていた鞄で顔を覆い、目を閉じる。
暫くして突風が収まると、空はゆっくりと鞄を下ろし、目を開く。空が目を開くと、目の前には怪しい紫のローブを身に纏った人物が満面の笑みを浮かべ、佇んでいた。
ローブには夜空を思わせるような、星座に似た紋様が描かれており、一瞬、占い師? と、空は思う。しかし誰にせよ、突然現れた人物に、空は警戒を隠せないでいた。
「だ、誰ッ!?」
「ふふふ。そぉんなに警戒しないでよぅ! 私は『ナイトメア』。貴方の味方だよぉ?」
空の警戒心剥き出しの声に、ローブの人物──『ナイトメア』は粘着質な声で、嬉しそうに言葉を返した。そして、そんな巫山戯たようなナイトメアの話し方に、空は恐怖を覚える。
────どうしよう……。誘拐? 通り魔? 嫌だ……ッ! 折角毎日が楽しくなりそうなのに、こんな所で死にたくない……ッ!
空は弱みを見せないよう、必死に表情を取り繕ってはいるが、内心は恐怖に押し潰されて、泣き出してしまいそうだったのだ。そんな空の心を見透かしてか、ナイトメアは口元に笑みを浮かべたまま、一歩、空へと近づいてくる。
「────ッ!」
「あららぁ、怖がらせちゃったぁ? めんご、めんごぉ。怖がらないで? 私はただ、貴方のために、大切なことを伝えに来ただけなんだよぅ」
空の怯えように、ナイトメアは全く反省の色のない謝罪をする。
そして、それまで怯えていた空だったが、ナイトメアの一言により、『逃げ』の態勢から『聞く』態勢に体をシフトチェンジさせた。
未だ目の前の人物が怪しいというのは変わらないが、好奇心旺盛な空は、ナイトメアの言葉をどうしても聞き逃せなかったのだ。
「大切なこと……ですか? 一体なんでしょうか……?」
「そうそう、大切なことぉ! 時間が無いから、単刀直入に言うねぇ? 今ぁ、貴方の大切な人達が傷つけあってる。下手すれば、死んじゃうかもねぇ?」
ナイトメアは全く緊張感のない声で、さらりと衝撃の事実を告げる。ナイトメアの言葉に、空は驚きを隠せないように目を丸くする。そんな空の反応に、ますますナイトメアは嬉しそうに口元を歪めた。
「は……? 何、言って……?」
「うんうん。分かるよぉ。言ってる意味、わかんないよねぇ? でも、私が口にするよりぃ、見た方が早いよぉ? というわけで、どうするぅ? 行く? 行かない?」
状況が全く理解出来ていないのに、行くかどうかの選択を迫られ、空はさらに困惑する。一体誰が傷つけ合っているのかも、分からないのに。
でも、迷っていて、それでもし手遅れになったら? また、誰かを失ってしまったら? そんな思いが押し寄せ、空は覚悟を決めたようにナイトメアを強く見据えた。
「……行くよ。案内して」
「おぉ、流石は空ちゃん! 頭の回転が早い子は好きだよぉ?」
正直、ナイトメアをどこまで信用していいか、空はまだ判断がついていなかった。突然現れたこともそうだし、なにより、名乗ってもいないのに空の名前を知っていたのだ。怪しいところしかないのに、信用しろ、という方が難しいだろう。
────それでも、大切な人を失わないためなら、ついて行こう。
もし嘘でも、傷つくのは自分だけだ。そう自分を奮い立たせ、恐怖に震える心を押さえつけ、空はナイトメアを見据える。
「あははぁ。ほんと、可愛い子だねぇ。あ、そうだぁ。行く前に一つ」
ナイトメアは思い出したかのように声を上げ、その声色を一転させる。そんなナイトメアの変わりように、空はより一層体に力を入れ、身構えた。
「空ちゃん。君は力を手にする権利がある。運命に抗う力を、君は手にすることが出来る。全てを思い通りに出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。それは空ちゃん次第だ。もし力が欲しいと思ったら、私に言って? 君にはその権利がある」
先程までの粘着質で巫山戯たような声色を変え、重苦しい声色に変えたナイトメアに、空は寒気を覚えた。言っている意味は分からなかったが、そんなのは今更だと思い、空は頭を軽く縦に振り、頷く。
ナイトメアは空の返事を満足気に見届けた後、パチンッ、と、指を鳴らす。すると、空の周囲に再び突風が吹き荒れ始めた。空は咄嗟に鞄で顔を覆い、目を閉じる。そして突風が収まり、空が目を開けると──。
────そこには戸倉の胸ぐらを掴む桜と、満身創痍でされるがままになっている戸倉の姿があった。
その後、空が困惑して何もできないまま事態は進み、どうすることも出来ず、ただ見ていることしか出来なかったのだ。
