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第9章 星野暗躍・門倉暗闇・真田強靭・児玉強運(4)
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所長室の執務机の3面のディスプレイを前に、高価で機能的な椅子に座った星野は考え込んでいた。門倉を揶揄って愉快な表情を見せていた面影が欠片も残っていない。あるのは眉間の縦皴と渋面を浮かべ、責任に押し潰されそうな壮年の男の顔だった。
真田と児玉の安全は自衛隊に委ねた。
AI暴走・・・いや、AIの第一命題にサイバー世界侵略と意図的に設定し、準備させていた物的証拠はカドくんが押さえる。
AI研究開発センターの有森は黒幕の中でも特に真っ黒だから、14時30分に所長室で打ち合わせしたいと呼び出してある。しかし、有森だけを隔離すれば安心とはいかない。
そう考えると、AI研究開発センターの全員、量子コンピューターへアクセスできないぐらいしないとダメじゃね。いっそのこと、どっかの部屋に全員集めておいて”カドくんアタック”が終わるまで監禁したいぐらいだ。
AI研究開発センターの全員を監禁はムリとしても、人数を減らすぐらいはできっか・・・。
右側のディスプレイに職種、年齢などの情報を付加したAI研究開発センターの出勤者リストを表示させ、左側のディスプレイに研究開発者以外の支援業務を行っている出勤者リストを表示させた。
昔ながらのトラックボールマウスを使い、量子コンピューター管理部施設課の野本課長をビデオ通話で呼び出した。すぐに野本が応答し、中央のディスプレイに顔が映し出された。
「AI研究開発センターの誰でも良いから、なるべく多くのセンター員を、適当な理由をつけて1時間ぐらい会議室に閉じ込めておいてくれ」
出会い頭に無理難題の用件だけ星野は告げた。
『理由を教えてくれないか?』
「いやいや、適当な理由で良いんだ」
『そっちの理由じゃない。センター員閉じ込めないといけない理由だ、ヨッシー』
「やだ」
『やだ、じゃねぇーから』
「カドくんが、クビ(懲戒免職)をかけて監査している案件なんだが・・・どうだ?」
星野や門倉と共に、財務省とケンカする準備を一緒にしていた仲間の絆は深い。野本も仲間の一人であったが、門倉が意図的にスタンドプレーでケンカしたため、お咎めなしとなった。省庁内で伝説の人物となった門倉の境遇を憂い、何かと協力的な人物だった。
『量子コンピューター増設の申請書に不備がある・・・というのなら、すぐにでも可能だ。えーっと・・・AI研究開発センターからの申請が4人のチームか・・・。了解だ。監査が終わったら理由を教えろや、いいなっ!』
「いやいや、カドくんの人望が垣間見えたよ」
丸め込もうとするような星野の口振りに、野本が語気荒く言い放つ。
『絶対だからなっ!』
野本の荒い語気から、星野の人望も垣間見える。
「カドくんから直接伝えるよう手配するぞ。任せておけ」
門倉の言った通り星野は組織人としての優秀さを発揮した。とくに自らの労力を少なくし、他人を動かし、最後の始末まで他人に任せるという結構な外道ぶりだった。
さてさて、次は誰に頼もうかな。
とりあえず、面識のあるヤツに片っ端から連絡しみっか。
コミュニケーションツールに在席中のマークのある相手をビデオ通話で呼び出し、理由を告げずに要請する。しかし、AI研究開発センターのセンター員を呼びつけられる理由のある部署は、意外と少なかった。研究所の管理部門なら何かしら理由をつけて呼び出せると思っていたのだが・・・。
このまま、ちまちまと面識のあるヤツに要請しても埒が明かんぞ。
もっと効率良く、AI研究開発センターに難癖をつけて呼び出せる部署は・・・と。
