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新たなる三人の魔法少女
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「いいかいお前ら、お前らはアタシの手下になったよ。マオにナオにアヤだったね。とりあえず衣装の色はアタシと同じクリムゾンというか紅色だ。ほれ!」
マキがステッキを振ると三人のドレスは紅色に変化した。
「次は箒で飛ぶ練習だ。その機械の箒にまたがってみろ、そこの窓から飛ぶぞ」
マオたち三人がまごまごしているとマキの怒声が響き、三人は窓際に追い詰められた。
「……無理! 高い! 怖い! 助けて!」
三人は泣きながらマキから逃げようとしたが尻を蹴とばされ、窓辺に立って地表を見た。
「どうせ夢だから死なないでしょ、え~~い! やっぱ怖い! 無理!」
マオたちは飛ぼうとしたが尻込みし、恐怖で叫んだ瞬間にマキに突き飛ばされた。
「おら飛べ、飛べるんだよお前らは、箒を信じろ。歯を食いしばって飛べ! 飛べ!」
突き飛ばされたマオたちは城の窓から落下し、しばらく絶叫した後にふわりと止まった。
「あれ? 飛んでる? 私飛んでる? うっそ~~!」
マオたちは宙に浮かぶ自分たちを見比べて笑い、やがて大きな声で笑いだした。
「お前らは魔法少女になったんだよ。自由自在に空を飛べるし魔法だって使える。もうただの人間じゃない。この世界で思う存分魔法を使って遊んでいいんだよ」
マキの言葉を聞いたマオたちは弾けるような笑顔をマキに返し、飛び回った。
「……お姉さん、ありがとう。私一度でいいから魔法少女になりたかった。夢をかなえてくれてありがとう。私もう死んでもいい。でもずっとこの世界にいたい」
「そうかい。アタシはお姉さんじゃなくてローズだ。いやマキでいい。これからはアタシの命令を聞いて魔法の練習をするんだ。一人前の魔法少女になりたいだろ?」
マオたちは何度もうなずき、マキの言うことを聞いて魔法の練習に励んだ。
「……まあ、マキちゃんが鍛えれば戦力になりそうだねメグちゃん。とりあえずあの三人はマキちゃんに任せて私たちはお茶でも飲もうか」
ミクとメグが優雅にティータイムを楽しんでいる間もマキとマオたちの特訓は続いた。
「……エメラルダさま! サファイアさま! ダイヤ王子の一党が移動しました!」
宮殿に飛び込んできた魔族男の報告を聞いたミクとメグは顔を見合わせ、急いで特訓中のマキたちにその報告を伝えた。
マキがステッキを振ると三人のドレスは紅色に変化した。
「次は箒で飛ぶ練習だ。その機械の箒にまたがってみろ、そこの窓から飛ぶぞ」
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「……無理! 高い! 怖い! 助けて!」
三人は泣きながらマキから逃げようとしたが尻を蹴とばされ、窓辺に立って地表を見た。
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「あれ? 飛んでる? 私飛んでる? うっそ~~!」
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「そうかい。アタシはお姉さんじゃなくてローズだ。いやマキでいい。これからはアタシの命令を聞いて魔法の練習をするんだ。一人前の魔法少女になりたいだろ?」
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「……まあ、マキちゃんが鍛えれば戦力になりそうだねメグちゃん。とりあえずあの三人はマキちゃんに任せて私たちはお茶でも飲もうか」
ミクとメグが優雅にティータイムを楽しんでいる間もマキとマオたちの特訓は続いた。
「……エメラルダさま! サファイアさま! ダイヤ王子の一党が移動しました!」
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