そして今、桜に敗れた戸倉が、空の目の前で地面に転がっている。戸倉は身体中傷だらけで、呼吸も荒く、素人の空が見ても、かなり危険な状態であることが分かった。
「先輩……ッ!? 戸倉先輩ッ! 大丈夫ですかッ!?」
空が必死に戸倉に呼びかけると、薄らと、戸倉は瞼を開く。
「うっ……あ……そ……らちゃん……?」
「ッ! 先輩ッ! よかった……。兎に角病院に行きましょう? 色々聞きたいことはありますが、先ずは先輩の命が優先です……ッ!」
「あっはは……あり……がとう……。やっぱり、空ちゃんは……優しい……ね」
戸倉は弱弱しく空の頭を撫で、軽く微笑む。その目には慈愛の色が差しており、空は胸が締め付けられる思いになった。
「でも……ね、もう、手遅れ……かな。僕は……ここで死ぬ」
「ッ!? な、なに言ってるんですか先輩……ッ! こんな時にそんな冗談、止めてください……ッ!」
戸倉の宣言に、空は激しく動揺する。そんな空の頬を、戸倉は安心させるようにそっと撫でる。
「ふふ、そうだったら……よかった……のに、ね……。僕達異能者は、死ぬと死体すら残らず消える。だから、僕の死体も残らない。でも……空ちゃんの記憶からは、消えたくないなぁ……ッ!」
「当たり前ですよッ! 私が先輩を忘れるわけないじゃないですか……ッ! 嫌……。死なないで、先輩ッ!」
戸倉の叫びに呼応するように、空も大粒の涙を流しながら叫ぶ。そんな空を見て、戸倉は満足げに笑い、一筋の涙を流した。
「やっぱり……空ちゃんの事……すき……だなぁ……ッ!」
「えっ……? せんぱ──」
戸倉の言葉の直後、戸倉の体は空中に溶けていき、瞬く間に戸倉は消え去った。空はその光景を絶望の眼差しで見つめ、愕然とする。
「あ……あぁ……ッ! アァァァッ!」
空の絶叫が、辺りに響く。またしても、信じていた友人に裏切られ、今度は大切な人を奪われてしまったのだ。
許せない。ユルセナイ……ッ!
空は、その目を狂気と殺意に満ちた色に変え、桜を睨む。そしてふと、先程ナイトメアが言っていた言葉を思い出す。
────そうだ。力……ッ! 私にも戦える力が、先輩の痛みを、桜に返せる力がッ! 私にあれば……ッ!
そして、空は力を手にすることを決意した。愛する先輩の為に。裏切った桜を、その手で殺すために。
────それが戸倉の思惑通りだとは、露知らず。
空は地面に倒れ伏す戸倉に駆け寄り、涙を流す。そしてこれまでの経緯を思い出し、歯噛みしていた。
事の始まりは数十分前。空はいつも行く河川敷で、一人、黄昏ていた。空は少し前までこの河川敷で、うじうじと一日のことを考え、怯える日々を過ごしていたのだ。しかし、昨日桜に励まされてから幾分か自分に自信を持てるようになり、少しは他人に心を開けるようになっていた。
なので、今日は昨日までと違い、ゆっくりと河川敷の景色を眺めるために訪れていたのだ。
心地の良い風が吹き、空の黒髪を揺らす。川の水は太陽の光に照らされ輝いており、遠くにはビルなどの建物が立ち並んでいる。絶景、とは言い難い都会ならではの灰色空模様ではあったが、今の空には全てが心地よく感じた。
「はーっ。いい風……。こんなに穏やかに過ごせるのって、久しぶりだな……」
空は誰に語るわけでもなく、一人呟く。高校生になってからただの一度も安息日はなく、辛い毎日だった。信じていた友達に裏切られ、虐めに気付いてくれた両親も、通り魔によって殺されてしまった。戸倉先輩がいなかったら、あの時頑張れた気がしない。と、空はあの日々を思い出し、ぎゅっと、唇を噛む。
しかし、戸倉先輩に慰めてもらった日でも、辛くて怖くて悔しくて。結局、完全に心が休まることは無かったのだ。だと言うのに、桜に悩みを聞いてもらい励ましてもらっただけで、心がこんなに軽くなるなんて……。おそらく、環境が変わったお陰もあるだろうが、桜の言葉には不思議と元気づけられ、もう大丈夫なんだと安心できたのだ。
もう少しこの余韻に浸っていよう。と、空が大の字になって原っぱに寝そべり、上を見上げた瞬間────。
「──あ、空ちゃんみぃーつけたぁ」
空の耳に、見知らぬ粘着質な声が聞こえたのだ。そして次の瞬間。心地よかった風が突風に変わり、周囲に吹き荒れ始めたのだ。突風に耐えきれなくなった空は、思わず隣に置いていた鞄で顔を覆い、目を閉じる。