いや、やっぱり人が重要。
力業で無理やりセンター員を呼び出せる強引なヤツ・・・。もしくは、適当な理由をでっち上げ、それを信用させられるヤツ・・・か。
そうなると、やっぱ財務省とケンカする準備を一緒にしたヤツらが候補に挙がるなー。
右側のディスプレイへと視線を移し、心当たりのヤツらの名前を順繰りと眺めていた。
数分ほど心を無にして眺めていると、一人戻ってきたらしく、コミュニケーションツールに在席中マークが点灯した。
「やあやあ、浦野真彦ネットワーク管理部部長。ちょーっとした要請があるんだけど」
『なんだい、星野良生中央統合情報処理研究所所長』
「そんな警戒しないでくれって」
『お前がボクのフルネームと役職つけて要請してくるのを警戒するなって? 冗談言うなよ』
ディスプレイの向こう側にいる浦野は、苦虫を噛み潰したような表情をしていた。
「時間がないから本題に入るが、AI研究開発センターの量子コンピューターが怪しげな通信をしてる。特にここ2日ぐらい多いはずだ。AI研究開発センターからなるべく多くの人を引っ張り出して、1時間ぐらい尋問してくれ。ああ、AI研究開発センターに呼び出しをかけるのは14時40分以降でな」
『不自然な通信があるのは把握してる。けどな、時刻指定の理由は?』
「カドくん。クビをかけての大勝負」
『ホントだな?』
「嘘吐いてどうする。時間がないんだ」
『分かった。それで、お前のクビはかかってないのか?』
「心配するな、安全だぞ」
『ちっ、仕方ない。14時40分頃にAI研究開発センターに行って、手当たり次第連れ出してやるよ。5人はいける』
相変わらずのツンデレキャラだな浦野は・・・最後には引き受け、キッチリ結果を残してくれる。カドくんの為だろうけど。
「それは凄い。よろしく頼むぞ」
さてさて次は・・・うーん、ちまちま面倒だな。根こそぎ連れ出せる手は・・・と。確かカドくん、大事にした方が大丈夫とか言ってたよな。よし、大事にしてしまおう。どうせ各処への直接説明はカドくんがするんだ。そうすりゃ、通達だけ出して終わりにできるぞ。
おっ、戻ってきたぞ。
コミュニケーションツール在席中に変わったので、すぐにビデオ通話で呼び出しをかける。
『ヨッシー、カドくんは無事にラック内に収納できたってな。上々の始まりじゃん』
部下2人に言い含め、門倉のラック入りに協力した総務部部長の小林宏が明るい表情でディスプレイに映っている。
「おう、手間かけた。それでな、宏に折り入って頼みがあるんだ」
『まだあるのか?』
ウンザリしたような口調の小林に、まるっきり気を遣わず星野は説明を始める。
「AI研究開発センターの空調とかで、部屋に問題が起きた。だから14時50分ぐらいに部屋から全員どっかの会議室に監禁・・・でなく移動してもらってくれ。とりあえず他の部署にも要請してっから、部屋には十人もいない予定だ」
『はあ?』
「それと、会議室では量子コンピューターとの通信はできないようにするんだ」
『今度は施設室を動かせと・・・。結構な人数に気づかれるじゃんか。いいんか?』
総務部部長である小林は、早い段階で仲間に引き入れていたから、事情も良く理解しているのだ。
「こういうのは、大事にした方が大丈夫なのさ・・・byカドくん」
『そりゃあー、始末書フラグじゃん』
「やらない?」
『やってやんよ。だが、覚悟しとけよ。自分が処分されたら、ヨッシーも必ず道連れにすっかんな』
「大丈夫だ。ユージとカドくんとで、昨日覚悟を決めたんだ。諭旨退職処分までなら付き合うってな」
『しゃーねーなー。自分は、譴責処分までなら付き合おうじゃん』
「それじゃあ、頼むぞ」
小林宏とのビデオ通話を終わらせ、時刻を確認する。
14時20分。
