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自由の天地を求めて
突進するユキノと軍隊
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イデア草原の東北部にある都市ワンスはもともと自由南方共和国の一都市であった。軍事面においては対ラシア皇国の最前線になっていた。皇国との関係が悪化するにつれ、共和国はワンスを徐々に要塞都市として機能させた。それがかえって皇国の疑心を招き、皇国もワンス方面軍を増強させた。一触即発の事態を恐れた共和国はワンスを自治領とすることで緊張を解いた。そうしてワンスは草原でも最強の自治領として存在することになった。
その自治領ワンスに地上艦タイソンと艦長以下乗組員たちは補給と休息を求めて向かっていた。 ひとたびワンスに入ればタイソンの面々は安全になる。艦長の決断を支持した乗組員たちは中途の脅威に全神経を傾けながらそれぞれの仕事をこなした。
「イエロー警戒態勢! 未確認集団が当艦に接近中! 集団は戦力を保持している模様!」
タイソンの制御AIマギーが警報を発したとき、格納庫で整備をしていたユキノは整備中のRBに飛び乗った。そして自分のマシンをチェックしていたタークにも発進するよう促した。
「ターク! 行くわよ! ハルマンが起きるまではアタシたちでタイソンを守るのよ!」
「おう! でもよ、お前またピンクのVTで出るのか? 目立つからやめろってみんなに言われてるだろ? やられても知らねえぞ! じゃあ先に行くぞ!」
「バカね! これはピンクじゃなくてマゼンタよ! ピンクより少し暗いから大丈夫よ!」
大小の戦闘を何度も経験したタークとユキノには余裕があった。実際、小規模の盗賊団ならば彼らの経験を生かした戦い方で撃退できたであろう。ただ、この時は相手が盗賊団ではなかった。
「おい艦長! 俺とユキノだけじゃ無理だ! こいつら軍隊だぜ! 増援してくれ!」
タークとユキノに迫ってきたのは整然と隊列を組んだRB部隊であった。
覚悟を決めたタークがバスターに変形したとき、ユキノは敵部隊に向けて突進していた。
その自治領ワンスに地上艦タイソンと艦長以下乗組員たちは補給と休息を求めて向かっていた。 ひとたびワンスに入ればタイソンの面々は安全になる。艦長の決断を支持した乗組員たちは中途の脅威に全神経を傾けながらそれぞれの仕事をこなした。
「イエロー警戒態勢! 未確認集団が当艦に接近中! 集団は戦力を保持している模様!」
タイソンの制御AIマギーが警報を発したとき、格納庫で整備をしていたユキノは整備中のRBに飛び乗った。そして自分のマシンをチェックしていたタークにも発進するよう促した。
「ターク! 行くわよ! ハルマンが起きるまではアタシたちでタイソンを守るのよ!」
「おう! でもよ、お前またピンクのVTで出るのか? 目立つからやめろってみんなに言われてるだろ? やられても知らねえぞ! じゃあ先に行くぞ!」
「バカね! これはピンクじゃなくてマゼンタよ! ピンクより少し暗いから大丈夫よ!」
大小の戦闘を何度も経験したタークとユキノには余裕があった。実際、小規模の盗賊団ならば彼らの経験を生かした戦い方で撃退できたであろう。ただ、この時は相手が盗賊団ではなかった。
「おい艦長! 俺とユキノだけじゃ無理だ! こいつら軍隊だぜ! 増援してくれ!」
タークとユキノに迫ってきたのは整然と隊列を組んだRB部隊であった。
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