暫くして突風が収まると、空はゆっくりと鞄を下ろし、目を開く。空が目を開くと、目の前には怪しい紫のローブを身に纏った人物が満面の笑みを浮かべ、佇んでいた。
ローブには夜空を思わせるような、星座に似た紋様が描かれており、一瞬、占い師? と、空は思う。しかし誰にせよ、突然現れた人物に、空は警戒を隠せないでいた。
「だ、誰ッ!?」
「ふふふ。そぉんなに警戒しないでよぅ! 私は『ナイトメア』。貴方の味方だよぉ?」
空の警戒心剥き出しの声に、ローブの人物──『ナイトメア』は粘着質な声で、嬉しそうに言葉を返した。そして、そんな巫山戯たようなナイトメアの話し方に、空は恐怖を覚える。
────どうしよう……。誘拐? 通り魔? 嫌だ……ッ! 折角毎日が楽しくなりそうなのに、こんな所で死にたくない……ッ!
空は弱みを見せないよう、必死に表情を取り繕ってはいるが、内心は恐怖に押し潰されて、泣き出してしまいそうだったのだ。そんな空の心を見透かしてか、ナイトメアは口元に笑みを浮かべたまま、一歩、空へと近づいてくる。
「────ッ!」
「あららぁ、怖がらせちゃったぁ? めんご、めんごぉ。怖がらないで? 私はただ、貴方のために、大切なことを伝えに来ただけなんだよぅ」
空の怯えように、ナイトメアは全く反省の色のない謝罪をする。
そして、それまで怯えていた空だったが、ナイトメアの一言により、『逃げ』の態勢から『聞く』態勢に体をシフトチェンジさせた。
未だ目の前の人物が怪しいというのは変わらないが、好奇心旺盛な空は、ナイトメアの言葉をどうしても聞き逃せなかったのだ。
「大切なこと……ですか? 一体なんでしょうか……?」
「そうそう、大切なことぉ! 時間が無いから、単刀直入に言うねぇ? 今ぁ、貴方の大切な人達が傷つけあってる。下手すれば、死んじゃうかもねぇ?」
ナイトメアは全く緊張感のない声で、さらりと衝撃の事実を告げる。ナイトメアの言葉に、空は驚きを隠せないように目を丸くする。そんな空の反応に、ますますナイトメアは嬉しそうに口元を歪めた。
「は……? 何、言って……?」
「うんうん。分かるよぉ。言ってる意味、わかんないよねぇ? でも、私が口にするよりぃ、見た方が早いよぉ? というわけで、どうするぅ? 行く? 行かない?」
状況が全く理解出来ていないのに、行くかどうかの選択を迫られ、空はさらに困惑する。一体誰が傷つけ合っているのかも、分からないのに。
でも、迷っていて、それでもし手遅れになったら? また、誰かを失ってしまったら? そんな思いが押し寄せ、空は覚悟を決めたようにナイトメアを強く見据えた。
「……行くよ。案内して」
「おぉ、流石は空ちゃん! 頭の回転が早い子は好きだよぉ?」
正直、ナイトメアをどこまで信用していいか、空はまだ判断がついていなかった。突然現れたこともそうだし、なにより、名乗ってもいないのに空の名前を知っていたのだ。怪しいところしかないのに、信用しろ、という方が難しいだろう。
────それでも、大切な人を失わないためなら、ついて行こう。
もし嘘でも、傷つくのは自分だけだ。そう自分を奮い立たせ、恐怖に震える心を押さえつけ、空はナイトメアを見据える。
「あははぁ。ほんと、可愛い子だねぇ。あ、そうだぁ。行く前に一つ」
ナイトメアは思い出したかのように声を上げ、その声色を一転させる。そんなナイトメアの変わりように、空はより一層体に力を入れ、身構えた。
「空ちゃん。君は力を手にする権利がある。運命に抗う力を、君は手にすることが出来る。全てを思い通りに出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。それは空ちゃん次第だ。もし力が欲しいと思ったら、私に言って? 君にはその権利がある」
先程までの粘着質で巫山戯たような声色を変え、重苦しい声色に変えたナイトメアに、空は寒気を覚えた。言っている意味は分からなかったが、そんなのは今更だと思い、空は頭を軽く縦に振り、頷く。
ナイトメアは空の返事を満足気に見届けた後、パチンッ、と、指を鳴らす。すると、空の周囲に再び突風が吹き荒れ始めた。空は咄嗟に鞄で顔を覆い、目を閉じる。そして突風が収まり、空が目を開けると──。
────そこには戸倉の胸ぐらを掴む桜と、満身創痍でされるがままになっている戸倉の姿があった。
その後、空が困惑して何もできないまま事態は進み、どうすることも出来ず、ただ見ていることしか出来なかったのだ。