打てるだけの手は打った。
あとは、ボス攻略戦に突入となる。
ボス攻略の必須クエストが同時進行中という、現実世界ならではの綱渡り。
ホント頼むぞ、カドくん。
暗闇で広角レンズを覗いている変質者状態の門倉に、星野はクエストの成功を全力で祈を捧げたのだった。
真田と児玉の安全は自衛隊に委ねた。
AI暴走・・・いや、AIの第一命題にサイバー世界侵略と意図的に設定し、準備させていた物的証拠はカドくんが押さえる。
AI研究開発センターの有森は黒幕の中でも特に真っ黒だから、14時30分に所長室で打ち合わせしたいと呼び出してある。しかし、有森だけを隔離すれば安心とはいかない。
そう考えると、AI研究開発センターの全員、量子コンピューターへアクセスできないぐらいしないとダメじゃね。いっそのこと、どっかの部屋に全員集めておいて”カドくんアタック”が終わるまで監禁したいぐらいだ。
AI研究開発センターの全員を監禁はムリとしても、人数を減らすぐらいはできっか・・・。
右側のディスプレイに職種、年齢などの情報を付加したAI研究開発センターの出勤者リストを表示させ、左側のディスプレイに研究開発者以外の支援業務を行っている出勤者リストを表示させた。
昔ながらのトラックボールマウスを使い、量子コンピューター管理部施設課の野本課長をビデオ通話で呼び出した。すぐに野本が応答し、中央のディスプレイに顔が映し出された。
「AI研究開発センターの誰でも良いから、なるべく多くのセンター員を、適当な理由をつけて1時間ぐらい会議室に閉じ込めておいてくれ」
出会い頭に無理難題の用件だけ星野は告げた。
『理由を教えてくれないか?』
「いやいや、適当な理由で良いんだ」
『そっちの理由じゃない。センター員閉じ込めないといけない理由だ、ヨッシー』
「やだ」
『やだ、じゃねぇーから』
「カドくんが、クビ(懲戒免職)をかけて監査している案件なんだが・・・どうだ?」
星野や門倉と共に、財務省とケンカする準備を一緒にしていた仲間の絆は深い。野本も仲間の一人であったが、門倉が意図的にスタンドプレーでケンカしたため、お咎めなしとなった。省庁内で伝説の人物となった門倉の境遇を憂い、何かと協力的な人物だった。
『量子コンピューター増設の申請書に不備がある・・・というのなら、すぐにでも可能だ。えーっと・・・AI研究開発センターからの申請が4人のチームか・・・。了解だ。監査が終わったら理由を教えろや、いいなっ!』
「いやいや、カドくんの人望が垣間見えたよ」
丸め込もうとするような星野の口振りに、野本が語気荒く言い放つ。
『絶対だからなっ!』
野本の荒い語気から、星野の人望も垣間見える。
「カドくんから直接伝えるよう手配するぞ。任せておけ」
門倉の言った通り星野は組織人としての優秀さを発揮した。とくに自らの労力を少なくし、他人を動かし、最後の始末まで他人に任せるという結構な外道ぶりだった。
さてさて、次は誰に頼もうかな。
とりあえず、面識のあるヤツに片っ端から連絡しみっか。
コミュニケーションツールに在席中のマークのある相手をビデオ通話で呼び出し、理由を告げずに要請する。しかし、AI研究開発センターのセンター員を呼びつけられる理由のある部署は、意外と少なかった。研究所の管理部門なら何かしら理由をつけて呼び出せると思っていたのだが・・・。
このまま、ちまちまと面識のあるヤツに要請しても埒が明かんぞ。
もっと効率良く、AI研究開発センターに難癖をつけて呼び出せる部署は・・・と。
いや、やっぱり人が重要。
力業で無理やりセンター員を呼び出せる強引なヤツ・・・。もしくは、適当な理由をでっち上げ、それを信用させられるヤツ・・・か。
そうなると、やっぱ財務省とケンカする準備を一緒にしたヤツらが候補に挙がるなー。
右側のディスプレイへと視線を移し、心当たりのヤツらの名前を順繰りと眺めていた。
数分ほど心を無にして眺めていると、一人戻ってきたらしく、コミュニケーションツールに在席中マークが点灯した。
「やあやあ、浦野真彦ネットワーク管理部部長。ちょーっとした要請があるんだけど」
『なんだい、星野良生中央統合情報処理研究所所長』
「そんな警戒しないでくれって」
『お前がボクのフルネームと役職つけて要請してくるのを警戒するなって? 冗談言うなよ』
ディスプレイの向こう側にいる浦野は、苦虫を噛み潰したような表情をしていた。
「時間がないから本題に入るが、AI研究開発センターの量子コンピューターが怪しげな通信をしてる。特にここ2日ぐらい多いはずだ。AI研究開発センターからなるべく多くの人を引っ張り出して、1時間ぐらい尋問してくれ。ああ、AI研究開発センターに呼び出しをかけるのは14時40分以降でな」
『不自然な通信があるのは把握してる。けどな、時刻指定の理由は?』
「カドくん。クビをかけての大勝負」
『ホントだな?』
「嘘吐いてどうする。時間がないんだ」
『分かった。それで、お前のクビはかかってないのか?』
「心配するな、安全だぞ」
『ちっ、仕方ない。14時40分頃にAI研究開発センターに行って、手当たり次第連れ出してやるよ。5人はいける』
相変わらずのツンデレキャラだな浦野は・・・最後には引き受け、キッチリ結果を残してくれる。カドくんの為だろうけど。
「それは凄い。よろしく頼むぞ」
さてさて次は・・・うーん、ちまちま面倒だな。根こそぎ連れ出せる手は・・・と。確かカドくん、大事にした方が大丈夫とか言ってたよな。よし、大事にしてしまおう。どうせ各処への直接説明はカドくんがするんだ。そうすりゃ、通達だけ出して終わりにできるぞ。
おっ、戻ってきたぞ。
コミュニケーションツール在席中に変わったので、すぐにビデオ通話で呼び出しをかける。
『ヨッシー、カドくんは無事にラック内に収納できたってな。上々の始まりじゃん』
部下2人に言い含め、門倉のラック入りに協力した総務部部長の小林宏が明るい表情でディスプレイに映っている。
「おう、手間かけた。それでな、宏に折り入って頼みがあるんだ」
『まだあるのか?』
ウンザリしたような口調の小林に、まるっきり気を遣わず星野は説明を始める。
「AI研究開発センターの空調とかで、部屋に問題が起きた。だから14時50分ぐらいに部屋から全員どっかの会議室に監禁・・・でなく移動してもらってくれ。とりあえず他の部署にも要請してっから、部屋には十人もいない予定だ」
『はあ?』
「それと、会議室では量子コンピューターとの通信はできないようにするんだ」
『今度は施設室を動かせと・・・。結構な人数に気づかれるじゃんか。いいんか?』
総務部部長である小林は、早い段階で仲間に引き入れていたから、事情も良く理解しているのだ。
「こういうのは、大事にした方が大丈夫なのさ・・・byカドくん」
『そりゃあー、始末書フラグじゃん』
「やらない?」
『やってやんよ。だが、覚悟しとけよ。自分が処分されたら、ヨッシーも必ず道連れにすっかんな』
「大丈夫だ。ユージとカドくんとで、昨日覚悟を決めたんだ。諭旨退職処分までなら付き合うってな」
『しゃーねーなー。自分は、譴責処分までなら付き合おうじゃん』
「それじゃあ、頼むぞ」
小林宏とのビデオ通話を終わらせ、時刻を確認する。
14時20分。
打てるだけの手は打った。
あとは、ボス攻略戦に突入となる。
ボス攻略の必須クエストが同時進行中という、現実世界ならではの綱渡り。
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