そして今、桜に敗れた戸倉が、空の目の前で地面に転がっている。戸倉は身体中傷だらけで、呼吸も荒く、素人の空が見ても、かなり危険な状態であることが分かった。
「先輩……ッ!? 戸倉先輩ッ! 大丈夫ですかッ!?」
空が必死に戸倉に呼びかけると、薄らと、戸倉は瞼を開く。
「うっ……あ……そ……らちゃん……?」
「ッ! 先輩ッ! よかった……。兎に角病院に行きましょう? 色々聞きたいことはありますが、先ずは先輩の命が優先です……ッ!」
「あっはは……あり……がとう……。やっぱり、空ちゃんは……優しい……ね」
戸倉は弱弱しく空の頭を撫で、軽く微笑む。その目には慈愛の色が差しており、空は胸が締め付けられる思いになった。
「でも……ね、もう、手遅れ……かな。僕は……ここで死ぬ」
「ッ!? な、なに言ってるんですか先輩……ッ! こんな時にそんな冗談、止めてください……ッ!」
戸倉の宣言に、空は激しく動揺する。そんな空の頬を、戸倉は安心させるようにそっと撫でる。
「ふふ、そうだったら……よかった……のに、ね……。僕達異能者は、死ぬと死体すら残らず消える。だから、僕の死体も残らない。でも……空ちゃんの記憶からは、消えたくないなぁ……ッ!」
「当たり前ですよッ! 私が先輩を忘れるわけないじゃないですか……ッ! 嫌……。死なないで、先輩ッ!」
戸倉の叫びに呼応するように、空も大粒の涙を流しながら叫ぶ。そんな空を見て、戸倉は満足げに笑い、一筋の涙を流した。
「やっぱり……空ちゃんの事……すき……だなぁ……ッ!」
「えっ……? せんぱ──」
戸倉の言葉の直後、戸倉の体は空中に溶けていき、瞬く間に戸倉は消え去った。空はその光景を絶望の眼差しで見つめ、愕然とする。
「あ……あぁ……ッ! アァァァッ!」
空の絶叫が、辺りに響く。またしても、信じていた友人に裏切られ、今度は大切な人を奪われてしまったのだ。
許せない。ユルセナイ……ッ!
空は、その目を狂気と殺意に満ちた色に変え、桜を睨む。そしてふと、先程ナイトメアが言っていた言葉を思い出す。
────そうだ。力……ッ! 私にも戦える力が、先輩の痛みを、桜に返せる力がッ! 私にあれば……ッ!
そして、空は力を手にすることを決意した。愛する先輩の為に。裏切った桜を、その手で殺すために。
────それが戸倉の思惑通りだとは、露知らず。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
Millennium226 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 6】 ― 皇帝のいない如月 ―
kei
歴史・時代
周囲の外敵をことごとく鎮定し、向かうところ敵なし! 盤石に見えた帝国の政(まつりごと)。
しかし、その政体を覆す計画が密かに進行していた。
帝国の生きた守り神「軍神マルスの娘」に厳命が下る。
帝都を襲うクーデター計画を粉砕せよ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん)
いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ?
王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。
だけど、夢にみた迄の異世界…
慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。
自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
現在書籍化されている…
「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」
の100年前の物語です。
リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。
そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。
その作品の【改訂版】です。
全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。
今回のHOTランキングでは最高5位かな?
応援有り難う御座います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる